この春、要注目のソフトといえば、ニンテンドーDS用ソフト「相棒DS」(テクモ)で決まりです!

2人とともに難事件の解決に挑む「相棒DS」(販売:テクモ)。原作の雰囲気を壊すことなく、きっちりとゲーム化されているのが素晴らしい。
(c)テレビ朝日・東映
(c)TECMO,LTD. 2009
高視聴率を叩き出している人気刑事ドラマ「相棒」のゲーム化作品です。原作の世界通り、水谷豊・寺脇康文らの俳優陣もそのまま実写で登場。2人が事件の解決に挑む姿が描かれます。
なぜ、これが要注目ソフトなのか? じつは、これまでに作られた、俳優が実写で登場するゲームには、目立つヒット作があまり存在しないのですね。
俳優をそのままゲームに登場させ、なおかつヒットさせるには、きわめて高いハードルがある。最大の難関は、ゲームが「なんでもアリ」の世界だということでしょう。
ゲーム内の登場人物は、どれだけ荒唐無稽であってもいい。人間でなくたってかまわない。ユーザーの興味を引くために、どんな反則技も許されます。あらゆる手を使って注目を引き、ユーザーに興味を引いてもらうことを目指しているのです。
このため、ゲームに俳優を出演させ、ごく普通の人物を演じてもらい、そのキャラクターに注目を集めるのは困難なのですね。それは重火器すら持ち込み可能なルール無用の戦場に、素手で戦いを挑むようなもの。最初から巨大なハンデを背負ったままの、きわめて分の悪い勝負になるのです。
ゲーム内でも光った「俳優の力」
しかし「相棒DS」は、そんなハンデ戦に、鮮やかに勝利してみせました。
実写映像をフル活用し、テレビドラマの世界をそのまま再現。ルール無用の戦場に素手で飛び込んでいるにもかかわらず、面白いゲームとして成立しています。ゲームの歴史上、きわめて稀有な成功例といえるでしょう。
勝因は2つありそうです。
ひとつは、原作である刑事ドラマ「相棒」が持つポテンシャルの高さです。2006年に単発ドラマとして放送されて高評価を得て、2002年からはテレビ朝日系で連続ドラマとして放送開始。じわじわと人気を高め、いまではつねに高視聴率を獲る人気番組になりました。2008年には東映で映画化され、大ヒットを記録したのは記憶に新しいところです。もともと多くの人に愛される確固たる土壌があるからこそ、ゲーム化されても、揺らぐことのないクオリティーが保たれているのでしょう。
そしてなにより、俳優陣が素晴らしいことです。とりわけ水谷豊が演じる杉下右京というキャラクターの魅力は際立っています。テレビドラマのままの姿で、もちろん派手なメイクも衣装もしていない。なのに、そこらのゲーム内の登場人物よりも、はるかにクセのある「キャラ」として、ゲーム世界の中で存在感を見せつけ、ぐいぐいとストーリーを引っ張っていきます。このゲームのふたつめの勝因は、そこにあります。
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