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68. 「チリの大地震よりも自宅の停電」に感じられる、困った事情。

  • 千野 帽子

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2010年3月17日(水)

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 日直のボウシータです。あったかくなったり、また寒くなったり、忙しいですね。

 この連載では小説の話をよくしているが、さて小説を読んでいるとき、私たちはつい物語の内容(筋や題材、つまり「なにを書いているのか」)に気を惹かれているつもりになっている。しかしじっさいに小説が私たちを感動させるのは、筋以外の部分(どう書いているのか)だったりする。だから小説の要約を読んでも小説を読んだことにはならない、ということはよく言われる。私も言う。

1Q84』BOOK 1、村上春樹 著、新潮社、1890円(税込)

(が、正直言うと「要約を読んだら小説をちょっとくらいは読んだことになる」のも事実だ。個人的には、本屋で背表紙のタイトルを見ただけでも、ちょっとくらいは読んだことになると思う。いや、「こんど『1Q84』の「BOOK 3」出るんだよね」と未読の本の噂話をしただけでも、この文章を書いている時点でまだ出ていない第3巻をちょっと読んだ気がしてしまう。しかしこれはまたべつの話)

 これは娯楽性を要求される物語ならなんにでも言える。小説は原則として言葉だけでできているから要約で済むような錯覚が起きてしまうが、映画や漫画で考えればもっとわかりやすい。ストーリーを要約してもらっても、画像(や音)は体験していないのだ。

 同じく、古典落語の筋を知っていても、高座の芸はやっぱり楽しめる。落語が話の伝達内容(伝達理論で言うところの「メッセージ」)と芸(実演者の身体と声によるパフォーマンス)で成り立っているからだ。芸は実演の手触りそれ自体に存在しているから、内容と違って要約できない。

 「人志松本の○○な話」(フジテレビ)での芸人たちの「話」も、内容と芸でできあがっている。だからオンエアを観ていなかった人に、放映翌日にそのおもしろさを伝えようとして、ある程度は伝わるんだけど、

「ああゴメン、俺が話したんじゃケンドーコバヤシのおもしろさが伝わらないよ…」

「確かになあ、それケンコバがあの口調で喋ったかと思うと相当おもしろいな」

「とにかくニコニコ動画とかに上がってたら削除される前に観とけ。必見だから」

みたいなことになって、話すほうも聴くほうももどかしい。内容(what)は伝えられても、芸(how)は伝えられないのだ。

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