• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

39. 「わかる」は脳に気持ちいい。問題はそのあとだ。

  • 千野 帽子

バックナンバー

2009年7月22日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日直のボウシータです。相変わらず「共感」の話。

閉鎖病棟』 帚木蓬生 著、新潮文庫、580円(税込)
モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活』 奥泉光 著、文春文庫、1000円(税込)

 先週は、泣けるというポップがきっかけでベストセラーとなった箒木蓬生の『閉鎖病棟』について書いた。その続きなのだが、ここでいったん、べつのミステリ小説の話に寄り道したい。

 奥泉光に『モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活』(2005)という超のつく傑作ミステリがある。

 ほんとはただミステリだけではなくて、アレとかコレとか、複数の娯楽小説ジャンルが複合した、1冊で何冊ぶんもおもしろい極上のエンタテインメント作品だ。

 この小説の主人公である冴えない国文学者・桑潟幸一(通称・桑幸[くわこう])は、自分が望んだわけでもないのに、学術出版社・研修館書房の雑誌に、第二次世界大戦前の作家・溝口俊平の紹介文を書くことになってしまった。

 溝口は昭和戦前に活躍してほぼ無名のまま死んだマイナーな作家で、「お日さまとモグラ」「翼ある帽子」「明星の誓い」などの作品は、〈ちょっと宮澤賢治を想わせる風な、しかし特にどこがどうということもない童話や散文詩であって、早い話が、地方資産家二男坊の道楽の域をでるものではないと思われた〉。

 しかし桑幸は、そこのところの評価をぼかして紹介する。続いて同じ雑誌に溝口の童話作品が連続掲載された。このことが、溝口再評価のきっかけを作ってしまう。

 ある日、桑潟の前に天竺出版の編集者・新城がやってきた。

 天竺出版の名前は桑幸も知っていた。何年か前に『女は男よりもずっと馬鹿なはずだ症候群』という本がベストセラーになって話題になり、他に青年向けの写真雑誌や麻雀雑誌などを出し、天竺イエロー文庫には、エロチックバイオレンスの巨匠トニー笹口、『くのいち悶絶海老固め』や『秘録大奥裸侍』を書いた凪新十郎、「淫乱人妻刑事」シリーズの白峰銀太郎などがラインアップされて、桑幸もなかの二、三を手にしたことがある。

コメント8

「毎日が日直。「働く大人」の文学ガイド」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師