「PRO BONO(プロボノ)」

PRO BONO(プロボノ)

2009年11月5日(木)

シアワセ最大化〜新しい働き方「プロボノ」とは?

「社会貢献したい」「スキルアップもしたい」人たちへ

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 最近、「ソーシャル」や「社会的」といった言葉を耳にする機会が増えてきた、と、感じる人は少なくないかもしれない。確かに、「社会起業家」「ソーシャルベンチャー」といった言葉がさまざまな場面で引き合いに出され、社会起業家を扱った本が書店で平積みになる光景も見かけるようになったのがここ数年の傾向だ。

 しかし、いざ一人のビジネスパーソンが、こうした「社会的」「ソーシャル」なことに関わろうと思うと、意外と選択肢は限られている。勉強会のような場に出かけて知識を養うか、ビジネススクールや起業塾のような場所に通って本気で社会起業家を目指すか、はたまた、気になるNPOを見つけてボランティアとして飛び込んでいくといった方法などが思い浮かぶかもしれない。

 こうした選択肢の中に、もう1つ、有力な方法として提案したいキーワード、それが、この連載のテーマである“プロボノ”である。

社会貢献をするための“現実的”な手法

 “プロボノ”とは、社会人が、仕事を通じて培った知識やスキル、経験やノウハウなどを活かして社会貢献することを意味する。

 “プロボノ”とは、ラテン語でPro Bono Publico(公共善のために)を略した言葉で、欧米のホワイトカラーにとってはごく一般的に使われている言葉だ。特に、弁護士や会計士、コンサルタントなどが、「月に数時間」「年間で数日」といった時間を決めて、NPOの法律や会計、経営の相談などを無償で行うことがオーソドックスな“プロボノ”のイメージである。

 だが、こうした職種に限らず、営業、調査、企画、総務、人事、広報、IT・システムなど、幅広い分野で活躍する多様なビジネスパーソンに向けて、“プロボノ”の考え方は適用可能なものである。仕事で培ったスキルは、すべからく、NPOなどの社会貢献活動にも活かすことができるエッセンスを含んでいるのだ。

 “プロボノ”は、社会人が、仕事を続けながら、いまの会社に所属しながら、自分の時間の一部を効率的に活用して社会貢献に役立てるきわめて現実的な手法である。

 しかも、“プロボノ”は、ただひたすら社会のために“奉仕”するばかりではない。むしろ、自身の仕事へのポジティブなフィードバックをも期待できる点については、この連載を通じて詳しく紹介していきたい。

 「社会的」「ソーシャル」なことに関心を持ち始めたいまの日本社会。そこで活躍する、多くのビジネスパーソンにとって、「社会的」なことと関わる、新しい選択肢。それが、“プロボノ”だ。

ボランティア、NPO、そして、社会起業家への流れ

 “プロボノ”について議論する前提として、そもそも「ソーシャル」という言葉に限らず、そもそも「ボランティア」や「NPO」など、社会的な活動にまつわる言葉や制度自体、ここ十数年間に急速な発展を遂げながら現在に至っている。

 そこで、まずは、現在の立ち位置を確認する意味で、少しだけ過去を振り返るところからスタートしてみたい。

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著者プロフィール

嵯峨 生馬(さが・いくま)

嵯峨 生馬特定非営利活動法人 サービスグラント 代表理事
1974年、神奈川生まれ。98年 東京大学教養学部卒業後、日本総合研究所に勤務。地域通貨、NPO、地域活性化をはじめ、インターネット、ICカード、ポイントプログラムなどのプロジェクトに従事。2001年、東京・渋谷を拠点とする地域通貨「アースデイマネー」の設立に参画し、2002年にNPO法人化、2003年より同代表理事。2005年、日本総合研究所を退職。同年、ビジネスやデザインなどの専門スキルを活かしてNPOを支援する“プロボノ”の仕組み「サービスグラント」を開始。250人以上のスキル・ボランティアを集め、5年間で延べ32団体のNPOに対してホームページ・パンフレット等の成果物提供をコーディネイト。2009年にNPO法人化し代表理事に就任。12月5日(土)に、ラフォーレミュージアム原宿で「プロボノフォーラム〜2010年は“プロボノ”元年」を開催予定。


このコラムについて

PRO BONO(プロボノ)

仕事で培った専門スキルを活かしたボランティアを“プロボノ”といいます。プロボノは、社会的な課題解決に取り組むNPOに対して、貴重な力になるだけでなく、そこに関わるボランティアをする側にとっても、さまざまな発見やスキルアップ、ネットワーキングの機会などを提供するものです。近年、社会起業家などへの関心が高まりを見せ、ソーシャルなことに関わってみたいという人にとって、“プロボノ”は社会とのつながりをつくる具体的で現実的なアプローチです。このコラムでは、まだ日本ではなじみのない“プロボノ”の考え方を紹介し、2010年に向けた、ビジネスパーソンの新しい働き方やライフスタイルを提案します。

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