会社で残業をしている時、夜9時を過ぎたころ、妻からこんなメールが入ったら、どうしますか?
「ごめん・・・、風邪ひいたみたいで熱があって、先に寝ます」
普通に「了解! こちらも帰り遅くなります」と軽くかえし、自分のペースで仕事をし、外食して帰宅している人は案外多いのではないでしょうか。結婚して、専業主婦ならもちろん、共働き夫婦の場合でも、女性の家事・育児の比率が多いのは日本の特徴(*1)。多くの夫は、食事を含め妻に依存をしています。しかし、突然妻が病気で倒れた場合に、どうするか。
自分の食べる分ぐらいはなんとかできても、例えば奥さんに、体に優しい食事を用意できるのか。子供や幼児がいる場合、妻の代わりに料理できるのか・・・
この連載は、そういった日常起こりうる、「家庭内での“食”」に関する危機管理、早い話が自炊について「まったく自信がありません」と自覚していらっしゃる、働く夫、お父さんに贈るコラムです。
心構えとしては「レギュラー選手が故障したとき、いつでも準備ができている、ピンチヒッターになる」こと。ピンチはチャンスでもあります。奥さんとの信頼関係を一気に強めるまたとない機会にするのです。
では、さっそく自分が突然、キッチンという名のバッターボックスに立ったとしてみましょう。食の基本は主食から。ご飯を炊きたいですね。
家のお米はどこにあって、どこで買っていますか?
そこで質問です。
あなたは、そもそもご飯を炊いたことがあるでしょうか?
家のお米が、どこにあるかご存じでしょうか? それはどんな種類のお米でしょうか? 足りなければ、どこのお店でどのお米を買っています?
夫婦2人分だと、どれぐらいの量のご飯を一度に炊くといいのでしょうか?
そもそも我が家は何で炊いているのか。炊飯器ですか、鍋ですか、土鍋ですか?
うーん、バットも持ったことがない選手が、いきなり試合に出たようなものですね。
「米はどこ?」と寝込む妻に場所を聞きに行く。やっと見つける。無洗米? ということは洗わなくていいのか? どれぐらいの量が必要なんだろう。妻に聞きに行く。「2合」。何ではかるのかな、あ、計量カップか。それってどこにあるんだっけ。再び妻に聞きに行く。結局、ふらふらしながら妻が起きてきてお米を炊く準備をする・・・。
おかげで奥さんはよけいに病状が悪化し、夫の何もできないことを改めて知り愕然とし、かつ一生忘れない思い出として心に刻まれます。その事実を夫は後から知ることになるのです。
これ、他人事ではありません。
私が自分でやってしまったことなのです。
会社では、誰もが一目おくリーダーや、尊敬されるマネージャーでも、家庭での「食」における「いざ!」という時に、何の役にも立たない夫や、父親が多いのも事実。それ自体を、恥ずかしいとか考えることはないと思います。実際私も妻から見ると、役に立たない夫だったことでしょう。
炊事をする父親、15.7パーセント
でも、平成十五年に調査された厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の「全国家庭動向調査」(*2)によると、父親が、家庭における料理にあたる「炊事」を週1〜2回以上している割合は15.7パーセント。夫婦共働きでも、23.5パーセント。4人に3人は、まったく何もしていません。そんな「男性」たちが、いざとなったとき、「妻」を助けることはできません。自分の過去の反省も含め、これをなんとかしたいんです。
料理ができない多数派に甘んじず、いざというときに奥さんを助けることができるように、準備をしておきませんか。
しかし、ここで夫や父親から、こんな意見がよく出ます。
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パパ料理研究家。







