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蓮舫議員と語り合いたい「もったいない」の意味

2009年11月16日(月)

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 いや、正直に申し上げれば蓮舫議員の口のきき方には抵抗があるし、彼女の顔つきの険しさには反発を感じる。
 
 が、それはそれとして、私はどうやら彼女の側の人間なのである。

 つまり、世の中の人間を、非常に大雑把に「捨てる派」と「捨てない派」に分類するのだとすると、私は明らかに前者なのである。

 さよう。私は読み終わった本はほとんどその場で捨てる。着られなくなった服も迷いなく廃棄する。子供が小さかった時の玩具だとかを保管する趣味も無い。ぜひ捨てたいと念願している。嫁さんの反対さえなければ。

 が、おそらく、この問題には正解が無い。
 保管には保管の理由があり、廃棄には廃棄の正義がある。
 というよりも、誰が見ても捨てた方が良いに決まっているタイプの物品や、万人にとって保管しておくべきであるように見える物品は、むしろ少数なのだ。多くのブツは、「捨てるかとっておくかは、趣味の問題」で見解の分かれる、どっちつかずのブツなのである。

 おそらく、事業仕分けのマナイタに上げられている財団法人やハコモノや事業も、「どこからどう見ても明らかに不要」なものは、そんなに多くはない。「見ようによっては不要だが、別の見方をすれば必要な側面もある」ぐらいな事業が大半であるはずだ。

 それでも、「せめて明らかに不要なものだけでも捨てたら、それだけでも家の中がずっとすっきりするはずだろ?」と、たとえば廃棄派である私などはそういうふうに考える。
 が、収納側の人々は、総論で賛成しても、各論のステージでそれらをことごとく覆しに来る。
 継続性だとか、人情だとか、ソフトランディングだとか、経緯だとか習慣だとか、そういうことを言って、ダム防衛の理屈を積み上げる。そう。彼らにとって、人生はダムなのだ。

「あ、それは捨てちゃダメ」
「えっ? っていうか、これ去年のカレンダーだけど?」

 こういう時、議論は無駄だ。
 こういう時に議論をするのは、結婚して間もない夫婦か、離婚まで間もない夫婦か、いずれかだけだ。

「だって、書き込みだらけだぞ」
「書き込みがあるから捨てられないんじゃないの」
「意味がわからないんだが」
「ほら、たとえば、コンサートの半券とか、捨てないでしょ?」
「捨てるけど?」
「えっ?」
「えっ?」

 そう。コンサートの半券や、思い出の食器や、赤ん坊のはじめての靴を取っておくタイプの人々は、どんなものあれスペースさえあれば、空間の許す限り保管しておこうと考える人々なのである。

「っていうか、そういうことを言ったら抜けた歯みたいなものまでとっておかないとならなくなるだろ?」
「とってあるけど?」
「えっ?」

 そう。切った爪はともかく。そういう人々は、乳歯を持っていたりする。乳歯とともにヨメに来る人たち。われわれは、そういう人々と一緒に暮らしている。

「つまりこういうことか? さんざん着古した服は愛着があるから捨てられない。でもって、着ていない服はまだ着てないんだから捨てられない。ついでに時々着る服は時々着るんだから捨てられない、と」
「そうよ」
「じゃあ、読み終わった本は読んだ本だから捨てられなくて、読んでない本はまだ読んでないから捨てられないわけか?」
「当然じゃない」
「っていうことは、捨てる本っていうのはどういう本だ?」
「同じ本が2冊以上あるとか……」
「なあ。それ、オレの書いた本だけだぞ」

 さよう。議論をしても無駄なのである。
 捨てない人たちがモノを捨てない理由は、廃棄派である私から見れば「そこにそれがあるから」みたいなものなのだ。

コメント112件コメント/レビュー

仕分け作業をきちんと取材して、これを書かれたのでしょうね?(2009/12/07)

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「蓮舫議員と語り合いたい「もったいない」の意味」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

仕分け作業をきちんと取材して、これを書かれたのでしょうね?(2009/12/07)

一頁目を見て偏見を感じ、スケッチで悪意を感じて、残念ながら先に進めなかった。それ以上の言葉を使いたくもない。今後、こんな文を載せないよう選別してほしい。(2009/12/07)

蓮舫さんの名前を使ったのは、単なる掴みか。本文と少し用途が違いますよ。彼女は職務を遂行するために、事業仕分けというリングの上で戦いをいどんでいるのに対して、何の装備もせず、グローブさえもはめずパンツもはないで上がってきて、ひどいわ!と訴える人が、多大な税金の実質的な使用者になっていることが問題なのですよ。コストカッターなのですから、職業上研ぎ澄まされた鋭利な声は武器なのです。しかし、廃棄派VS保管派のお話は個人的にとても参考になりよかったです。(2009/12/07)

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