• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本はこのまま壊れる?

寺社建築から眼鏡フレームまで、日本を支える職人芸を読む

  • 松島 駿二郎

バックナンバー

2009年4月3日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

壊れる日本人』再生論 柳田邦男著 新潮文庫 438円(税別)

 本書は以前『石に言葉を教える 壊れる日本人への処方箋』というタイトルであった。

 「石に言葉を教える」というタイトルが気に入り、本コラムでも取り上げようと思ったことがあった。その内容は、同時代の日本への、特に若年層と親たちへの痛烈な異議申し立てであり、どの柳田の書物もそうであるように、理路整然と、読みやすい文体で書かれている。

壊れる日本人』再生論 柳田邦男著

 山の中のせせらぎのかたわらで、男が石と向き合って毎日話しかける。すると数年経つと石が男の言葉に反応したように、男は感じた。やがて男は石との交流をさらに深めていく。しまいには喜怒哀楽を石と共にするようになる。石と向き合って話し続けてきて長い年月が流れ、やがて石は男になり、男は石になる。万物に心が宿るアニミズムの極致である。

 著者は小学生たちとその教師に、具体的な提案をする。

 月に一度でいいから子供たちに学校の周りの何でも良いからひとつのオブジェを選ばせる。自分の座っている椅子かも知れないし、給食のお椀、あるいは路傍に咲く花でもいい。子供たちは自分が選んだオブジェと向き合って座り、一緒にお話をしなさいと、放り出す。

 子供たちは始めは戸惑うだろう。椅子と話すなんて、困る困る。

 この困ることこそが子供たちにとって大切なのだ。ケータイのスイッチを入れれば見たいテレビ画像がいつでも出てくるし、ゲームの戦闘態勢もセットされている。そんなとき、子供たちは何も考えていない。でも、椅子や花は何もセットしてくれない。

 石に言葉を教える。子どもたちにそういう時間を与える学校あるいは教師よい出よ。

 とこの項は終わる。

 ところで、著者にぜひやって貰いたいことがある。それは「日本の母親」の問題だ。我が子大事、エゴイズムの固まりの母親たちが、小学校教師たちを萎縮させている現実を。

 ちょっとでもカリキュラムからはずれたら、即時学校に怒鳴り込み、教師の変更を求める現実を。日本を壊しつつあるのは、都市部の母親たちだ。

コメント0

「書物漂流」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員