
「○○○は俺の嫁」
というレトリックをご存知でしょうか。この言い回しは、アニメやコミック、ゲームなどのファンの間でのみ通用するスラング(隠語)。○○○にはキャラクター名が入ります。そのニュアンスを正確に伝えるのは難しいのですが、そのキャラを自分のモノだけにしたいほど夢中です! という意味を持つ、最大級の褒め言葉のひとつと考えてください。
このような言葉があることからもわかるように、作品内に登場する女の子の魅力によってビジネスを成立させるという手法は、いまではごく当たり前のものになっています。
ビジネスとして考えると、これらは、計算が立ちやすい商品ともいえます。
女の子の魅力によって商品力が確定する傾向が強いため、「このイラストレーターが描く女の子が登場するゲームなら、だいたい○万本くらい売れるだろう」という事前予測が立てやすく、しかも大きく外れないんですね。
しかし。今年の秋、そんな市場にちょっとした異変が起きました。
9月3日。まったくのノーマークだったあるソフトの発売が、日本中の目利きたちの予測を完全に崩したのです。あっという間にユーザー間で話題が沸騰。そして随時投入される追加出荷分も、瞬時に店頭から消えました。そして、数週間にわたって全国的な品薄状態を引き起こすという、業界の常識からは考えられない状況が生まれたのです。
そんな事件を引き起こしたゲームの名は、「ラブプラス」。
ゲームの歴史には、ときおりこういった形で、予想もしない形で人々の心を奪う画期的なゲームが登場するもの。「ラブプラス」は、高校生の恋愛の日々をリアルタイムで再現するという斬新なゲーム内容により、購入者のハートをがっちりとつかみ、鮮やかな成功をおさめました。
ゲームならではの「生々しさ」がそこにある
ひとことでいえば、画面の中にいる女の子との恋愛を楽しむゲームです。
と書くと、大昔からある、いわゆる“ギャルゲー”と呼ばれるカテゴリーに属するソフトと考えがちなのですが、いざプレイしてみると、それが誤解であることがわかります。根本的なところが、従来のゲームとまるで違うのです。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。










