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国民皆保険制度は堅持すべき?

  • 木村 憲洋

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2010年3月9日(火)

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 日本の医療は、世界一といわれます。健康寿命と乳児死亡率は世界で最も優秀な数字を誇り、死亡者数で見る限り、新型インフルエンザ対策でも優れた結果を残しました。この日本の医療を支える象徴的な仕組みが、「国民皆保険制度」と「フリーアクセス(患者が自由に医療機関を選んで受診できること)」です。今回は、そのうち「国民皆保険制度」について皆さんと考えていきたいと思います。

 国民皆保険とは、原則として国民全員が何かしらの公的な医療保険に加入していることです。その最大の特徴は、「誰もが、必要なときに必要な医療を受けられる」ことです。先進国では国民の大半が公的保険でカバーされているのが一般的ですが、中には、米国のように民間保険が中心の国もあります(表1)。

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公的保険の拡充を目指す米国

 米国の公的保険はメディケア(高齢・障害者向け)とメディケイド(低所得者向け)だけです。民間保険は当然任意加入ですし、所得の低さなどから加入を断られる人も少なからずいるため、無保険者が15%程度おり大きな社会問題となっています。無保険者は、全額自己負担で医療サービスを受けねばならず、その経済的な負担を理由に受診を断念せざるを得ない人も多いといわれます。マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」は、米国医療のそうした負の一面を描いた作品として知られています。機会があれば、一度ご覧ください。

 現在、米国ではオバマ大統領がヘルスケア改革法案の成立を目指していますが、その狙いは、弱者保護を目的とした公的保険の拡充です。つまり、日本と対極にある医療保険制度を持つ米国が、そのシステムを日本寄りにシフトしようとしているのです。

 一方、日本ではここ数年、国民皆保険制度を脅かすような議論が度々浮上しています。混合診療の拡大を巡る議論は、その一例といえるでしょう。そして、そうした動きの背景には、医療費の増大による国家財政の逼迫があります。

国民皆保険制度の長所と短所

 皆保険制度を論じる前に、まずは日本の医療保険制度を簡単におさらいしておきましょう。日本の国民は、サラリーマンを中心とした健康保険組合、自営業者などを中心とした国民健康保険、中小企業の従業員向けの協会けんぽなど、いずれかの保険に加入しなければなりません。これらのいずれかの保険に加入して保険料を払い、医療機関において定められた窓口負担を支払えば、保険診療を受けられます。

 先でも触れたように、皆保険制度の最大の長所は、「誰もが、必要なときに必要な医療を受けられる」という安心感と平等性です。保険者は複数ありますが、給付内容はほぼ同じですので、受けられる医療サービスが経済力に左右されることは制度上ありません。ちなみに、日本の1人当たり外来受診回数は主要先進国で第1位です(表2)。その背景に、皆保険制度とフリーアクセスがあることは間違いないでしょう。

3月15日をもって投票の受付は締め切りました。ご協力ありがとうございました


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