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「レクサスのヤマグチさん」になれるでしょうか?

第8回:レクサス IS F【総括編】

2009年7月23日(木)

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(前回「ニコニコさせるクルマじゃないと、三日で飽きられる」から読む)

 さてさて、今回はレクサスIS Fの総集編。19日間の長きに渡りジックリと試乗を重ね、開発責任者にお話を伺った上でのユーザーインタビューである。トヨタが生んだ日本のスーパーカー、レクサスIS Fのユーザーとはどんな人なのか。自ら所有してドライブすると、どのような感想を持たれるのか。忌憚の無いところを伺いたい。

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 レクサスの広報からIS Fの顧客を紹介して頂く事も考えたのだが、そこまでお世話になるのもナンだし、変に色が付いてしまってもつまらない(やはり“あちら寄り”の意見になりがちですからね)。知り合いのツテをたどってオーナーと面会することにしよう。

オーナー見つからず、思案投げ首でスタバに寄ったら・・・

 だがしかし……誰も持っておらんのですよ、IS F。クルマ関係の友人知人に片端から電話を掛けたのだが、「ISのFを持ってるヤツ?知らないねぇ……」。「フツーのISならいるんだけどね」。「そんな事よりヤマグチさん、早くウチの原稿入れて下さいよ。締め切りはとっくに過ぎてるんですよ。何? 日経BP? 知りませんよ、ヨソの事なんか!」と(ヤブヘビ系も含め)つれない返事ばかりが返ってくる。さてどうしたものかと悩んでいた連休最終日早朝、行きつけのスターバックスにクルマで寄ったところ、裏のパーキングにIS Fが停まっているではないか! 千載一遇のチャンス! オーナーは店内でコーヒーを飲んでいるに違いない。何とか探し出してお話を伺おう。

 隣のスペースが空いていたのでそこにクルマを停めると、ちょうど車内からドライバーが降りてきた。IS Fもここに到着したばかりだったのだ。休日の早朝であるのにキチンとした身なりで、“紳士”と呼ぶに相応しい佇まいである(ちなみに私はこの時Tシャツに短パン姿だった)。さすがレクサスのオーナー。高級の本質。

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 彼はボンネットを開けると、腕組みをしながら思慮深げにエンジンルームを眺めている。IS Fはエンジンが大きな樹脂製のカバーで覆われているので、それを剥がないことにはいくら眺めたところで何も分からないと思うのだが、ともかく彼はエンジンルームを凝視しているのである。私もクルマを降りて紳士の横に並び立ち、思いきって声を掛けてみた。

「いいクルマですねぇ。コレ、IS Fですよね?」

 自分のクルマを褒められるのは誰だって嬉しいものだ。ましてやトヨタ最速の誉れ高いIS F。彼は満面の笑みで頷いた。

「そうです。レクサスのIS F。結構速いですよ」
「速いですか?やはり」
「そりゃ速いです。(排気量が)5000ccもあるんですから。特に私のはちょっとイジってますからね」
「えぇ!? 改造しておられるのですか?」
「なに、ECUのマップを書き換えてリミッターを解除しただけです。“改造”と言うほど大袈裟なものじゃない」

 ECUとはエンジンコントロールユニットの略称だ。オリジナルのプログラムに手を加えることにより、180km/hに制限されている最高速度のタガを外してしまった、ということだ。当然様々なリスクを伴うことになるし、メーカーの保証も受けられなくなる。立派な“改造”であり、決して推奨できる事では無いのだが、サーキットでスポーツ走行を楽しむ人の間では、半ば“常識”と化している事でもある。

「ゴルフにブチ抜かれて情けなくなって」

「いい気分でトバしているところを(フォルクスワーゲンの)ゴルフにブチ抜かれてしまいましてねぇ。ゴルフはあんな小型車のくせに、200km/hの速度でちゃんと巡航できる。排気量が倍以上もある私のクルマがこのままじゃいくら何でも情けないので、知り合いのショップで手をいれてもらった訳です」
「勇ましいですねぇ……」
「ははは。普段はそんなムチャはしませんが、鞭を与えた時にはそれ相応に速く走ってくれないと困る。ある意味クルマは大人のオモチャですから。さて、と。立ち話も何です。コーヒーでも飲みましょう。あなたもスタバに来たんでしょう?」

 彼はそう言ってボンネットを静かに閉めると、10年来の友人であるかのような振る舞いで私を店内に誘ってくれた。クルマを通して知り合うと、誰でも短時間で打ち解けてしまうから不思議なものだ。

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「「レクサスのヤマグチさん」になれるでしょうか?」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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