考えてみれば、昨年、ビジェイ・シンが米PGAツアーのプレーオフシリーズ総合優勝を成し遂げたとき、人々は「もう45歳なのに若い選手たちを抑えて・・・すごいなあ」と感嘆した。

もう45歳――2008年は全英オープンで当時53歳のグレッグ・ノーマンが優勝争いを展開する「波乱」があった。けれど、最終日の1番ホールからピリピリしていたノーマンは、出だしの3ホールを3連続ボギー。その様子を眺めながら、「やっぱり年齢には勝てないのだろうか」と思ったものだ。
「年齢には勝てない」というのは、年齢なりの肉体の衰えによって「勝てない」というだけの話ではない。すでにシニア年齢の選手が、レギュラーツアーのメジャーで優勝に王手をかけるなんて珍事は、本人だって周囲だって、そうそうあることではないと当然思う。そして、シニア年齢の本人は「オレの一生の中で、これが間違いなく最後のチャンスだ」と思う。もう後がない・・・その切羽詰まった気持ちが、何かを狂わせるのだと思う。
だからノーマンは最後の最後に勝利を逃し、「来年のマスターズでの活躍も期待していいか?」とメディアに問われると、「もはやタイムアウトだ」と悟ったように答えた。
そんな中、「まだ先がある」と思えるぎりぎりの年齢は、もしかしたらシンのような40歳代半ばぐらいなのかもしれないなと、昨季の最終戦ツアー選手権では思っていた。
そして今季。マスターズで48歳のケニー・ペリーが優勝に迫り、やっぱり最後の最後に勝利を逃した。そして先週の全英オープンでは59歳のトム・ワトソンが72ホール目まで大会をリードした末、プレーオフで敗北し、勝利を逃した。
今年の全英オープンでワトソンが世界に示したものは何だったのか。その答えをシンはこんな一言で表現した。
That gave second life to everybody.
(みんなに第2の人生を感じさせてくれた)
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