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走りながら驚いた、電気自動車ってちゃんとおもしろい!

第35回:三菱 i-MiEV【試乗編】

2010年3月25日(木)

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 今回お届けするのは三菱自動車が昨年6月4日に量産製造を開始した電気自動車、i-MiEV。ハイブリッドでもプラグインハイブリッドでもない。正真正銘、充電した電気だけで走る完全なEV(Electric Vehicle)です。スポーツカーの次は究極のエコカー、とこれまた右に左に振れ幅の大きい当欄ではございますが、私の基本姿勢は「乗りたいクルマに片端から乗る」でありますので、平にご容赦下さいませ。

 「三菱のクルマに乗るなら、ランエボかパジェロだろう」という声も聞こえてきそうです。おっしゃる通り。WRC(世界ラリー選手権)の覇者であったランサーや、ダカール・ラリーの王者パジェロを取り上げるべきなのかも知れません。

 ランエボは私が首都高でトバしているときでも、後ろにその顔が迫り来れば素直に道を譲る“イヤなヤツ”であります故、敵情視察の面からしても是非じっくりと乗っておきたいクルマ。またパジェロは一時の勢いこそないものの、RVブームの立て役者として「日本の自動車ヒエラルキーを打ち崩した歴史的なクルマ」と個人的には見ていますから、こちらも非常に興味がある。過去にはいろいろと問題も有りましたが(もう10年も前のことです。嗚呼光陰矢の如し)、凄いクルマを作っているのですよ、三菱自動車は。ランエボ、パジェロには大いに未練がある。

 しかしi-MiEVは現在我々が乗ることの出来る“唯一”といってもいい市販の電気自動車です。プリウスを試乗したときに味わった、あのモーターだけで走り出す不思議な“浮遊感”。あれがずっと続いたら、一体どんな感覚になるのか。キモチ良いのか悪いのか、これは是非とも味わっておきたい。しかも“日帰り”が原則だったi-MiEVの試乗も、最近はゆるやかになり、カーセンサー藤野氏の尽力もあって連休を挟んで何と6日間も貸して下さると言う。これに乗らないテは無い、ということで今回はウワサの電気自動車“i-MiEV”の試乗レポートであります。

*   *   *

 田町駅近くの三菱自動車の本社が入居する第一田町ビル。1階はショールームになっており、磨き上げられた最新のクルマが並べられている。正面向かって右側にはスターバックスがあり、カウンターに腰掛けると、コーヒーを飲みながらクルマを眺められるようになっている。私と担当編集Y氏はここで待ち合わせをした。

「Yさん、今日は楽しみだね。試乗の前はいつもワクワクするんだけど、今回は特別。何たって電気自動車で街を走れるんだから。ああ待ちきれないや。さあさあ、早く上に上がってキーをもらって来ましょう」
「ヤマグチさん。その前にちょっとお伝えしなければならないことがありまして……」
「何ですか改まって。まさか連載が打ち切りになるとか? ははは」
「ヤマグチさんはどうしようも無い人だけど、連載だけは人気がありますから、それはないんじゃないかなあ」
「嫌な言い方をするね。でも半分はYさんのお陰じゃないの。タイトルの付け方もそうだし(毎回タイトルはY氏が付けている)最近は文末の“屋上会議室”への導入部分の【論題】も人気だもんね。頼りにしてまっせぇ」
「……実は私……異動になりまして……」

春はお別れの季節です

「……なに……? 何だって?」
「4月1日付けでカミ(雑誌媒体)の方へ移ります。長い間お世話になりました」
「ちょ、ちょっと待ってよ。急にそんなこと言われても……」
「私も急に言われたんです。でも大丈夫です。担当を交代してこのまま続行させますから」
「そういう問題じゃ無いだろう。この連載は、俺たち(カーセンサー編集部の藤野氏を加えた)三人がタッグを組んでいるからこそ成り立つ物じゃないのかよ」
「私だってそう思ってます。だからヤマグチさんがそんなふうに言って下さるのは有り難いのですが、辞令なんです。ヤマグチさんだって一応勤め人なんだから分かるでしょ?」
「……しかし……」
「さあ行きましょう。広報の方をあまりお待たせしては申し訳ない」

 Y氏はボサっとしたように見えるが、実は相当な実力者だ。オンラインでの活躍が評価されて、異動が決定したという。私と藤野氏はかなりガックリ来ているし、Y氏ファンの読者も残念に思われる方が多いと思う。せっかく盛り上がってきた連載を途中棄権せざるを得ないY氏の心中は察するに余りあるが、嘆いてばかりもいられない。この連載をより一層盛り上げ、面白くしていくことこそがY氏の遺志に報いることになるのだと思う。て言うかまだ死んでないし。

画像のクリックで拡大表示

 ビルの5階に上がって来意を告げる。広報部の方にご挨拶をして、一緒に地下の駐車場に降りる。ずらりとi-MiEVが並ぶ姿はなかなか壮観だ。ここで簡単な説明を受ける。給油口に代わる「給電口」はここ、家で電源に繋ぐ際のコードはこれ、スタートはここを捻ってこうです。いや実に簡単。電気自動車だからと言って特別なところは一つもない。

えっと、これでもう走れるんですか?

 それじゃ早速、とクルマに乗り込み、教わった通りにスタートノブを回す。メーターパネルのインジケーターが点灯し、電源が正常に入ったことを知らせる電子音がピンポンと響く。同時に後方からCDをデッキに出し入れするような「ウィーン」という作動音が聞こえ、すぐに止んだ。ブレーキを踏み普通のクルマと何ら変わらないデザインのシフトノブをDレンジに入れる。まだ何も変化はない。少し不安になり外に立つ広報の前城さんに聞いてみた。

「あの、これで良いんでしょうか。このまま走れますか?」

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「走りながら驚いた、電気自動車ってちゃんとおもしろい!」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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