「ナショナル ジオグラフィック日本版 夏休みスペシャル 大人の自由研究」

人類の足跡を明かす「大いなる旅」に出よう

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2009年8月3日(月)

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 「人類の物語は、DNAのA、C、G、Tという、たった4文字(4種類の塩基)で記されています」。こう話すのは、「ジェノグラフィック・プロジェクト」を進める遺伝学者のスペンサー・ウエルズ博士です。

 「人類の物語」とはいったいどういうことでしょうか?

Photo by David Evans © 2006 National Geographic Society
2005年11月、アフリカ・チャドで頬の内側からDNAサンプルを採取するスペンサー・ウエルズ博士。

 地球上に生命が誕生したのはいまから40億年も昔のことではないかといわれています。その後、進化と絶滅を繰り返しながら、多種多様な生き物が暮らす現在の地球に至っています。その壮大な歴史の中で、我々人類はほんのちっぽけな存在なのかもしれません。それでも、数々の苦難を乗り越えながら、この惑星のほとんど全域にその足跡を残しつつあります。

 はるか昔、アフリカで暮らしていた我々人類の祖先は、ほんのひと握りの集団で旅立ち、何万年もの時を経て世界各地に定着してきました。現代人の遺伝子を調べて、その「大いなる旅」のルートを解き明かす、地球規模のプロジェクト。それが、米国ナショナル ジオグラフィック協会が2005年から地球規模で実施している「ジェノグラフィック・プロジェクト」です。

Photo by David Evans © 2006 National Geographic Society
2005年11月、アフリカ・チャドでで、断食月の終わりを祝い、街から出てきた人たちを見守るスペンサー・ウエルズ博士。

 プロジェクトを発案し、指揮しているのは、ナショナル ジオグラフィック協会の協会付き研究者で遺伝子学者のスペンサー・ウェルズ博士です。調査の手法は、骨や化石を発掘して検証するという、人類学の分野での一般的なやり方ではありません。地球上の各地に暮らしている現代の人間のDNAサンプルを採取して、そこに刻み込まれた情報をコンピューターで解析するというものなのです。

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藤田 宏之(ふじた・ひろゆき)

『ナショナル ジオグラフィック日本版』編集長。1987年に日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社。『日経ベンチャー』『日経ビジネス』の編集などを経て、2007年4月から現職。『ナショナル ジオグラフィック』は米国ワシントンD.C.に本部を置く1888年設立のナショナル ジオグラフィック協会が発行し、世界約180カ国で850万人が購読する月刊誌。自然・野生動物・社会・文化・探検・科学など、地球とそこに生きるすべての生き物の営みを、世界の一流写真家が撮りおろす美しく迫力に富んだオリジナル写真と、正確で臨場感あふれる記事で紹介している。このコラムは『ナショナル ジオグラフィック日本版』の最新号の特集から、その内容を要約して紹介する。

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