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「早稲田三田会」ってあると思う? 『慶應三田会』
~宗教学者が見いだした、慶應の「本能」とは?

  • 古川 琢也

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2010年3月10日(水)

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慶應三田会 組織とその全貌』 島田裕巳著、三修社、1800円(税抜き)

 日本人は学歴の話が大好きだ。だから『早稲田と慶應』などの大学を研究テーマとした本、あるいは『東大脳の作り方』など、タイトルにブランド力のある大学名を冠した本は、巷にも多い。

 ところが、大学の同窓会についてのもの、となるとこれまでほとんど無かった。本書は宗教学者の島田裕巳氏が、慶應義塾大学の同窓会「三田会」について論じたものだが、評者が本書を最初に手に取った時、まず、このテーマに着目したのが教育学とは縁遠い島田氏だったこと、また稲門会(早大)でも如水会(一橋大)でもなく、敢えて三田会を研究対象としていることに興味を覚えた。島田氏本人の出身校は東大で、長く勤務していた先は日本女子大。知られている限り、慶應との接点はほとんど無いはずだからだ。

 そして評者もまた、慶應との縁があまりない者の一人であり、これまで慶應といえば、ステレオタイプなイメージとしての「慶應ボーイ」とか、「最近は早稲田より就職に強い」程度のものだった。だが本書を読み、初めて三田会を通じこの大学を見たことで、慶應を慶應たらしめる所以のようなものがようやく見えてきたのである。

日本最強の同窓会

 本書によれば慶應大学の卒業生は、本書が出版された2008年時点で29万人以上。彼らは卒業後もお互いを「塾員」と呼び、就職先の企業、団体、あるいは住む場所単位で様々な三田会に入る(作る)。こうした各グループの連合体たる「連合三田会」は約870(以下、いずれも本書出版時点)もの団体から成っており、それ以外にも、大学側が公式に把握していない「三田会」が数百はあると言われる。

 同期だけで集まる「年度三田会」は「1933年三田会」が最古で、ここの会員が存命なら100歳近い。また住むエリアごとに集まる「地域三田会」は全国で291あり、東京23区内での空白地帯は、中野と葛飾だけだという。

 こうしたネットワークは世界各地に広がり、最大の大所帯「ニューヨーク三田会」は530人が参加。以下、「韓国三田会」(405人)、「英国三田会」(300人)、台湾(272人)、上海(250人)、バンコク(190人)と続き、南米各国や南アフリカにも十数人規模の三田会が存在するなど、日本のビジネスマンが赴任する先には必ず三田会がある、と言ってもよさそうだ。

 当然会社別にも多くの三田会があり、三田会が発足済みの企業は大手を中心に259社。三井物産、三菱東京UFJ銀行などの会員は1000人を超える。これらとは別に業種別の三田会も存在するが、「不動産三田会」(453名)、「ホテル三田会」(450名)などの伝統業種から「ベンチャー三田会」(21人)まで幅は広い。官界に強いイメージはあまりない慶大生だが、「霞ヶ関三田会」にも502人いるようだ。人数的には「公認会計士三田会」が3176人、「三田法曹界」が1801人と突出している。

 人数の点では稲門会も三田会に引けを取らないようだが、著者は両者の活動状況を比較し、活動の活発さもさることながら、実際のビジネスの場で受けられる恩恵に、かなりの差があると述べる。

 分かりやすいのは両者の法曹会の例で、「三田法曹会」は慶應の法科大学院の設立母体となっているのに対し、早大は多数の法曹関係者を送り出しているにも関わらず、「稲門法曹会」と早大法科大学院との間に緊密な関係は見られないと言う。慶應では古くから学内の「塾員センター」が卒業生の動向を管理し、大学が率先して同好会の活動を推奨してきた一方、早稲田出身者は良くも悪くも個人志向が強く、同窓会活動そのものに意欲を持てないようなのである。

 可笑しいことに、塾員は早稲田大学にも「早稲田三田会」(慶應卒の早大職員らの会)を作っているという。両者の同窓会に向かう情熱の差を、著者は〈慶應は、同窓会作りに熱心で、どういう領域であろうと、同じ慶應の出身者が在籍しているところでは、とにかく三田会を作ろうとする。それは慶應出身者の本能であるように思える。早稲田出身者には、そうした本能が欠けている〉と評する。

コメント4件コメント/レビュー

大学受験時、本命受かって、早慶蹴れて、正直、ほっとしました。華やかなキャンパスライフは無かったですが、研究は存分に楽しめました。今でも行かないで良かったと思ってます。(2010/03/10)

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いただいたコメント

大学受験時、本命受かって、早慶蹴れて、正直、ほっとしました。華やかなキャンパスライフは無かったですが、研究は存分に楽しめました。今でも行かないで良かったと思ってます。(2010/03/10)

とても面白い記事でした。血液型関連の雑誌と同じようなものとして見れば楽しいです。三田や稲門はキャパが大きいので記事のような光景はよく観察できました。民間では赤門や蔵前などはマニアックに見られる場合がありますので、”つるむ”機会も限られそうですし、キャパの大きい存在からは疎んじられることもありそうです。地方の無名に近い同窓会員の社長は、有名な同窓会組織員の前では影が薄くなりそうですが、頑張れ!?(2010/03/10)

○○省に入るには○○中学から○○高校にいって、東大○○部に入って、なんてコースも調べればありそうですがね。(2010/03/10)

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