今回は長期予報をしてみましょう。これから5年くらい先の未来を予測するならば、デジタル・エンタテインメント市場を読み解くキーワードは「感情の共有」になるでしょう。
「感情の共有」と書くと、「そんなのできるの?」と感じるかもしれませんが、いやいや、かんたんなことです。たとえば、ひとりでテレビ番組を見ていても、そんなに面白いと感じないことがあります。しかし、同じ番組を家族みんなで見ていて、それを見ながら会話をしていると、それなりに楽しかったりしますよね?
ライブ会場などで、大勢と一緒に音楽を聴いていると、ひとりで音楽を聴いているときよりも、まったく違うところが刺激されて、わくわくしたりしますよね?
宴会の席などで、みんなで一緒にいるとき、たわいもない会話がものすごく面白かったりしますよね?
これって「みんなが一緒に、同じ感情を共有している」からこそ、なんか楽しくなっているのだと考えると、わかりやすいでしょう。人間って、同じような感情を持つ人がまわりにいて、一体感を感じると、なんか楽しく感じる生き物なんですね。
ニコニコ動画とTwitterの魅力
これが、デジタル・エンタテインメントの世界でも、再現されるようになります。
すでに、わかりやすい形で提示しているものもあります。日本最大の動画再生サイトとなった「ニコニコ動画」ですね。動画を見るだけでなく、みんなが動画にコメントを書き込めるところが最大のポイント。各自が感想を書き込むことによって、なんだか感情を共有できる(あるいは、共有したような気分になれる)んですよね。ひとりで動画を見るのとは、あきらかに面白さの質が変わります。
昨今、流行しつつあるTwitterも、ある意味では同じこと。みんなが、身の回りのできごとに動かされた気持ちをそっと「つぶやき」、それがどんどん広がっていくサービス。理路整然とした文章ではなく、その場の感情から発生した「つぶやき」が広がっていく。多くの人と感情を共有できるところに、このサービスの面白さの一因があったりします。
そして今後、テレビゲームも、こういったエンタテインメントの形を提示するようになるでしょう。
みんなで感情を共有する。一緒にゲラゲラ笑ったり、真剣に没頭したり、ときには怒ったり、悔しがったりする。そういった「感情の揺れ」を、ともに共有できるようにしていくのですね。すでに、そういったゲームが多くの人の支持を集めはじめているという現実があるのです。
「酒はひとりで飲むものだ」?
たとえば、すでに、2009年の国内ゲームソフトのランキングを見ると、「みんなで遊べるゲーム」が、上位をほぼ独占しました。「みんなで遊ぶゲーム」がゲームビジネスの主役に躍り出たのは、疑いようのない事実です。
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