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「運命の相手」は間違いなく存在する

31歳独身“婚活中”女性記者、作家に結婚指南を受ける

  • 外薗 祐理子

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2009年12月16日(水)

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 デビュー作『一瞬の光』(角川書店、2000年)以来、「この世界の成り立ち」についてのストイックな思索を、エンターテインメント性に富んだストーリー展開の中に巧みに織り交ぜる作風で支持を集める小説家の白石一文氏。長編『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』(講談社、2009年)で第22回山本周五郎賞を受賞後の第一作として、新作『ほかならぬ人へ』(祥伝社)を上梓した。

ほかならぬ人へ』(白石一文著、祥伝社)

「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」(「ほかならぬ人へ」より)

 この作品のテーマはずばり「自分にとっての真実の相手は一体、どこにいるのか」。
 …となると、気にせずにはいられない31歳独身“婚活中”女性記者、どうやったらその証拠を見つけられるのか、白石氏からじっくりと指南を受けてきた。

 インタビューは「運命の相手」の見つけ方から、晩婚化の問題点、結婚制度の矛盾、少子化の真の原因、人生における本当の成功にまで及んだ。目からウロコの「恋愛と結婚と出産の真相」、結婚している人もそうでない人も、ぜひご堪能ください。

(聞き手: 日経ビジネスアソシエ編集部 外薗祐理子)

―― 白石さんの小説は非常に思索的なのが特徴の一つだと思いますが、今回、作風が少し変わったような気がしました。表題作も、併載の「かけがえのない人へ」もそうですが、描写が多くて、説明が少ないですよね。そこがむしろリアリティを感じさせました。

白石一文氏
1958年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「諸君!」「月刊文藝春秋」などの編集を経て、退社。2000年『一瞬の光』(角川書店)で作家デビュー。著書に『僕のなかの壊れていない部分』(光文社)、『どれくらいの愛情』(文藝春秋)『この世の全部を敵に回して』(小学館)など。『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』(講談社)で第22回山本周五郎賞受賞。 (写真:いずもと けい、以下同)

白石 男性を対象にして、僕は小説を書いてきました。自分が男なので、男女関係を女性視点から書いても、本物のリアリティは持たせられないと考えているからです。主人公が女性の小説もありますが、あくまでも男の目から見た女の人です。その女性と関わりを持つ男性の方は、僕自身が男性ですから、少しはリアルに描けるのです。その意味で、僕のすべての小説は男性仕様だと言っても過言ではないでしょう。「男の人が読んでくれたらいいなあ」と思いながら書いています。そういう小説しか書けないのです。

 けれど、今回の小説だけは女の人が読んだ方がいいなと思いました。ゲラ刷りを読んだときに「書いた僕よりも、読んでくれる女の人の方がよく理解できるのではないか」と思いました。

 もっとも、書いている時には気づきませんでした。この2作は、ある意味、当てずっぽうのような感じで書いているんです。

 これまでのように「男性と女性の恋愛ってこんなものだ」と決めて書いてきたのとは違い、今回は書いている僕自身が、書き上がった時に「こういうものを書いた」というはっきりとした手ごたえを感じられたわけではありませんでした。むしろ、地図も目印もない中でほっつき歩いて小説を書いていたら、知らないうちに「現実ってこうじゃないかな」という一つの場所にたどり着けたように感じました。あくまでも男性の目線を外すことはできませんが、女の人が読めばもっとリアルに受け止められるような気がしています。

 事実、女性に評判がいいようですね。以前から僕の小説のファンだった方々には少し物足りないかもしれません。もうちょっとねちねち書いてくれたらいいのに、って(苦笑)。

「運命の相手はいない」と考える方がラク

―― 「ほかならぬ人」も「かけがえのない人」も、自分にとって唯一無二の存在という意味だと思います。そういう運命の相手は、本当に存在するのでしょうか。

白石 間違いなく存在すると思います。けれど、「そんな幻想は持たないようにしよう」と多くの人が考えている。なぜなら、そういう人がいないと考えた方がラクだからです。

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