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『奇跡の脳』に聞く、「左脳の時代」を生き抜く術
~みんなタモリさんを見習おう!

第2回 ジル・ボルト・テイラー×養老孟司

  • 日経ビジネスオンライン編集部

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2009年5月14日(木)

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奇跡の脳』ジル・ボルト・テイラー著、竹内薫訳、新潮社、税込1785円

 ハーバードの第一線で活躍する37歳の脳科学者、ジル・ボルト・テイラーさん。彼女は1996年12月10日の朝、目覚めとともに脳卒中に襲われてしまう。歩くことも話すことも、読むことも書くこともできず、記憶や人生の思い出が失われていく。そのとき、ひとはどんな行動をとるのだろう。そして、それは、なにをもたらすのか? それがあなただったらどうするだろう--。

 前回の竹内薫さんとのメール対談に続き、養老孟司氏がジル・ボルト・テイラーさんに話を聞きたいと手を挙げてくれた。『唯脳論』では、都市化とともに脳化していく日本社会の問題を浮き彫りにして警鐘を鳴らし、『バカの壁』では個人にその問題を普遍化した。社会全体が原理主義的になり、硬直化しているのが心配だという養老氏。確かに、理屈ばかりで生きにくい世の中になっている。そんな養老氏が唱える「脳化」は論理を司る「左脳化」といえるのかもしれない。だからこそ、左脳機能を失い、そして再び取り戻した博士に興味と希望を見出したのだろうか――?

養老孟司(ようろう・たけし)

 1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。89年、『からだの見方』でサントリー学芸賞を受賞。95年、東京大学医学部教授を退官。現在、同大学名誉教授。著書に、『形を読む』『唯脳論』『人間科学』『バカの壁』『逆立ち日本論』(内田樹氏との共著)『養老訓』他



*   *   *   *

養老孟司(以下、養老) こんにちは。年齢的にも「他人事じゃない」という思いで、あっという間に読み終えました。

 さて、脳卒中になったことで、宇宙との一体感を感じ、右脳が卒中前よりも活発になられたと書かれていますが、その状態では、起きることのすべてを右脳で捉えているということでしょうか。卒中になった後も、左脳で見ている部分が多いのではないかとも思いました。左脳優先が、日本では社会的な圧力としてあるからかもしれません。

左脳の時代を生き抜くために

博士 脳卒中を起こした朝のCTスキャンの結果や症状などから、わたしの大脳の左半球が通常の機能をはたしていなかったことは医学的に明らかだと思います。右脳の機能についてわれわれが理解していることを考慮に入れれば、わたしの「涅槃(=ニルヴァーナ)」の体験は、左脳の機能停止と、左脳の右脳に対する支配が崩れたことによるしかないと思われます。

画像をクリックして拡大表示

ジル・ボルト・テイラー博士
Jill Bolte Taylor

 インディアナ州インディアナ医科大学の神経解剖学者。ハーバード脳組織リソースセンター(脳バンク)で精神疾患に関する知識を広めるために尽力しつつ、「ミッドウェスト陽子線治療研究所(MPRI)の顧問神経解剖学者として活躍している。1993年より、NAMI(全米精神疾患同盟)の会員でもある。タイム誌の「2008年世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。インディアナ州のブルーミントン在住。ホームページはこちら


養老 なるほど。もうひとつ、病前と病後で大きく変わられましたね。私にはそこがとても大切なことだと思いました。その方が大事ではないかと。書かれているように、私も病後のジルさんのほうがお付き合いしやすいように思えます(笑)。

 右脳と左脳のバランスについては、どう思われていますか?

博士 脳卒中を起こした当初、左脳の機能(言語と身体感覚)が低下してしまったとき、わたしは外界のことがわからない意識状態におちいりました。その経験から言えることですが、わたしは、左右両方の脳を使った、バランスのとれた生き方を心からお勧めします。

 共感をもつ、創造的な全人格には、右脳マインドと左脳マインドの両方が必要なのです。

養老 特に、失礼な言い方かもしれませんが、脳卒中を経て、アグレッシブなところがなくなったという印象を持ちました。そのアグレッシブさはおそらくアメリカの発展を支えたものでもありますが、同時にアメリカ人の多くが脳卒中になったら、世界から戦争がなくなるだろうという人さえいます(笑)。極端な話かもしれませんが、ジルさんの場合は、脳卒中によってアグレッシブさ、攻撃性はなくなったといえるでしょうか?

博士 わたしは脳卒中により、養老先生が“アグレッシブ”とお呼びになるもの(わたしが怒り、敵意、怖れと呼ぶもの)のない「わたし」を体験することができました。でも、血の塊が手術で取り除かれ、腫れが引いたあと、アグレッシブな回路がふたたび頭をもたげてきたのです。

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