以前、このコラムで「『脳内イメージ』をポジティブに保つ」というお話をしました。人は、脳の中に“ご機嫌な映像”を思い浮かべると気分もご機嫌になり、“不機嫌な映像”を流すと不機嫌になるといったお話です。
今回も、ちょっとだけ“映像づくり”におつき合い願います。まず、ご機嫌な映像をあなたの中に流してみてください。
・ 「もう一度、訪れてみたい」と思うような、思い出の旅先の風景。
・ 子供が笑みを浮かべて嬉しそうにしているところ。
・ 自分が何かを成し遂げた時の気持ちいい瞬間。
いかがですか。もし、記憶が映像にならないようでしたら、次のような問いを自分に投げてみてください。
・ それはいつだったか?
・ 季節は? 天気はどうだったか?
・ 誰と一緒にいたか?
・ 周りにはどんな景色や建物があったか?
・ どんな音がしていたか?
どうでしょう。映像が浮かびやすくなったかと思います。浮かべる前と浮かべた後では、何か気分的な変化がありましたか。きっと、ポジティブな気分をお感じになったはずです。
話で楽しませる人の“映像づくり”
では次に、ちょっとイヤかもしれませんが、不機嫌な映像を流してみてください。
・上司から不合理な叱責を受けている場面。
・自分の不平ばかりを言い続けて、こちらの話を全く聞かない友人の顔。
・思ったような結果が出せなかった“あの瞬間”。
こちらはどうですか。気分はどう変わったでしょうか。おそらく、心の中を重苦しさが支配し始めたのではないかと思います。
映像が差し替わることで、気分は一気に変わります。そして、この原則を理解していれば、周りの人の気分さえ変えることができます。
一緒に話をしていると、すごくこちらが楽しくなる人っていますよね。少し前まではなんとなく気分が沈みがちだったのに、その人と会って話したとたん、気持ちが明るくなる。
そういう人の多くは、“違う映像”を私たちに挿入してくれているんですね。さっきまで自分の中で支配的だった嫌な映像が、その人の話を聞くことで楽しい映像に切り替わる。
映像をプラスへと切り替えさせてくれる人の話は、決して抽象的ではありません。その場の光景や状況を、ありありと再現している。だから、聞き手のこちらの中で映像化が起こる。
例えば、次の2人の話を聞き比べてみましょう。
声や気持ちも加えて効果アップを
Aさん:「この前の日曜日、熱海に行ったんだけど、すごく楽しかったんだよね」
これでは映像が生まれません。具体的な言葉といえば、「日曜日」「熱海」ぐらい。話が漠然としているから、聞いていても映像化されないのです。
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