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35. 共感するってそんなに大事?

  • 千野 帽子

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2009年6月24日(水)

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 日直のボウシータです。

 前々回前回、私はシュティフターの長篇小説『晩夏』の、リッチで浮世離れしたふたりの主人公である〈私〉とリーザハ男爵について、それぞれこう書いた。

 定職につかず、好き勝手に思索と研究に没頭する主人公。こんな高等遊民っぷりを紹介するだけでもう、感情移入派の人は
「感情移入できない!」
って投げ出すこと必至である。

おまけに、リーザハ男爵までが、主人公に輪をかけて私どもの日常から遠い存在である。こちとら毎日あくせく働いて、それでも貧乏しているというのに、この男ときたら、下級官吏からエリート官僚にまでのし上がり、しかもその仕事が合わないと言って悠々自適の隠者生活。なんという贅沢か。羨ましくて屁も出んわ。

晩夏 上』(全2巻)、アーダルベルト・シュティフター 著、藤村宏 翻訳、ちくま文庫、1,365円(税込)

 という具合に、『晩夏』のふたりの主人公はどう考えても、世知辛い憂き世で毎日あくせく働いている私なんぞが

「うんうん、わかるわかる」

などと共感できるような相手ではない。

 にもかかわらず、私はこの人たちの人生の物語に感じ入ってしまった。だから何回もこうやって文章に書いている。私はこの小説のことを、過去3回ほどいろんな雑誌に書いているのだ。いい加減しつこいのである。

 このことからわかるのは、共感とか感情移入とやらいうものは、読書で必ずしも大事ではないということ。この話を、今回は書いてみたいと思ったわけです。せっかく『晩夏』の話をしていたわけだし。

*   *   *

コメント14件コメント/レビュー

ネットで読書感想(と呼べるほど真面目にやってはいませんが)を書いている身として、共感を基準にしている人が多いというのは意外で驚きました。……なんか、アマゾンにレビューでも書いたら「参考にならなかった」批判をされる理由がわかった気がします。あれは文学に限りませんが、ネット上のレビューや感想の評価が共感基準が多いのだとすれば、納得がいきます。(2009/06/29)

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いただいたコメント

ネットで読書感想(と呼べるほど真面目にやってはいませんが)を書いている身として、共感を基準にしている人が多いというのは意外で驚きました。……なんか、アマゾンにレビューでも書いたら「参考にならなかった」批判をされる理由がわかった気がします。あれは文学に限りませんが、ネット上のレビューや感想の評価が共感基準が多いのだとすれば、納得がいきます。(2009/06/29)

続けてくださーい。1回分のボリュームが、もう少し増えたらもっとうれしいです。(2009/06/26)

いつも、なるほどぉ、と思っちゃう視点をありがとうございます。▼共感、ムズカシイ問題ですね。まあ共感してノメリ込んだほうが読みやすいっていうのはあると思いますが。逆に共感しないと波長が合わなくてシンドイ。▼ちょっと人と飲みに行くのに似てますね。気の合う仲間と飲むと楽しい。キライな上司と飲むのは楽しくない。▼でもきっと勉強になるのは上司と飲みに行ったときなんですよね・・・。▼ぜひこの話題続けてください。かいざ(2009/06/25)

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