• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ありきたりの希望では救われない。そんなときはマルサスを読んで「絶望」せよ。

『人口論』トマス・ロバート・マルサス著

2010年1月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

18世紀末のことだ。

産業革命はとどまるところを知らずに拡大進展し、フランスでは政治革命まで起こった。
人間も社会も何もかも、どんどん改良されていく。

きっと将来、「理性」の力で万人の幸福が実現されるだろう。
誰もがそう夢を見た。人々の視線はまっすぐ前方に、いや、斜め上方に向けられている。

そんな時代に、トマス・ロバート・マルサスは、「人間は、理性の力ではどうにもできない不幸な宿命を背負っている」と主張する本を書いた。

彼はイギリスの経済学者にして聖職者。1798年に出版されたその本は、『人口論』である。

マルサスの「ふたつの公準」

マルサスは、『人口論』の冒頭に、ふたつの公準を置く。
「公準」とは、「証明はできないけれど、話の前提とさせてもらう事柄」だ。

ふたつの公準

(1)人間の生存には食糧が必要
(2)性欲は今後も変わらない

これが議論のスタートラインだ。

食糧に余裕があれば、人口は増える。
人口が増えれば、その分、よけいに食糧が必要になる。

だから、人口の増え方と食糧の増え方、両者のスピードに注意しよう。

食糧が、人口を上回るスピードで増えるなら、何も問題はない。
しかし、人口が食糧以上のスピードで増えるとしたら?
いつか、必ず飢えるときが来る。

人口は等比数列、食糧は等差数列

マルサスは、人口増加のスピードと食糧増産のスピードを比べてみる。

人口は、等比数列的に増える。
対して食糧は、等差数列的に増える。

人口が1、2、4、8、16……と、倍々ゲームで増えていくとすると、食糧は1、2、3、4、5……と、コツコツ積み重ねていくようにしか増えないのだ。

たとえば、人口10万人の島があり、25年後に人口が2倍の20万人に増えるとする。今から50年後には、人口は4倍、40万人になっているだろう。

しかし食糧の生産量は、そこまで急速には増えてくれない。
25年後に2倍に増えているとしても、50年後には、今の3倍、30万人分しか生産できない。10万人が飢えてしまう!

「人口と食糧の増え方のスピードの違い」は、大ざっぱに言うとそんな感じだ。

不幸によって人口が調整される

どんなにがんばっても、食糧を増やすスピードには限界がある。
ならば、調整しなければならないのは、人口増加のスピードの方だ。

いや、「しなければならない」というのではなく、現実に調整されているとマルサスは言う。

コメント7件コメント/レビュー

「家族を食べさせられないから結婚しない」と考える人が増えて、子どもが生まれなくなる。新たに産まないことでなされる人口調節を「予防的制限」とマルサスは呼ぶ。絶望の沈黙とともに、人間は、自分たちの人数を食糧に見合った程度にまで減らすのである。というのが、現在の日本ということなのでしょうね。(2010/01/15)

「生きるための古典 ~No classics, No life!」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「家族を食べさせられないから結婚しない」と考える人が増えて、子どもが生まれなくなる。新たに産まないことでなされる人口調節を「予防的制限」とマルサスは呼ぶ。絶望の沈黙とともに、人間は、自分たちの人数を食糧に見合った程度にまで減らすのである。というのが、現在の日本ということなのでしょうね。(2010/01/15)

何時も楽しく拝読させて頂いております。マルサスの人口論は確かに暗いですが、誰の著かは忘れましたが戦争により人口の調整は可能であるという、ある意味肯定をしている論文と合わせて読んだおり、大変しっくりくるものがありました。日本は人口を作為的に削減する事に成功しておりますが、人口削減に効果的な方法は、古来宜しく生産体である母体をいじめ抜く事であったという結論は個人的に残念だと思っています。希望も絶望も心から湧き出るものであり、食料生産量と人口が釣り合う迄人口を削減するのが絶望とみるか存続をかけた希望とみるかは、その場にならないと解らない事なのかもしれません。次の書も楽しみにしています。(2010/01/15)

>人口は等比数列、食糧は等差数列<有名だが、仮説と言うのもむなしい。証明できないもの。単なる妄想。マルサスの人口論は、科学ではなく、本人が聖職者であることにより、キリスト教の終末論に影響を受けた、いわば宗教書である。最近のIPCCの温暖化終末論も、同様のキリスト教系のカルト終末論の一亜種に過ぎない。ヨーロッパ由来のカルトである。アメリカが反対するのは、アメリカのプロテスタントは別のカルトであり、中国も中国共産党教とは相容れないからである。日本人は非宗教的なので、すぐにカルトにだまされるのである。(2010/01/13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長