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「権利を囲い込むことで利益を生む」ことが、いつまでできるのだろう

2009年4月17日(金)

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「supercell」(supercell feat.初音ミク/販売元:ソニー・ミュージックエンタテインメント)。バーチャル・シンガーである初音ミクがボーカルを務める人気CD。ネット上で数百万の再生数を誇る人気曲が詰まっている音楽CDが、ついにメジャーな市場に殴り込みをかけ、成功を収めた。

 「supercell」という音楽CDをご存じでしょうか?

 3月の月間オリコンランキングの14位につけたアルバムです。……と説明されても、それがどうしたの?と思われる人は多いでしょう。音楽CDをなにゆえこのコラムで取り上げるのか、理由がわからないかもしれません。

 しかし、そのミュージシャン名が「supercell feat.初音ミク」だと聞いたら、どうでしょう?

 そうなのです。これは人間が歌っている音楽CDではありません。音声合成用のPCソフト「キャラクター・ボーカル・シリーズ01 初音ミク」(販売元:クリプトン・フューチャー・メディア)で作った声が、メインボーカルを担当する音楽CDです。「初音ミク」は自宅のパソコンで、簡単に人間のような歌声を作れてしまうという人気PCソフト。ネット上で調べてみれば、すでに何万・何十万という楽曲がユーザーの手で作られ、発表されていることがおわかりになるでしょう。

 「supercell」は、そんな曲だけを集めて作られたアルバムです。動画再生サイトの「ニコニコ動画」で、積極的に楽曲を発表していた楽曲・イラスト製作集団「supercell」が、自分たちが製作した楽曲をまとめ、メジャーデビューを達成。ネット上で、いつでも無料で聴ける作品を集めたアルバムが、市場でまっとうに売れて、本物の(という言い方は変ですが)ミュージシャンたちに交じり、ランキングの上位に食い込むという快挙を成し遂げました。

プロアマの垣根が「メルト(融解)」する

 これこそが、いまのデジタル・コンテンツの流れを、端的に表している事例のひとつです。

 このCDにおさめられている代表曲になぞらえていうならば、プロとアマの垣根が「メルト(融解)」してしまったわけですね。

 ネットの発達により、「文章」という表現分野では、とっくにプロアマの垣根は消え去りました。誰もがブログを書いて、自分の意見を発信できるようになったためです。プロの手によらない面白い文章が、いくらでも読める時代になっている。

 これは、すべてのデジタル・コンテンツを巻き込んでいくムーブメントでもあります。すでにパソコン用の便利なアプリケーションソフトの多くが、ネット上から無料でダウンロードできるのは、みなさんご存じのとおりです。

 そして2009年のいま、より高度な技能が必要とされる「音楽」というジャンル(しかもボーカル入りの楽曲)にも、その流れが押し寄せてきました。パソコンで作った曲を使った楽曲が、他のアーチストたちの楽曲に交じって、セールスランキングで勝負を挑む時代になってきたのです。

 いずれテレビゲーム市場でも、同じ状況になるでしょう。

 すでにダウンロードコンテンツの市場では、そういう世界が広がりつつあります。そこでは、プロとアマの垣根が、すでに取り払われつつあるからです。

iPod touchのソフト市場が隆盛な理由

 iPhoneやiPod touchをお持ちの方は、大量のゲームがオンライン上の店舗から購入できることを、とっくにご存じでしょう。これらのマシン用のアプリケーションの総ダウンロードは、2009年4月末~5月頭で10億本を突破する見通し。その様子は、専用のカウントダウンサイトで確認できます

iPod touchやiPhone用のアプリケーションソフトの10億本突破目前を記念し、開設されているカウントダウンサイト。大手メーカー製のものから、個人のアマチュア作品まで、膨大なアプリケーションが用意されていることが、圧倒的なダウンロード数を生み出す源泉になっている。

 アプリケーションをダウンロードするための専用サイトApp Storeでは、すでに1万を超えるアプリケーションが用意されています。日々増えているために総数は誰も把握できないのですが、「ゲーム」にカテゴライズされるものだけでも、すでに数千タイトルがあります。通常のゲーム機では、「ソフトが少ない」ことが難点としてあげられるものですが、App Storeでは逆の現象が起きている。「ソフトが多すぎて、自分に合うソフトを探し出せない!」ことが、より大きな問題になってしまうほどなのです。

 なぜ、これほど大量のアプリケーションが集まるのでしょうか?

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「「権利を囲い込むことで利益を生む」ことが、いつまでできるのだろう」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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