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脳の指図は受けないぜ!

解剖学がひもとく腸の賢さ~藤田恒夫・新潟大学名誉教授(前編)

2009年5月27日(水)

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 お昼休みに入った定食屋や仕事の打ち上げの席などで、「これだけ頑張ったんだから」とつい食べ過ぎてしまう。反対に、お腹は減っているのに、ふだんの運動不足からくるメタボを気にして食事を我慢することもある。

 自然に感じている生理よりも情報や思考に捕われてしまうことはまさに日常茶飯事だ。そのたびにつらい目にあわされているのが胃や腸。自覚的な問題が起きないかぎり、あっさりと無視されがちな臓器だ。

 腸の研究を長らく続けてきた藤田恒夫さんはこう言う。「腸は脳に劣らず独自の判断で困難な問題を処理している」と。

 その存在が軽く見られがちな腸だが、実は「小さな脳」といわれるくらいの機能をもつという。私たちの知らないうちに、いったいどんな重要な働きを行っているのだろうか。

藤田 恒夫(ふじた つねお)

 1929年東京生まれ。54年東京大学医学部卒業、59年同大学院修了後、新潟大学医学部教授を経て、現在同大学名誉教授。科学雑誌『ミクロスコピア』編集長。著書に『腸は考える』(岩波書店刊)、『鍋のなかの解剖学』(風人社刊)など。

--藤田先生は長年にわたり、小腸を中心に腸の研究をされてきました。小腸は、どんな点でユニークな臓器なのでしょうか?

藤田:本来の「腸」とは、小腸のことを指します。進化のあとをたどると、胃と大腸は小腸ができた後に発生しました。

 小腸は、原始的な動物にも備わっている基本的な臓器です。胃をもっている魚とそうでないのがありますから、胃は、動物の進化過程のうち、魚の段階で発生したことがわかります。

 しかし、動物が陸上で生活するようになる、ちょうど“おたまじゃくし”から“カエル”になる段階で、糞を貯めておくことのできる大腸が必要になりました。小腸からいわせると、胃も大腸も後から追加された“厄介者”なのです。

--胃や大腸にもそれなりに発生に理由はあったわけですよね。

藤田:胃があると、食べたものを貯めておくことができますから便利です。大腸はといえば、動物が陸上で生活する上で必要としたものです。陸上を動きまわる動物が、たとえば“金魚の糞”のようなものを引きずったり巻き散らしたりしていると、すぐ敵に察知され、追われるはめに陥ります。そこで大腸をもつようになった。

脳から独立して認識・判断・実行する小腸

--仕事で上司から叱責を受けたり、得意先からいい返事をもらえなかったりするだけで、胃や大腸はキリキリ痛むことがあります。ストレスが胃や大腸に影響を及ぼすのも、小腸より後にできたことが関連しているのでしょうか?

藤田:先ほど申したとおり、胃と大腸はまさに「あとから来た厄介者」と言えます。小腸は固有の神経で活動していて、脳から入ってくる神経はほとんどありません。ところが、胃や大腸には脳や脊髄から神経が伝わっているため、脳の影響が強いのです。

 だから悩み事やストレスがあると、胃と大腸に影響が出るのです。胃では胸焼けや潰瘍が、大腸では神経性の下痢や便秘が起こります。小腸に比べたら、やはり胃や大腸は、ひとりで上手に動いてくれない臓器といえますね。

--ということは、小腸と脳は神経でつながっていないということですか?

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