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「見続けるかどうか、第1回で決められるようにして欲しい」のが、今のお客さん

「CANAAN」安藤真裕監督・1

  • 渡辺由美子

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2010年3月26日(金)

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 不況が続く中、アニメ市場も厳しい状況にあります。TVアニメーション放映本数の減少、DVD・ブルーレイのセールスも、一部作品を除くと頭打ちになっているという。

 しかし市場が冷え込んでいる中でも、アニメーション作品のほとんどは、そのクオリティを落としてはいません。むしろ本数を減らしたことでリソースを集中し、勝負しているようにも感じます。

 特に目を引いたのが「CANAAN」でした。全13話、アニメーションのシリーズとしては短い部類に入りますが、上海を舞台に非常に密度の濃い映像美を見せていました。

 市場全体が厳しく、ユーザーの反響も期待しにくい。そのような中で、現場のモチベーションを維持し、いかに収益につなげるかを、マネジメントを行う監督におうかがいしたいと思います。

●作品について●

「CANAAN」は平成21年度(第13回)文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門・長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)に選ばれたテレビアニメ。ゲームソフト「428 ~封鎖された渋谷で~」(チュンソフト)のボーナスストーリーから生まれた。Blu-ray Disc & DVD 全6巻 発売中(公式サイトはこちら)から。

(C)CHUNSOFT/Project CANAAN

安藤 今、お客さんにアニメーションを見てもらうのって難しいんです。

 僕はテレビシリーズの監督は初めてだったので、やってみるまで分からなかったんですけど、ああ、なるほど今の時代の娯楽のあり方はそういうものなのかと、新鮮に驚いたことがあって。

 今の若いお客さんは、僕らの頃とは、娯楽の受け取り方が違うんですね。

―― と、言いますと。

安藤 今は、たくさんの娯楽があるでしょう。

安藤 真裕(あんどう・まさひろ)
北海道出身。高校を卒業後、アニメ制作会社に入社しアニメーターとして「エースをねらえ! 2」や「おにいさまへ…」などに参加。その後フリーとなり、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」や「新世紀エヴァンゲリオン劇場版」「COWBOY BEBOP 天国の扉」などに参加。「鋼の錬金術師」の演出などを経て2007年9月に公開された劇場用作品「ストレンヂア -無皇刃譚-」で初監督。「CANAAN」は初のTVシリーズ監督作品となる。

 僕が子どもの頃は、娯楽というのはシンプルなものでしたね。時代としてはファミコンが出る少し前で、小学生のときに『インベーダー』があったかなという。せいぜいスポーツか漫画かアニメか、限られていたんですけど。

 今の若い人は、たくさんの娯楽にかこまれている。だから、「枠」が決まっているんですね、見る枠が。「この夏は、自分のスケジュール的には3本ぐらいしかアニメが見れないです、忙しいので」って(笑)。

 「取りあえず最初の第1話は見る。その中で、これとこれとこれは興味があるから続けて見ることにするけど、他はちょっともう時間がないので見れません」というふうに。

―― どこも娯楽の供給競争で、しかもジャンルを超えた競争相手が現れて、「ユーザーの時間の取り合い」になっていますね。

まず「こういう物語です」と教えて!

安藤 だから、このアニメを見続けるかどうか、最初に受けた印象で決めるんですね。
 一刻も早く判断したいということで、最初にある程度、「答え」を提示して欲しい、という人もいたりして。

―― 答え?

安藤 最初に「このアニメはこういう物語です」というのを、言葉とかいろいろなものできちっと提示して欲しいという。提供側がこれはこういうお話ですよというのを先に見せて、そうか、じゃあこれを続けて見ることにしようか、という。

―― なるほど、「最初は鬱展開もありますが、ハッピーエンドになるから心配しないで見てね」と、第1回で教えてくれないかな、と。

安藤 「答え」をくれないとついていけない、という意見もあったりする。

 ああ、今のお客さんはそういう風に考えているんだと。それは、僕の子どもの頃とは違うから、少し寂しい気がするけれども、すごく新鮮な発見でした。

―― お客さんの、そういったクールな割り切りに対して、どのように届けようと思いましたか。

安藤 今の人には何を送れば響くのか。これだけ娯楽が山のようにあると難しい。僕自身は監督としては2作目なので、手探りでやっている部分があるんですけど。

 ひとつは、フィルムを過剰にしたいなと思ったんです。

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