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キングの優しさ――アーノルド・パーマー

We’re going to do modernization.(近代化していくよ)

  • 舩越 園子

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2009年4月9日(木)

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 アーノルド・パーマー招待に推薦出場し、大会ホストのパーマーと会談したり記念撮影をしたりして感激した石川遼が「パーマーさんは想像していた以上に優しい方だった」と語っていた。数十分だけの接触でそんなにも伝わってきたというパーマーの優しさとは、一体どういうものなのか。そんなことを考えながら、大会期間中、パーマーの言動を見守っていた。

写真:中島 望

 記者会見に現れたパーマーが石川に対して「普通の17歳の生活を楽しんだほうがいい」とアドバイスを送ったことは、すでに日本の新聞などで報道されたため、みなさんもご存じであろう。しかし、注目すべきは、石川と直接会って助言をしたとき、パーマーが「もっともっと沢山のアドバイスをすることはできた。でも、彼はそのまま聞き入れないかもしれないからなあ」と、あらかじめ思っていたことだ。

 パーマーが16歳で米ツアーに初出場したのは1955年のこと。当時と現代とでは、いわば時代が違う。往年のスターと現代のスターでは環境や立場や事情が大きく異なるため、たとえ「キング」からのアドバイスであっても、すべてを受け入れることはできないということを、パーマーはきっちり認識していた。だからパーマーは石川へのアドバイスを最小限にとどめ、「年齢にふさわしい生活を楽しみなさい。ゴルフ以外にも楽しめることをやりなさい」とだけ言ったのである。

 偉人と呼ばれる立場なら、若い選手たちに言ってきかせたいことは山ほどあるはず。しかし、たとえ17歳の高校生であっても、相手の立場を考慮し、自分を抑えて接する。それがパーマーというキングの人間的な魅力なのだろう。

 そう言えば、近年のコースセッティングについて尋ねられたパーマーは、こんな一言を発した。

We’re going to do modernization.
(近代化していくよ)

 パーマーが現役だったパーシモン時代と比べれば、用具が進化し、選手たちの飛距離が伸びた近代は、それに合わせてコースが伸長されている。ラフも伸ばされ、フェアウエイは狭められ、コースセッティングは難しくなるばかりだ。とりわけ、マスターズの舞台となるオーガスタナショナルの難度は格段に上がり、この2年はハイスコアによる優勝を見た。アーノルド・パーマー招待の舞台であるベイヒルも、数年前、「コースが難しすぎる」という選手たちからの批判を受け、グリーンを若干ソフトにしたりという手を加えてきた。

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