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多読せよ、人生を変えるために~『カリスマ編集者の「読む技術」』
川辺 秀美著(評者:千木良 敦子)

洋泉社新書、740円(税別)

  • 千木良 敦子

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2009年5月13日(水)

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評者の読了時間2時間20分

カリスマ編集者の「読む技術」』 川辺 秀美著、洋泉社新書、740円(税別)

 「プロ」や「ベテラン」ではなく「カリスマ」。きょうびカリスマって、しかも自分で名乗るか? と軽くツッコミつつ、出版界のすみっこで読書好きな典型的文系人間を気取る私なんかは、ついつい本書を手に取ってしまうのでした。

 著者は、長年ビジネス書籍編集に携わって数々のベストセラーを生み出してきた。『ウケる技術』を手がけ、『夢をかなえるゾウ』でミリオンセラー作家となった水野敬也を発掘した人物でもある。現在は独立し、編集で養った「読む技術・書く技術」を社会に還元すべく人材育成コンサルティングなども行っているという。

 本書のコンセプトは、〈人生に通じる読書を目指していこう〉

 本を読むという行為は、それが趣味の範疇であっても、高度な技術を要する。だから、読書を教育として改めて捉え直すことが必要だと訴え、かつ〈量が質を凌駕する〉と「多読」を勧める。

 そういう著者は、高校時代に『三毛猫ホームズの推理』(赤川次郎)と『缶ビールのロマンス』(片岡義男)を〈映画のような疾走感であっという間に読んでしまった体験〉から「本の虫」になり、ミヒャエル・エンデにのめり込んでドイツ文学科に進学。大学卒業後、就職情報会社へ入社するも、『編集狂時代』(松田哲夫)に感化され書籍編集への転職を決意するなど、自身の人生における転機には活字の存在があった。

 そして編集者としてのし上がるために他人とは違った方法で本をたくさん読み、あるジャンルにおいて圧倒的に有利になれるレベルまで情報を得る必要があったのだという。

読む本と一緒に、ノートもお忘れなく

 その体験に基づき導き出された「技術」とは、

〈(1)自分の思考を整理する→ (2)習慣化する→(3)行動する〉

 というサイクルを意識的に行なうこと。

 思考を整理するために、著者は、読む本を「感動」「生命」「経済」「娯楽」の4つのジャンルに分類しようと提案する。特に最初の3つを中心に。著者の「人生に通じる読書」においては、「娯楽」は最優先すべきものではないらしい。

 こうして読む本の方向性を定め、自分の好き・嫌いなものを列挙せよ。たとえ嫌いなジャンルの本であっても、読まず嫌いはいけない。つまり、負の感情は好奇心の裏返しでもあり、そこに本当の興味が潜んでいるかもしれないのだ、と。それでも読む本を決めかねる人に向けて、気分やテーマよる傾向表も提示されている。

 自分が何に興味があるのかをしっかりと認識したら、毎日30分の読書時間を必ず確保する。本を読んだら心に残った言葉をノートに書く。なぜに、ノート?

〈多読とは、ただ多く読むだけの行為ではありません。読んだものを日常の行為として表現するところまで行き着くためのものです〉

 著者曰く、たくさん本を読むと、読んだ内容を誰かに伝えたくなる。きちんと伝えるには、あらかじめ自分の手で書いてみるのがいい。そう意識すると、自分の中だけで完結するのではなく、相手に伝えることを想定した、幅のある読書に変わってくるというわけだ。

 おせっかいなぐらいの熱意に少しひきつつも、本書を読んでいて思い出したのが、1940年に米国で発行されたM.J.アドラー、C.V.ドーレン著『本を読む本』(外山滋比古、槇未知子訳)。

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