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「トヨタ」じゃなくて「プリウス」ブランドを作っちゃえば?

第19回:トヨタ プリウス【開発者編】その3

2009年11月20日(金)

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(前回「プリウスに貯めた電気が、朝見ると減ってるんですけど?」から読む)

 週末を利用してベトナムへ遊びに行ってきました。
 別に特別な用事が有った訳では無いのですが、なぜだか急に本場のフォー(PHO)が食べたくなり、思い立ったら吉日とばかりにすっ飛んで行ったのです。最近は東京でも本格的なベトナム料理の店が増えて来たのですが、フォーに関してはもうひといきの状態で、多くの店が乾麺を使っています。やはりフォーは生麺でなければ旨くないんじゃなかろうか。アツアツのフォーに、大量のコリアンダーと生のモヤシをブチ込んで食べると、それはもう天国の美味でありまして、病み付きになること請け合いです。

 ベトナムはモータリゼーションが本格化しつつあるところで、乗用車の数はまだ少ないのですが、大変な数のバイクが走っています。道という道にはバイクが溢れ、二人乗り三人乗りのバイクが、それこそ縦横無尽、好き勝手に走り回っています。

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 彼の地ではバイクのことを“ホンダ”と呼んでいます。スズキ製だろうがカワサキ製だろうが、バイクであればみなホンダと呼ばれます。中国製の粗悪なパチ物バイクも多く売られる中で、ホンダは憧れの的。高性能、高品質の証しです。「私の彼はヤマハのホンダに乗ってるのぉ」なんて具合に、若いお嬢さんがトンチンカンな自慢をしたりもするほどです。ヤマハにお勤めの方が聞いたら卒倒してしまいそうな話ですが、それほどまでにホンダの“ブランドが立っている”ということなのでしょう。

 さて、発売以来圧倒的な販売実績を誇るトヨタのプリウス。こちらも三代目を襲名して、最早ハイブリッド業界の代名詞と呼べるほどにブランドが立って参りました。大塚氏のインタビュー。最終回はプリウスのブランディングからお話を伺います。

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*   *   *

フェルディナント(以下、F):プリウスを開発するに当たって、一番気を付けられたのはどの辺ですか?

大塚(以下、大):プリウスというブランドのマネジメントですね、やはり。

F:ブランドのマネジメント、ですか?

大:はい。プリウスはコアになるコンセプトをお客様としっかり合意した上で進化してきたクルマです。技術面からのアプローチは、最新のテクノロジーを注ぎ込んで造り込んでいけば良いのですが、コンセプトの柱は変えちゃいかんと思うんです。だからやはりプリウスという“ブランド”をしっかりと育てていかなければならない、と思いました。

F:(プリウスという“ブランド”っすか……)プリウスの初代、2代目で培ってきたブランドとは、言葉にするとどういうものですか。

大:環境と燃費性能。未来を感じていただける先進性。スタイリングも含めた未来感。

F:未来感はヒシヒシと感じますね、確かに。

大:プリウスを通してクルマの未来が見えるような、そんな未来感を一番大切にしていきたい。しかしそうした我々の思いがある一方で、販売の現場からすれば、名前のあるプリウスブランドをどんどん使いたいという意見もあります。特にアメリカ(北米)なんかへ行くと、「ヘタするとトヨタよりもプリウスの方がブランド力があるんじゃないか」と言う方までいらっしゃいます。

F:なるほど。アメリカに於けるプリウスの人気は絶対ですからね。それはあちらでも地域性の問題でしょうか。ディカプリオやロビン・ウィリアムスも乗っている、ハリウッド辺りとか。

「プリウス」ブランドを求める声

大塚明彦氏(写真:大槻 純一)

大:地域性と言うよりも、お客さんの層ですね。現在、北米には「トヨタ」ブランド、それから若者向けの「サイオン」ブランド、高級車の「レクサス」ブランドがありますが、それと並列して「プリウス」ブランドをつくりたい、という声が確かにあるんです。プリウスと名前が付ければやはり印象がよくなるから売りやすい、と。

F:ああ、それは良いアイデアですね。プリウスと名が付けばもう何でも許されそう。環境意識が高くてインテリジェンスも高くて……。イメージが良くなること間違いなしですもの。タンドラ(V8 5,7L。全幅2029mmのトヨタ製フルサイズピックアップトラック)だってプリウスブランドにすればイッキに在庫が捌けるかも(笑)。

大:ただ、そこは十分に注意しないといけません。安易にプリウスを乱発すると、せっかく高めてきたブランドイメージが薄まってしまう恐れがあるからです。きちんとバランスを見ていくべきじゃないかなというのが僕の意見です。

F:なるほど。乱発すれば確かに目先の利益は出るでしょうけれども……。

大:ブランドが薄まってしまったら元も子も無くなってしまうでしょう。

F:仰るとおりです。いやお恥ずかしい……。

大:何でもかんでもプリウスになった瞬間、じゃあ、プリウスって何よ?というふうにブランドのイメージがぼやけてしまう。これはリスクじゃないかなというのが僕の気持ちです。ただ、今はみんなが不況に喘いでいるのでプリウスに頼りたいという気持ちも良く分かります。ですからそこはいろいろと議論していけばいいと思うんです。うまく使えるところは使っていけばいい。

コメント10件コメント/レビュー

開発者の方に新型プリウス試乗していちばん感じたこと フロントガラスの傾斜が大きくて(多分空気抵抗を少なくするためなんでしょうが),目の前にフロントガラスの上端があり,ものすごく圧迫感を感じました. ちなみに私は男ですが,身長が160cmと小柄です.女性ならもっと小柄な方も多くいると思います. 燃費の追求もいいですが,もう少し運転手の広がりも考えて欲しいと思いました.(2009/11/28)

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「「トヨタ」じゃなくて「プリウス」ブランドを作っちゃえば?」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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開発者の方に新型プリウス試乗していちばん感じたこと フロントガラスの傾斜が大きくて(多分空気抵抗を少なくするためなんでしょうが),目の前にフロントガラスの上端があり,ものすごく圧迫感を感じました. ちなみに私は男ですが,身長が160cmと小柄です.女性ならもっと小柄な方も多くいると思います. 燃費の追求もいいですが,もう少し運転手の広がりも考えて欲しいと思いました.(2009/11/28)

GT-Rをネタにしないと盛り上がらない人ですね。若い層に車がなぜ売れないか?携帯には毎月数千円~払い続けるのに、車にはなぜ払わないか?おじさん達の頭の中の世界で考えている限りは答えは出ません。(2009/11/24)

クルマが売れない理由はさまざまな原因が複合的に組み合わさっており、一概に言えるものではないと思いますが、他の方が触れていない要因を述べてみたいと思います。 私が要因の一つとして思い浮かべるのは、広義のエコロジー意識の高まり、ではないかと思います。私は、内燃機関を使って、油を燃やしながら走る、といった行為に対して一種の嫌悪感・罪悪感・忌避感といったものをどうしても最近感じてしまうのです。外が気温40度にもなろうというのにエアコンをつけながらクルマに乗っているときの心地悪さといえば言葉になりません(渋滞時はなおさら)。この感覚は、意識的、無意識的にしろ、ある程度先端的な感覚をもつ現代人には共有されている感覚ではないかと考えています。その気持ち悪さから逃れる免罪符として昨今のエコカーブームが発生しているのではないかと思料します。ただし、エコカーに乗っても、油を燃やしていることには変わらないので、このトレンドの先にはクルマに乗ることを放棄するという選択肢を消費者が選択するという可能性を暗示しているのかもしれません。(メーカーは早く長距離走行可能な実用的な電気自動車を安価で開発するべきでしょう) (2009/11/23)

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