「鈴木義幸の「風通しのいい職場作り」」

「相槌」から生まれる“幸”もある

“ご機嫌の神”は細部に宿る

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2009年3月16日(月)

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 以前、このコラムで「『脳内イメージ』をポジティブに保つ」というお話をしました。人は、脳の中に“ご機嫌な映像”を思い浮かべると気分もご機嫌になり、“不機嫌な映像”を流すと不機嫌になるといったお話です。

 今回も、ちょっとだけ“映像づくり”におつき合い願います。まず、ご機嫌な映像をあなたの中に流してみてください。

・ 「もう一度、訪れてみたい」と思うような、思い出の旅先の風景。
・ 子供が笑みを浮かべて嬉しそうにしているところ。
・ 自分が何かを成し遂げた時の気持ちいい瞬間。

 いかがですか。もし、記憶が映像にならないようでしたら、次のような問いを自分に投げてみてください。

・ それはいつだったか? 
・ 季節は? 天気はどうだったか?
・ 誰と一緒にいたか?
・ 周りにはどんな景色や建物があったか?
・ どんな音がしていたか?

 どうでしょう。映像が浮かびやすくなったかと思います。浮かべる前と浮かべた後では、何か気分的な変化がありましたか。きっと、ポジティブな気分をお感じになったはずです。

話で楽しませる人の“映像づくり”

 では次に、ちょっとイヤかもしれませんが、不機嫌な映像を流してみてください。

・上司から不合理な叱責を受けている場面。
・自分の不平ばかりを言い続けて、こちらの話を全く聞かない友人の顔。
・思ったような結果が出せなかった“あの瞬間”。

 こちらはどうですか。気分はどう変わったでしょうか。おそらく、心の中を重苦しさが支配し始めたのではないかと思います。

 映像が差し替わることで、気分は一気に変わります。そして、この原則を理解していれば、周りの人の気分さえ変えることができます。

 一緒に話をしていると、すごくこちらが楽しくなる人っていますよね。少し前まではなんとなく気分が沈みがちだったのに、その人と会って話したとたん、気持ちが明るくなる。

 そういう人の多くは、“違う映像”を私たちに挿入してくれているんですね。さっきまで自分の中で支配的だった嫌な映像が、その人の話を聞くことで楽しい映像に切り替わる。

 映像をプラスへと切り替えさせてくれる人の話は、決して抽象的ではありません。その場の光景や状況を、ありありと再現している。だから、聞き手のこちらの中で映像化が起こる。

 例えば、次の2人の話を聞き比べてみましょう。

声や気持ちも加えて効果アップを

 Aさん:「この前の日曜日、熱海に行ったんだけど、すごく楽しかったんだよね」

 これでは映像が生まれません。具体的な言葉といえば、「日曜日」「熱海」ぐらい。話が漠然としているから、聞いていても映像化されないのです。

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著者プロフィール

鈴木 義幸(すずき・よしゆき)

鈴木 義幸 株式会社コーチ・エィ 取締役社長
慶應義塾大学文学部卒。(株)マッキャンエリクソン博報堂にメディアプランナーとして勤務後、渡米。ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程を修了。帰国後、コーチ・トゥエンティワンの設立に参画。延べ200社以上の企業において管理職を対象とするコーチング研修を行う。また200人を超える経営者、管理職のマンツーマンコーチングを実施。企業におけるコーチング・カルチャーの構築を手がける。著書に『職場スイッチ』(ダイヤモンド社)、『リーダーが身につけたい25のこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほめる技術』(実業出版)、『プレゼンスマネジメント』(日経BP)、『決断の法則「これをやる!」』(講談社)、『セルフトーク・マネジメントのすすめ』(日本実業出版社)など。



このコラムについて

鈴木義幸の「風通しのいい職場作り」

 空気が淀み、風が通らなくなった職場の中に実際に身を置いていると、一体どうすれば、そこに新鮮な風が通るのか、皆目見当もつかないかもしれません。

 けれども、人の心理が集団の中でどのように動き、どのように変化するのかを知識として備えていれば、そして、少しの勇気と行動力があれば、絡まって団子になってしまった糸も少しずつほぐしていくことができると思います。

 当連載では、組織心理学、行動科学の専門家として、様々な企業の現場をコーチングしてきた私自身の経験を活かし、風通しのよい職場の作り方の一端を、みなさんにご紹介できたらと思っています。このコラムを読んでいただくことで、少しでも、みなさんの職場に新鮮な風が通ることを願ってやみません。

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