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あなたの中に残る「日本の所作」、仕事に役立てませんか

自然体がわかるからだのメソッド~武蔵野身体研究所主宰・矢田部英正氏(後編)

2009年7月30日(木)

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 スポーツのトレーニングや健康増進のノウハウでは、いかに身体を増強させていくかに関心が寄せられる。しかし、日本の伝統的な身体観は、筋肉を鍛えたりすることで能力を強化するのでなく、「骨格の自然な配置に基づいた動き」に注意を払う。

 前編では、そうした自然な身体のもたらす効用について武蔵野身体研究所の矢田部英正さんにお話しいただいた。矢田部さんは、人は自然な身体を得ることにより、負担のかからない動き、見た目のよさ、爽快感や安定感、さらには健康までも得ることができると言う。

 では、いかにして自然な身体を獲得していけばいいのか。引き続き矢田部さんにうかがった。

矢田部英正(やたべ・ひでまさ)

1967年東京生まれ。武蔵野身体研究所主宰。東京女子大学、武蔵大学で非常勤講師。筑波大学大学院修了体育学修士。学生時代は体操競技を専門とし、全日本選手権等に出場。選手時代の姿勢訓練が嵩じて日本の伝統的な身体技法を研究する。文化女子大学大学院にて和装と身体のかかわりを研究し、国際日本文化研究センター研究員を経て博士号取得(被服環境学)。姿勢研究の一環として1999年より椅子の開発に着手。デザインレーベル「コルプス」を発足する。身体を軸とした「物づくり研究」は、椅子、服飾、建築と広い守備範囲をもつ。主な著書に『からだのメソッド~立居振舞いの技術』(バジリコ出版)、『たたずまいの美学~日本人の身体技法』(中公叢書)『椅子と日本人のからだ』(晶文社)『美しい日本の身体』(ちくま新書)など。

――前編では、何気ない日常の身のこなしも、それぞれの社会、世代、文化、歴史などの中でつくられた経緯があるというお話でした。しかし、いまの日本での暮らしは西洋文化一辺倒で、何が伝統なのかわかりません。はたして日本人の身体に日本的な所作が残っているといえるのでしょうか?

矢田部:「自分の身体に日本的なものが残っているとは思えない」と、私の講義を受ける学生の中からも、意見の出てくることがはじめはあります。

 しかし、私たちの生活が西洋化されているはずだと思っても、ヨーロッパに行くと身体の使い方がまったく違うことがすぐにわかります。幼いころから洋服を着て、靴を履く暮らしをしてきたはずなのに、歩き方ひとつとっても日本人と西洋人とは大きく異なる特徴があります。

 日本人と比べ、西洋人の歩幅は非常に大きく、膝をまっすぐに伸ばして、踵から勢いよく着地します。歩くリズム、スピードもかなり速いですね。それに対して日本人の歩き方は、歩幅が狭く、つま先側に体重をかけて歩く特徴が見られます。とくにヒールの高い靴を履いた場合には、膝下からちょこちょこ歩く様子がよく見られる(写真参照)。

画像のクリックで拡大表示

矢田部:こうした観察から、いまだに日本人の歩き方には、着物を着ていたときの名残があるのではないか、と思い至りました。だからといって、いまの日本人の歩き方が江戸時代と同じ所作というわけでもないのですが。つまり、伝統的な所作を自覚的に継承しているわけでもなければ、西洋人の所作を学んでいるわけでもない。

「ヨーロッパ人のような日本人には興味はありません」

――西洋化されているのに、西洋式の生活スタイルに身体の使い方が対応していないということですか?

矢田部:そうですね。ヨーロッパでは、姿勢や立居振舞いの教育を熱心に行ってきた伝統が王宮や貴族社会に根強くあって、彼らの御用商人であったエルメスやルイ・ヴィトンなどの製品はみな、その社会で生きる人々の立居振舞いを基準にデザインを組み立ててきたわけです。しばしばそれは階級間の差別対象になったりもするわけですが。

 つまり私たち日本人が銀座の目抜き通りに並んだブランド物に身を包んだところで、歩き方や喋り方ひとつで、ホテルやレストランでの対応がまるで違ってくるようなことも起こるわけです。

――西洋人からすれば、現代の日本人は中途半端な身のこなしや服装をしているように見えるのですね。

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