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無頼を貫きたかったのに、小市民になってしまった悩み

坂口安吾、太宰治、そして尾崎豊の場合は?

  • 赤坂 真理

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2009年7月31日(金)

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【今回の「言えない悩み」】

 赤坂真理様、人に言えない悩み、私も持っております。それは「無頼」を貫けなかったことへの葛藤です。

 学生時代私は世俗的な価値の追求を軽蔑して、成績に見合わない高校に行ったり、大学を中退したりしました。世間体なんて気にしなくても、自分はやっていける、と自負していました。

 しかし無頼を貫くほどの実力もなく、他者の視線に一番敏感な人間が自分自身だということに気づき、今では就職や結婚をしてバリバリの小市民路線を突き進んでいます。

 それでも、たまに思うことがあります。昔はもっとまわりの期待値が高かった。「こいつは大物だ」と、みんなに一目置かれていたのに、と。情けなさすぎるので人には言えませんが、自分の無頼志向は今でもあります。でもただのポーズです。しかも自分に向けたポーズです。この葛藤に、どう対応したらよいでしょうか。

 (会社員、26歳、男性)

 「無頼」も「セレブ」も、同じじゃないかと思うんですよ。

 他人から認められ、一目置かれたい欲求を満たす手段として使うのであれば。

 いや、「無頼」と「セレブ」は価値としてぜんぜん違う、という声が聞こえてきそうですね?

 「無頼」はむしろ、「セレブ」のような時代の多数に支持される価値観に背を向けて生きようとする生き方だ、と。

 はい。「無頼」の定義はあいまいですが、本質はこのへんにありそうです。

 多数派に背を向け、己の生き方を貫くこと。

 だとしたら相談者の方が、「多数派になってしまった」わが身を嘆くのは、無理からぬこととは、言えます。

 同時に、誰しも大人になると自分の限界がだんだん見えてくる、という普遍的なテーマに、「無頼」という生き方を対置している感じも、少しします。

 あるいはまた、私生活を語っても注目されることの少ない男性において、生き残っている唯一に近い「生き様の型」が「無頼」であるとも、言えるかもしれません。

 「なれなかった」にひとこと言うなら、今からでもぜんぜん遅くはないですよ。「進学する高校のレベルをわざと下げる」「大学を中退する」など、簡単なわりに周囲への“びっくりバリュー”が高く、その力効率のよさは、思わず「エコ」とすら言いたくなりました。なかなかのアイデアとショーマン精神の持ち主なので、ネタを次々考えつくことは、可能だと思います。

 ただ、好みは自由なのですが、「無頼ができない」と葛藤する前に、「無頼は成立可能なのか?」と疑ってみる知性は、あっていいのではないかと思います。

 もちろん、「破滅するのもあなたの自由」(サガン風)です。
 男性の「生き様語り」は、最終的に死を担保にするようなところがあって、「無頼」は、破滅志向とよく似るのも事実です。

 ただ、そういう破天荒な生き方によって人に感心されたいと、少しでも思ってるようなので、「それを受け容れる観客は今いるのか?」と検分してみることは、大事ではないかと思います。

 要するに、「努力に対して割に合うか?」ということ。
 この相談者の場合、やむにやまれずというよりは、人の期待を先取りして演じてあげていたふしがあります。

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