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57. 目的があるときは、文学など読むな。

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2009年12月16日(水)

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 日直のチノボーシカです。

童貞放浪記』小谷野敦 著、幻冬舎文庫、600円(税込)

 ここ数回、小谷野敦の『ミゼラブル・ハイスクール一九七八』(『童貞放浪記』所収)と宇野常寛×更科修一郎『サブカルチャー最終審判 批評のジェノサイズ』を取り上げて、文化の「受け手」のありようについて書いてきた。私の身の丈で書いたので、作者・著者たち考えをサイズダウンしてしまったのは彼らには申しわけない。

 『批評のジェノサイズ』には宇野・更科両氏のあとがきがある。更科さんのあとがきから引用させていただきたい。

 タコツボの中では、それ〔タコツボ間の見栄の張り合い、タコツボ内の足の引っ張り合い〕を「パワーゲーム」と呼んで楽しんでいる者も多いが、内実は自己肯定のためにタコツボを利用し、啓蒙と恫喝を繰り返しているだけだ。

批評のジェノサイズ サブカルチャー最終審判』宇野常寛 更科修一郎 著、サイゾー、1575円(税込)

メディアや業界はライターに、〈販促ツールとしての評論、批評〉を書かせようとする。もちろん〈販促ツールとしての評論、批評〉とは批評というより提灯記事もしくは「コメント」である。しかしそれは更科さんが指摘するとおり、〈読者にしてみれば、自己肯定の理論武装ツール〉、〈成長しないための適応ツールでしかない〉。「それを好きな自分」を承認してくれる言葉、「そのままのあなたでいいのですよ」と言ってくれる言葉だ。

 日常会話から出版・放送・ウェブまで、世界には、いまの自分を承認してくれる言葉と、いまの自分を承認してくれない言葉がある。

 読者(文化の受け手)である私は、いまの自分を承認してくれる言葉に縋りついてしまう。悲しいけれどそれは人情だし、それが一概に悪いとは言えない。

 また私たち読者は、いまの自分を承認してくれない言葉に無条件に(あるときは脊髄反射的に、またあるときは冷笑的に)反発してしまうことがある。この人情から完全に卒業することは、たやすい話ではない。ほとんど生物学的水準で、人間の性質に適った行動だからだ。

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