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「こんなところで死ぬもんか。希望を捨てずに生きるんだ」
~新宿西口から平和への祈りを

新宿編・その2 平和祈念展示資料館

  • 赤瀬川 原平,山下 裕二

バックナンバー

2009年8月7日(金)

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(前回「「紀伊國屋書店」の屋号、謂われは何?」から読む)

山下 さて、今日は新宿の住友ビルにある平和祈念展示資料館です。水木しげるさんが描いたポスターはかなりの人が目にしているでしょう。「こんなところで死ぬもんか。希望を捨てずに生きるんだ」というコピーも強烈です。

赤瀬川 電車によく広告が出ていますね。意外とみんな見てると思いますよ。

山下 ええ、なので知っている人は多いと思いますが、実際に行ったことがある人は……。

赤瀬川 少ないでしょう。僕も今日が初めてです。

戦争に赴いても恩給が出ない「恩給欠格者」

山下 この資料館は、「恩給欠格者や戦後強制抑留者、引揚者の方々の労苦について国民の理解を深める」ために設立されたとパンフレットに書いてあります。

赤瀬川 恩給欠格者?

山下 さすがに赤瀬川さんも分からないでしょう(笑)。我々も知らないことも多いので、学芸員の古舘豊さんにお話を伺いながら、今日はしっかり勉強したいと思います。

赤瀬川 そうですね。

古舘 では、まず、基本的なことから……。恩給欠格者というのは、恩給を貰う資格がない人ということです。恩給は、12年間の軍歴がないと貰えません。

赤瀬川 12年! それは長いですね。

古舘 ただ、ごく簡単に言いますと、戦地へ行くと1月につき3月分が加算されるので、その計算だと1年が4年相当となって戦地勤務3年で貰えます。ところが、昭和18年以降に召集された方は戦地へ行っていても軍歴が短いので、恩給が全く貰えない。

山下 そうなんですか。

古舘 一番気の毒なのは、高齢だったために、2回、3回と召集されていながら、国内で終戦を迎えた方ですね。戦地に行っていないので年数が満たない方が多いんです。その方たちには恩給がない。

 そういう恩給欠格者の方の資料と、シベリアに強制的に抑留された方の資料、そして終戦後に海外から引き揚げてきた民間人の方の資料を揃えています。日本の戦後処理で、取り残された問題をなるべく知ってもらおうということで、この資料館が開設されているんです。

山下 この資料館ができたのはいつですか。

古舘 平成12年です。平和祈念事業特別基金ができたのは昭和63年で、資料館ができるまでの12年間は全国各地で資料の展示会をしていました。

資料館の入り口には年表にあわせて当時の写真が。これは上海事変の時のもの。
(指をさしている写真は共同通信社提供。その他毎日新聞社提供。)
画像のクリックで拡大表示

山下 資料館の入り口に軍事外交関係の年表があります。赤瀬川さんは1937年生まれでしたね。ということは、盧溝橋事件の年。何月生まれですか?

赤瀬川 3月です。

山下 じゃあ、盧溝橋事件より前に生まれたんですね。(盧溝橋事件は7月)

赤瀬川 どうもそうらしいです。

古舘 軍事外交関係に対応するように、こちらには銃後の関係が示されています。

山下 銃後……。

「何でこんな戦争を」「こんなに辛いならやめたらいいのに」

古舘 銃後という言葉はもういまの中学生には分からないので、戦時下の国民生活という風に説明しています。

赤瀬川 銃後とか内地とかそういう言葉はもう今の人は知らないでしょうね。

山下 もちろん、知らないでしょう。アメリカと戦争したことを知らない子も多いそうですから。

赤瀬川 ちょっと情けないですね。

古舘 中学生を案内していると「何でこんな戦争をやったんですか?」とか「辛かったらやめたらよかったんじゃないですか?」という質問が出るんですよ。

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