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あの本を作った「鉄道好きの地図マニア」が語る~『線路を楽しむ鉄道学』
今尾 恵介著(評者:澁川 祐子)

講談社現代新書、740円(税別)

  • 澁川 祐子

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2009年6月25日(木)

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線路を楽しむ鉄道学』 今尾 恵介著、講談社現代新書、740円(税別)

 あらかじめお断りしておくが、私は「鉄子(鉄道オタク女子)」ではない。最近、仕事で鉄道に関する本について調べる機会があり、そこで初めて「趣味の鉄道世界」を目にすることになったのだ。

 「鉄ちゃん」と呼ばれる鉄道ファンが、かなりマニアックな人々であることは以前から知っていた。だが実際にほんの少しだけ入り口から覗いてみたら、想像をはるかに超える奥深き世界だった。

 ご存知の方もいるだろうが、鉄道ファンの世界は細かくジャンル分けされている。

 鉄道旅行好きな人は「乗りテツ」、列車の撮影専門の人は「撮りテツ」、鉄道模型好きは「模型テツ」と呼ばれる。ほかにも駅構内や車内の放送、走行音ばかりを録り溜めている「音テツ」や、時刻表を読むのをもっぱらの楽しみとしている「時刻表テツ」もいる。時刻表テツは、ダイヤから「上りと下りの車両がどこですれ違うか」「回送電車がどこを通るのか」までを読み解いてしまうというから、恐るべし(なお、名称については異なる説もあり)。

 こうしたマニアックな世界の片鱗は、昨今の鉄道を題材とした新書やエッセイなどによってより広く認知されるようになってきた。その筆頭ともいうべき存在が『日本鉄道旅行地図帳』(新潮社)だ。

「鉄道好きの地図マニア」の視点

 北海道編、東海編など全12冊(別冊もあり)に分かれ、現在のところシリーズ累計140万部を突破。「正縮尺の鉄道地図」という、いままでにありそうでなかったコンセプトがヒットした。私の手元には「関西1」があるが、紀伊半島のページを開くと高野山ケーブルのところに「山楽路に不安がよぎる極楽への急坂」などのコメントが付けられている。鉄道ファンならずとも旅行好きなら、思わず「どんな景色だろう……」と想像を膨らませ、路線図を目で追ってしまう作りだ。

 そう、そしてこの『日本鉄道旅行地図帳』の監修者こそが、本書の著者でもある今尾恵介氏である。

 幼少からの鉄道、地図好きが高じて、出版社勤務を経てこの分野の執筆活動に入ったという、自称「鉄道好きの地図マニア」。鉄道の名所や歴史についてのトリビアネタを淡々と披露しつつも、京浜急行の急カーブを「美しい」と言ってみたり、東京から高尾までの中央線の踏切を全踏破した体験談をさらりと折り込んだりと、文章のはしばしに鉄道への愛が感じられる。

 本書は、〈明治以来の日本の近代化を支えてきたシステムとしての鉄道の中の、特に線路にさまざまな角度から焦点を当て、その魅力をお伝えすることを試みた〉一冊だ。さしずめ「レールテツ」の本、といったところか。

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