「三田村蕗子の「出張スィーツ」」

「日本一食べにくいお菓子」、苫小牧から見参!

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2009年8月24日(月)

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 お菓子を食べて、女性レポーターが「甘さ控えめでおいしーい」と叫ぶシーン。違和感、ありませんか。あるのは私だけでしょうか!!

 お菓子なんだから甘くて当然、甘くていったい何が悪い。そう、今回取り上げるのは、時代に逆行する、ちょっとレトロなスィーツ「よいとまけ」です。

56年の歴史を誇る「よいとまけ」。甘くて食べづらい、でも魅力たっぷりの素朴なお菓子です。
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「よいとまけ」を覆うセロハンにはこんな表示が。包丁をきちんとぬらす手間さえ惜しまなければきれいにカットできる。

 甘いだけじゃなくて、扱いづらくて食べにくい、ついでに名前も古くさい。何重ものハンデを背負いながらも根強い人気が続いている「よいとまけ」。出張ついでに買い求め、その魅力に直に迫ってみませんか。

 北海道・苫小牧の菓子メーカー、三星の看板商品「よいとまけ」は、ロールケーキの表面に北海道原産の果実、ハスカップの甘酸っぱいジャムをたっぷりと塗って仕上げたお菓子だ。

 こう聞くと、「あら、美味しそう」ときっと誰もが思うことでしょう。見た目も色も可愛いし、出張スィーツには欠かせないローカル色も十分にある。

 しかし、「よいとまけ」はそう甘くはない。いや実際には甘味たっぷりなのだが、「日本一食べにくいお菓子」の異名を持つ、一筋縄ではいかないヤツなのだ。

切り分けにくい? 濡らした包丁でカットしてください

 なぜ、食べにくいのか。

 ハスカップジャムをコーティングしたロールケーキには大量にグラニュー糖をまぶされ、その上はオブラートで包んである。この商品設計ゆえに切り分けようとすると、オブラートが邪魔になって(オブラートごと食べる)、切りづらいことこの上ない。

 かといってオブラートを取るという暴挙に出れば、ジャムごとべろっとはがれてしまい、元も子もなくなる。一番いいのは、包丁の刃をいちいち濡らした上でカットする方法だが、手間がかかってちょっと面倒くさい。

ハスカップといえば三星、三星といえばハスカップ。「ハスカップジャム」は三星の登録商標だ。210g入り1260円(税込み)。

 糖度はかなり高めだ。独特の食感もある。フライにパン粉をまぶすかのごとく、ロールケーキには大量にグラニュー糖をまぶしているので、「ジャリッ」という食感が得られる。いまどきの菓子にはちょっとない舌触りだ。

 このように、客観的に見れば??な点がたくさんある「よいとまけ」だが、食べてみると、ハスカップの酸味が利いているので、かなりの甘さが気にならない。なぜかすんなり食べられる。オブラートの存在もまったく気づかない。洗練されているとは言い難いが、素朴でなんだかほっとする、そんな魅力にあふれている。

 グラニュー糖の食感が苦手という人は多いかもしれないが、それさえ「なんだか懐かしくて良いワ」とプラスに評価するファンの方が多いほど。短所を長所に見せてくれる見上げたお菓子なのである。

 「よいとまけ」は、発売当時から賛否両論渦巻いたお菓子だった。

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著者プロフィール

三田村 蕗子(みたむら ふきこ)

1960(昭和35)年福岡市生まれ。津田塾大学学芸学部卒業。マーケティング会社、出版社等を経てフリージャーナリストに。流通業、化粧品業界を中心に、ビジネス全般を幅広く取材。ビジネス誌に多数寄稿。著書に『論より商い―カッコつけたってモノは売れない 』(プレジデント社)などがある



このコラムについて

三田村蕗子の「出張スィーツ」

緊張感漲るビジネスの現場に、ふと句読点を打つ「おやつ」。気分転換、モチベーションアップ、チームマネジメントのきっかけ…そんな効果も期待しつつ、仕事の現場で味わうひとときの幸せを多面的に考察する「ビジネス人のお八つ学」。その重要なテーマとして「出張」につきものの、職場へのお土産としてのおやつについて、深く楽しく考えてみたい。

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