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マスコミはいつまでネットと闘ってるの?~『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』
ひろゆき著(評者:工藤 敏明)

扶桑社新書、740円(税別)

  • 工藤 敏明

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2009年7月10日(金)

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評者の読了時間4時間00分

僕が2ちゃんねるを捨てた理由』 ひろゆき(西村 博之)著、扶桑社新書、740円(税別)

「ちょっと前から2ちゃんねるの運営に関して僕のやることがほとんどなかった」

 というのが、“元”管理人・ひろゆき(西村博之)が「2ちゃんねる」を手放したもっとも大きな理由だそうだ。

 2ちゃんなんて見ないさ、という向きにはまるで興味のない話題だろうが、今年、ひろゆきは同サイトをシンガポールのパケット・モンスター社に譲渡した。

 なんでシンガポールなのかといえば、〈日本にいると日本の状況が悪くなっているときに「日本の状況が悪くなっている」と言いづらくなる気がしているからです。(中略)日本に基盤を置いている限り結局、客観的な基準でモノを言えなくなる可能性がある〉

 そんなようなことが、本書の冒頭でちょろっと書かれている。彼は2ちゃんねるを捨てちゃいない。タイトルに偽りありなわけだが、まあ、最近の新書じゃ珍しくないし(それもどうなんだ、って話だけど)ひろゆき自身もあとがきで、出版社の意向だから生暖かくスルーしてください、みたいなことを言っている。

 じゃあ何を言いたい本なのかといえば、四大マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)とネットビジネスの対比を軸にした、どちらかといえば悲観的なメディア批評ということになるだろうか。

 たとえば前著『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』で「Web2.0」をコケにしていたように、本書では「クラウドコンピューティング」を〈「婚活」というビジネスと同じで、命名することによってそのビジネスを生み出しているだけなのです〉とばっさり。

 かと思えば、進化しすぎて世界のマーケットから弾かれてしまった日本の携帯電話は、国内のゲーム配信ビジネスにシフトしてゲーム市場を食い荒らすんじゃないか、とか。ケータイサイトのフィルタリングはモバゲーやmixi、GREEなんかが参加してる業界団体がかけてるからザルだ、とか。

 そのフィルタリングの対象にもなっている「学校裏サイト」をめぐる議論に対しては、マスコミは「何だか得体の知れない危ないモノ」として報道したがるけど

〈本当に賢い人は、妙なレッテルが貼られているものでも食わず嫌いなことはせず、自らの目で確認して理解します。逆にバカな人というのは、貼られたレッテルをそのまま信じ、その情報を鵜呑みにします〉

 というように、とりとめのない感じで展開していく。

ネットはメディアじゃないよ

 前著に比べれば新味は若干薄れた感があるももの、フツーに考えれば至極まっとうな話だし、感性のおもむくままにズバズバ言い放てるのはこの人の強みだと思う。

 さて、本書のキモというか、既存メディアとネットの何を対比しているのかというと、ひとつは広告だ。

 四大マスメディアは広告収入の激減で構造不況に陥っている、みたいな話はもう耳タコだろうが、だからといってウェブサイトが儲かっているかというと、そうでもない。

 無料サイトはユーザーが増えれば設備費がかさみ、広告費だけでは賄えなくなってくる。データ量の大きい動画サイトであればなおのことで、ひろゆきが運営するニコニコ動画も目下赤字経営中だそうだ。

 もっとも、現在1000万人いるユーザーのうち20万人の有料会員が満足できる程度にサーバー費用などを削って黒字化することは可能だとか。しかし、そうすると成長が止まってしまい、その瞬間から有料会員数も減少、サイトも尻すぼみに消滅……だから、現段階では赤字でもしょうがないというわけだ。

 また、ネット広告の特徴は、「広告サイトをクリックしたユーザーが商品を購入した」といった行動まで追えるところにある。つまり費用対効果がわかりやすいのだが、逆に効果がないと広告主に判断されればバンバン切られるし単価も下がる。昨今の不況も相まって、一部(ヤフーのトップページなど)を除けば既存メディアと同様にどこもかなり厳しい状況にあるはずだ。

 それでも既存メディアは「ネットのせいで売り上げが落ちた」「ネットに広告を持っていかれた」と相変らずネットを敵視している。ひろゆきの考えでは、

コメント2件コメント/レビュー

2Chがつぶれないのは、人間の本性が醜く、汚いからである。マスコミはきれいごとのウソの世界。ネットは本音の醜い世界なのである。(2009/07/10)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

2Chがつぶれないのは、人間の本性が醜く、汚いからである。マスコミはきれいごとのウソの世界。ネットは本音の醜い世界なのである。(2009/07/10)

テレビ番組の質自体は高い、エンターテイメントとして割り切れば問題ないというのは、単に2ちゃんのネタになってくれるからという理由なんじゃないかと思えてしまって苦笑い。(2009/07/10)

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