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経済大国なのに、独自の経済学がない

小宮 一慶×竹内 薫 経済学は役に立つのか【後編】

  • 小宮 一慶,竹内 薫

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2009年7月30日(木)

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前編から読む)

 経済学には何が期待されているのか。経済学は社会の役に立つのか。そして、そもそも経済学とは何なのか。

 こんなテーマを経営コンサルタントの小宮一慶氏とサイエンスライターである竹内薫氏に投げかけたところ、2人の対談は「経済学は虚学か?」から始まった。そして、話は経済学と政治の関係から、お金持ちになる方法にまで広がっていった。

小宮 一慶(こみや・かずよし)
経営コンサルタント。1957年大阪生まれ。京都大学法学部卒業。米ダートマス大学エイモスタック経営大学院でMBA(経営学修士)を取得。東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)、岡本アソシエイツなどを経て、小宮コンサルタンツ代表に。主な著書に『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「1秒!」で財務諸表を読む方法』(東洋経済新報社)などがある
竹内 薫(たけうち・かおる)
サイエンスライター。1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。カナダのマギル大学大学院修了。理学博士。テレビのコメンテーター、ラジオのナビゲーターも務める。主な著書に『99.9%は仮説』(光文社)、『宇宙のかけら』(講談社)、翻訳に『奇跡の脳』(新潮社)などがある

偉い先生が作って、文系バカが使う

小宮 一慶(以下、小宮) そうそう。竹内さんの本のタイトルで言えば、金融工学を使っている人たちは、ほとんど文系バカなんです。適用できないものにも適用してしまっている。

 一番いい例が、今のファイナンス理論です。僕も大学院でよく試験に出しましたが「純資産のコストって何ですか?」って問題を出すと、大多数が配当だって答えます。でも、それは今のファイナンス理論では間違いで、正解は「純資産は、株主さんから預かっているお金だから、株主さんが期待している期待利周りを純資産のコスト」だと規定しているんです。ファイナンスの世界では誰も知っているキャピタル・アセット・プライシング・モデルです。

 で、計算式は、平たくいうと、国債金利+αで計算する。株主さんは純資産を企業に預けているけど、国債の利回りと同じ利回りだったら、自分で引き出して国債で運用したほうが安全。プラスアルファの期待利回りを持っているんだ、と。プラスアルファをどうやって計算するかと言うと、計算式があって。国債と市場の平均利回りとの差に、ボラティリティー(変動率)をかける。

 ただ、僕は、昔からこの計算式はまやかしなんじゃないかなと思っています。しかし、これを計算したのは世界的なファイナンスの権威です。とすると、何が起きるか? 負債の調達コストって今、融資負債でも1%ちょっと。負債には、無利子負債というのがある。例えばモノを買ったけど、お金を払っていない買掛金はコストはかからない。そうすると、負債全体の調達コストなんて1%以下なんですよ。

 で、純資産の調達コストは、国債金利+αですから、大体ほとんどの会社、最低でも5%くらい。ボラティリティーが上がりますから。株価がすごく動く時は10%くらい上がるんです。そうすると、ファイナンス的には、純資産のほうが調達コストがかかっていることになる。それを真に受けて、負債をわざわざ増やしている会社があります。

竹内 薫(以下、竹内) ちょっと変ですね。

小宮 ちょっと変でしょ。でも、今のファイナンス理論からいくとそれが正しい。

竹内 決めたから、ということですか?

小宮 偉い先生が作って、それを皆が使っているからです。僕たち文系バカがそれを使って経営をほとんどしているわけで、そうすると、調達コストが高いから、少し負債の利率を上げたほうがいい、っていう経営をしている。

竹内 一番最初のところというのは、モデル式があって、実際の現象に合わせてやっているけれども、もし、根本のモデル式が間違っていたら、じゃあ、どうなってしまうのかということになりませんか? 飛行機が落ちるように、経済も落ちていくのですか?

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