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若手に計算外のモチベーションを生む大きな要素は、もしかしたら「欠乏」

「CANAAN」安藤真裕監督・3

  • 渡辺由美子

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2010年4月9日(金)

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 クールなユーザーに、「過剰な」フィルムで熱を届けたいと語る安藤監督。熱は、スタッフそれぞれの個性という「不確定要素」を受け入れる余地を作ることで生まれるということでした。

 それならば、個々人のエネルギーは、不確定要素を入れ込む「場づくり」をすることでこそ、高められるのではないか?

 スムーズには回るけれど、「こなし仕事」だけをするようなクールな職場にしないために、「計算外を計算づくで」作っていくことはできないか。個々人のエネルギーは、どのような環境にしたら高められるのか。最終回は、「計算外の環境作り」についておうかがいします。

―― 「CANAAN」のアニメーションを制作したピーエーワークスですが、今お邪魔しているのは東京の支社で、本拠地は富山にあるのでしたよね。ということは、スタッフは富山にいるんですか?

●作品について●

「CANAAN」は平成21年度(第13回)文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門・長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)に選ばれたテレビアニメ。ゲームソフト「428 ~封鎖された渋谷で~」(チュンソフト)のボーナスストーリーから生まれた。Blu-ray Disc & DVD 全6巻 発売中(公式サイトはこちら)から。

(C)CHUNSOFT/Project CANAAN

若手スタッフ、富山で働く

安藤 そうですね。音楽や声といった音響関係と美術、撮影を除くと、絵のセクションである作画スタッフのほとんどと仕上げ(彩色)は富山にいます。

 「CANAAN」制作時、ピーエーワークス内で東京にいたのは、監督の僕と、演出、作画監督といった作画チーフの人。あとは、各セクションを回って連携を取る「制作」関連の人ぐらいでしょうか。3D班も、「CANAAN」までは東京だったんですけど、もう引っ越して富山に行くんです。

 この辺は、ピーエーワークス社長の堀川憲司さんが、地方で全ての工程をこなせるアニメスタジオを作ろうと頑張っている最中ですね。

―― ということは、今までは、地方でアニメーションの全工程をまかなうことは難しかった。

安藤 デジタル化のおかげで、素材をネット経由でデータとしてやりとりできるようになったことが大きいんでしょうね。堀川社長的には、全てのセクションが富山に行くのが理想なのかな。堀川さんの願いも少しずつ実現しているようで、だんだん富山の方がメインになってきて。そのうち、監督の俺だけが東京に取り残されちゃうんじゃないのかな、と思ったりしてね(笑)。

高速バス6時間で行き来する

―― 実際に絵を描くスタッフのほとんどが東京にいない状態ですね。どのように連携してフィルムを作られたのでしょうか。例えば、富山のスタッフと監督が直に話をすることはあるんですか。

安藤 真裕(あんどう・まさひろ)
北海道出身。高校を卒業後、アニメ制作会社に入社しアニメーターとして「エースをねらえ! 2」や「おにいさまへ…」などに参加。その後フリーとなり、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」や「新世紀エヴァンゲリオン劇場版」「COWBOY BEBOP 天国の扉」などに参加。「鋼の錬金術師」の演出などを経て2007年9月に公開された劇場用作品「ストレンヂア -無皇刃譚-」で初監督。「CANAAN」は初のTVシリーズ監督作品となる。

安藤 もちろん。今も隣の部屋から、スピーカー越しのしゃべり声が聞こえてきていますけど、これはモニターに相手を映してネット経由で富山のスタジオと打ち合わせをしているんですね。

―― 先ほどから聞こえてきていたのは、テレビ電話の声なんですね。

安藤 ええ、ネットミーティングもありますし、僕やチーフスタッフが富山に行くこともあります。
 明日も別作品の演出さんが、富山に行って打ち合わせをしてくるみたいですよ。金、土、日で行って、向こうで1~2泊。そういう感じで定期的に行っています。

―― 交通手段は?

安藤 高速バスでいくんですよ。6~7時間ぐらい乗って。堀川さんがいろんな交通機関を試したところ、値段的にも時間的にも、現状だとバスが一番だということで。バスが苦手なひとには飛行機を使ってもらったり。ただ羽田まで行く時間や、富山の飛行場からスタジオまでの移動を入れると、意外と時間がかかったりするみたいです。

―― ピーエーワークスさんは、創立が2000年の会社ですか。スタッフはお幾つぐらいの方が多いのですか。

安藤 若いですよ。基本は20代の頭から、今は27歳ぐらいまでがメイン。業界に入って一番長い人でもまだ5年ぐらいで、すごく若い現場ですよね。

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