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「アホ、バカ」と言われるのが他の子はうらやましいんですよ

「かもめ児童合唱団」【中編】

2009年9月24日(木)

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 神奈川県三浦市にある、「かもめ児童合唱団」の創設は1972年にまでさかのぼる。声楽やピアノを教えていた小島晃子さんが20代後半で立ち上げた。月500円の会費を集めるようなったのは、スタートさせてから時を経てのこと。以後、会費の値上げはされずにきている。

 創設11年目のコンサートの記念写真をみせてもらうと、子供たちの多いこと。最盛期には100人を超えていた。上は中学生、下は小学生。お揃いの服装で、おりこうさんたちが肩をならべるオーソドックスな合唱団だ。

もともとは正統派? の合唱団だった「かもめ」

「当時は、先生、恐かったですよ」

 合唱団が出来たころのメンバーで、いまは二人の子供を合唱団に通わせているお母さんの証言だ。にこにことしている小島先生を見ているとウソみたいだが、大勢の子供たちをまとめねばならなかったことを想像すると、まんざらオーバーではないだろう。

かもめ児童合唱団を束ねる小島晃子先生

 人数が多かった頃には、一箇所に集まって練習することすらままならなかった。三浦海岸と三崎、クルマだと30~40分はかかる場所に練習教室をもち、発表会のときにだけ二つのグループが一堂に会していた。港町がマグロ漁業で栄え、子供も町にたくさんいた、昭和の時代のことだ。

 大所帯の合唱団の写真をみながら、わたしは、いまの小粒な合唱団の面影をそこに探してしまっていた。まだ生まれてもいない子供たちの面影を見つけようなんて、考えたらヘンな話なのだが。小島さんにインタビューしたのは、小島さんが「ちゃんとした珈琲が飲める」という、城ヶ島にある往年のハリウッドスターの写真が張りめぐらされた珈琲店だった。

幼稚園児だってステージに立つ

──以前は、ほかの合唱団と変わらないものだった「かもめ児童合唱団」が、変わっていく境目っていつ頃になるんですか?

「そうですねぇ。子どもたちが塾に通うようになり、ほかにもいろいろお稽古事が増えて、親も迎えに来る時間が取れなくなってきたんですよね。それでだんだんに人数が減り減りしてきて、合唱団としてまとまらなくなった。

こういうやり方をしていても難しい。だったら、童謡っぽいものを歌いたい子どもたちだけでやっていったらいいんじゃないかと思ったのが、いまから十年くらい前。そのときからです、幼稚園の小さい子どもたちとお付き合いするようになったのも」

 いまの合唱団のレパートリーの柱になっているのは童謡だ。小島さんが師と仰ぐ、三崎出身の音楽家・小村三千三氏の歌の教本を使っている。

長年使い続けている教本
画像のクリックで拡大表示

「このごろ、これが光っているんですよ」

 小島さんが教本にしているというその本は、年季が入っていた。茶色く色が褪せて、真ん中の綴じ目が解けて、頁がはがれかけている。小さな子供たちが加わるようになってからの合唱曲は、小島さんがこの本の中から選んできた。

 子供たちが集まることのできる機会は限られている。練習時間も多くはない。だから、すぐにマスターできるものが中心となる。子供たちに人気の童謡は、歌いはじめると自然と声が大きくなる。とりわけ、ヒューとかいった擬音が入ったものになると、いっぺんに覚えてしまう。

 歌は月に一度、三崎の港の遊覧船「にじいろさかな号」に乗船してのミニコンサートで発表する。編集のS氏と乗船したのは、風のつよい3月の曇天の日だった。さすがの寒さに口が開けきらない子供もいた。でも、弱音をはかないで30分ほどのミニステージを終えると、15、6人ほどのお客さんたちの拍手も大きくなる。

「かもめ児童合唱団」の特色は、二列の編成にある。小学生組の大きな子供たちは後ろに立ち、保育園・幼稚園組の小さな子供たちは前に並ぶ。ちょっとしたことだが、後ろの子が、前の子の服の乱れを直すなど気を配る。そんなことが自然にステージでなされている。

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