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元客室乗務員が激白。女社会にはびこる男の価値観

2009年4月30日(木)

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 前回の記事に、たくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。皆さんから頂いたご意見を大きく分けると、次の2つの視点があると思う。

(1)組織の仕組み、トップや上司の意識改革
(2)組織の一員としての自覚や責任の持ち方

 前者を「働かせ方」とするならば、後者は「働き方」となる。これまで私がコラム展開の軸にしていたのは、前者の「働かせ方」だ。前回のコラムも「働かせ方」に関しての問題提起であった。

 働かせ方などというと、「上から目線」で横暴なイメージを持たれる方もいるかもしれない。だが「働かせ方と働き方」の両者からのアプローチなくして、個人の能力が最大限に引き出されることも、個人が満足感を高めることも、さらには社会的に健康な状態で労働することも不可能である。どんなにボトムアップが盛んな会社であれ、個人の力ではどうにも変えられないこと、どうにもならないことが組織には存在する。

「働き方」と「働かせ方」は影響し合う

 特に大きな問題になればなるほど、個人の意志だけではどうにもできず、「働かせ方=経営サイドの意向」が強く影響する。また、個人の働き方も、少なからず「働かせ方」に影響を受ける。環境が個人を作るという話は以前にもしたが(参照記事はこちら)、どんなに個人が強い意志や高い志を持とうとも、機会のない職場では「働き方」の選択自体が狭められる。

 さらに、仕組みや枠組みをどんなに整えても、経営陣やその組織に根づく価値観や組織風土が変わらない限り、それが生かされることはない。働かせ方を問うことなくして、働き方を議論することはできないと私は考えている。

 その一方で、働き方が変わらない限り、働かせ方の道は広がっていかないという考え方がある。学歴、性別、国籍などで分けるのではなく、個々人の一人ひとりの意識を変えることで、初めて道が開かれるという考え方である。

 そこで、さらなる議論を展開するために、今回は「働き方」について話をしたいと思う。キーとなる概念は、キャリア・アンカーである。これは、個人の働き方を大きく左右するものであるとともに、キャリア人生で個人が遭遇する困難の「大きな傘」の1つだ。

 取り上げる事例は、私自身が客室乗務員として、全日本空輸という大組織の一社員として勤務していた時の話だ。

 私が大学を出て客室乗務員(CA、当時はスチュワーデスと呼ばれていた)として全日空に入社したのは、1988年。空の規制緩和が始まり、同社が国際線に進出して2年目。国際線の客室乗務員として採用が始まった2期目に当たる。86年に男女雇用機会均等法が施行され、キャリアウーマンという言葉が一般化し、「ニューヨークのキャリアウーマンがスニーカーを履いて通勤し、オフィスでハイヒールに履き替える」なんてことが報道されていた時代である。

 当時の私は将来に対する明確なビジョンもなく、キャリア志向が強いわけでもなかった。ノー天気な大学生が、浮かれたバブルの風に乗って、帰国子女であることを武器だと信じ、英語が使える、世界を股にかけた仕事(当時の私は、CAがそういう仕事だと思っていた)に憧れて、CAになったのだ。

 ところが空を飛び出して3年目。気持ちに大きな変化が訪れた。「このままでいいのかなぁ」という曖昧な不安。これといったきっかけがあったわけではない。だが、ある時からそう感じるようになったのである。

 当時、客室乗務員の定年は60歳。路線も拡大し、私は既にファーストクラスを担当できる資格も取得していた。空を飛んでサービスして、海外で買い物して、またサービスして帰ってくる。そんな生活の繰り返しに飽きた、というわけでもない。飛行機に乗り込んだおじさんたちから、「ネエチャン」扱いされることも多いCAの仕事が嫌になったというわけでもなかった。ただただ、「このままでいいのかなぁ。もっと違う自分がいるんじゃないのか」と思い始めたのである。

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「元客室乗務員が激白。女社会にはびこる男の価値観」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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