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しょぼいスキルが『セイギのチカラ』に変わるとき
~修羅場は仲間と共有せよ

  • 浅沼 ヒロシ

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2009年7月22日(水)

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セイギのチカラ』 上村佑著、宝島社、1300円(税抜き)

 お笑いタレントのカンニング竹山が主演する映画『守護天使』が6月20日から公開されている。薄給でメタボで鬼嫁に頭の上がらない冴えないサラリーマンが、純粋無垢な女子高生を救う。チンピラ稼業の同級生のとイケメンの引きこもり男という、頼りになりそうもない仲間といっしょに、信じられないような力を発揮するストーリーだ。

 いままでのヒーロー像と真逆のヒーローを創作したのが、原作者上村佑。その上村の2作目が『セイギのチカラ』である。

 能力は全くないが女の子を守る想いだけは溢れるほどある、という前作に続き、本書では、役に立ちそうもない超能力を持つ主人公たちが、メンバー唯一の女性にふりかかった殺人容疑を晴らすために一致団結する。

 ステレオタイプのヒーロー像にとらわれないという路線を踏襲しつつも、主人公たちの人数、立ち向かう犯罪のスケールともパワーアップした。超能力が物語の重要な道具立てになっているが、ハリーポッターが使う魔法のように絵空ごとではないし、本格的SF小説に登場する小難しい理論の裏付けがあるわけでもない。どんな“超”能力かというと、ティッシュを5ミリだけフワッと浮かせる、犬ネコとおしゃべりできる、30cmだけテレポートできる等、ほんとに“しょっぼ~い”超能力なのだ。

しょぼい超能力を披露しあうオフ会

 こんな超能力を持っているからといって、誰も驚いてくれない。まわりの人に言ってもバカにされるだけの寂しい面々が、インターネット上の『異能者の館』で自分の能力をチャットしてなぐさめ合うところから物語は始まる。

 一度お互いの能力を披露しあいましょう、という第1回オフ会が開かれることになったのは自然の流れ。会場のネットカフェ「新宿サラマンダー」のコミュニティスペースには、おかしな男たちが集まった。

 くだらなさではいずれ劣らぬ超能力を披露しあう中に、突然、ひとりの女性が現れる。「誰も座っていなかったはずの席に、こつぜんと現れ、ひっそりと座っている」。

 これが噂の「サラマンダーの幽霊」だ! 男たちが逃げだそうとするなか、女は自己紹介をはじめる。二宮玲子という名前であること。小学6年生の頃から、出席しているのに欠席にされたり、眼鏡をかけるだけで他の人に気づかれなくなったこと。サラマンダーの幽霊と呼ばれていること。この店をずいぶん利用しているのに、一度もお金を払ったことのないこと。

 玲子の能力は Inattentional Blindness (非注意性盲目)という、「人のフィルター機能に影響を与えて、自分への注意をそらす」能力だったのだ。

 全員が役に立ちそうもない能力を披露し終ったとき、店の入口から、ヤクザのような男を先頭に4、5人の背広姿の男たちが入ってきた。ヤクザ風の男は実は刑事で、逮捕状を玲子に突きつけ、「あんたを殺人容疑で逮捕する」と連行していってしまった。

――こうして、連行された玲子と6人のしょっぼ~い超能力者たち合計7人が事件を究明していく物語がはじまる。

 この7という数字、『七人の侍』の「7」と同じである。黒澤明監督が『七人の侍』で描き、ハリウッド映画『荒野の七人』がパクッて以来、何かを成し遂げるチームの最適人数は“7人”と決まっている。アメリカの認知心理学者ジョージ・ミラーが提唱した「人間が短期的に記憶できる限界」、いわゆる「マジックナンバー」も7±2であるという。

 物語は7人の個々の超能力を活かす段階から、互いの能力を有機的につなげて大きなパワーを得る段階に到り、と同時に7人の闘う相手の正体が強大で、邪悪になっていく。何万人もの人々を殺そうとするテロ集団に立ち向かうことになった主人公たちを待ち受けるものは……。

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