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25. あなたが文学を必要としているかどうかは、iTunesマイレートの星のつけかたでわかる。

  • 千野 帽子

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2009年4月8日(水)

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 日直のボウシータです。

 パソコンで音楽のデータを管理・プレイするiTunesというソフトがある。iPodを使うためのソフトだ。

 ソーシャルネットワーキングサイトmixiにある、「iTunes」のコミュニティで、iTunesの「マイレート」という項目をどういうふうに使っているか、という話題があった。マイレートというのは、ソフトで管理している曲を星ひとつから星5つまでの5段階で評価するものだ。

 ある人はこんなことを書いていた。「好きな曲に5つ星を使うのはわかるけど、3つ星・2つ星というのはどういう意味づけにしたものか」。ちなみにその人は5つ星を〈最高、誰にでもおすすめできる〉としていた。5つ星については同様に〈誰もが思う名曲中の名曲〉という表現を使う人もいた。

 これを読んで「うん、わかるわかる」という人は、ここから先は読まなくていい。あなたは文学を必要としていないからだ。

 逆に、

 「あれ? この人たちの5つ星の説明を読んだら、『好きな曲に5つ星を使う』ということの意味がわからなくなってきた」

という人。あなたは文学を必要としている可能性がある。こんなふうに考えるあなたは、つぎのことを知っているからだ。

「自分にとって〈最高〉のものは、〈誰にでもおすすめできる〉ものではない」

「〈誰もが思う〉いいもの、なんて世界には存在しない」

 いや、ひょっとしたらあなたはもっとひねくれていて、

『ミステリマガジン』2009年5月号』 早川書房、840円(税込)

「〈誰にでもおすすめできる〉ものは無難なものだから、そんなものおすすめされても嬉しくない」

と考える、すれっからしの人かもしれない。

 余談だが、「〈最高〉のものは、〈誰にでもおすすめできる〉」と思いこんでいる人が、しばしば悪意なしに暴力を振るってしまうということについて、先日『ミステリマガジン』2009年5月号の『誰が少年探偵団を殺そうと。』第9回で書いたので、興味あるかたはお読みください。

*   *   *

 世のなかには(A)「『おもしろい』ものには説明は要らない、ほんとうに『おもしろい』ものはみんながわかる」と思っている人たちと、(B)「『おもしろい』のツボは、人によってまるっきり違う」と思っている人たちがいる。

 『おもしろい』について、他人と語り合える人は、どちらのタイプに属しているだろうか。

コメント7件コメント/レビュー

面白い!「読者の光るコメント」をぼんやり見ていてひきつけられた。「大元の記事はどんななんだろう」という興味が湧いてここへ来ました。(一か月遅れ!)この記事読み進めるうちに,あまり「文学」を読まない私は「文学」を「ワイン」に読み替えていた。まさに,納得である。だが「みんなにわかる」ワインと「人によってまるっきり違う」ワインがある。そんな風に人によって違う反応が面白い!人によって違う気がするので,私はやはりB組だ。だとすると「文学」を読んでみるのもよいかもしれない。ワインを飲んでから考えてみよう。(2009/05/18)

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面白い!「読者の光るコメント」をぼんやり見ていてひきつけられた。「大元の記事はどんななんだろう」という興味が湧いてここへ来ました。(一か月遅れ!)この記事読み進めるうちに,あまり「文学」を読まない私は「文学」を「ワイン」に読み替えていた。まさに,納得である。だが「みんなにわかる」ワインと「人によってまるっきり違う」ワインがある。そんな風に人によって違う反応が面白い!人によって違う気がするので,私はやはりB組だ。だとすると「文学」を読んでみるのもよいかもしれない。ワインを飲んでから考えてみよう。(2009/05/18)

一連の「毎日が日直」シリーズの記事は、まさに「五つ星」の問題を提起しつづけている。わたしはおもしろかった回には「とても参考になった」をクリックするが、「ぜひ読むべき」をクリックしたためしがない。記事がおもしろければおもしろいほど読者であるわたしに「どちらでもよい」をクリックさせてしまうというじつにブンガク的な力を千野帽子さんはもっている。(2009/04/22)

うーん、私は「誰もが名曲と思うであろう曲」に★を5つ献上しています。ただ、実際にはその曲を名曲と思う人は10人中1人いるくらいですが・・・。自分の周りにいる人がたまたま音楽を聞く耳を持っていない、もしくは音楽を知らないのだと思っています。自分の「名曲」の定義は、ありふれた、いつでもどこでも流れてる曲ではないこと。滅多に聞かない曲だからこそ「名曲」としておすすめできるわけです。たとえば日本で一番売れたのは宇多田ヒカルでしたっけ? 彼女の曲を「名曲だよ」と言われたって、言われなくても彼女の曲の存在くらい知ってるわけで、わざわざおすすめしてもらう必要が無い。「名曲」には、希少価値が必要なんですよね。(2009/04/09)

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