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ニュージーランドのPTAは、「非実在青少年に反対」なんてしない

2010年4月16日(金)

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 これまでニュージーランドの2つのPTAを見てきた。
 PTAに興味があり、活動する余裕と意欲がある人だけが参加し、「やりがい」を実感しながら会をまわすやり方に感銘を受けた。

 時に資金集め活動などでがんばる保護者たち(主にお母さん)を見ると、この手の活動は、やりたい人こそやるべきであり、やりたくない人はやってはいけないのだ、とすら感じるほどだった。なぜって、やりたくない人を無理に束ねてしまったら、活動はどうしても萎縮する。自由闊達で、前向きな意欲よりも、重苦しい義務の方が勝ってしまう。これは、日本で起きていることだと思う。

 「やりたい人こそやるべき」と「やりたくないなら、やってはいけない」という、暗黙裏の原則は、PTAのみならず、この国の教育制度の根幹を支える、学校理事会制度、さらには各種社会活動にまで、貫通しているエートス(慣習)だと感じるようにすらなった。

 その一方で、ニュージーランドのPTAが、日本と同様に「全員参加」というみんなを束ねる方向での規約を持っている場合があることも前回見た。一見、社会的な「傾向」やPTAの実際と矛盾する事実だ。さらにその反面、規約の中に「PTAの廃止条項」などが入っているという面も、日本ではまずあり得ない興味深い事実だった。

ニュージーランドのPTA全国連合組織に取材依頼!

 このようなモザイク状に見える現況をどう理解すべきなのか。日P(日本PTA全国協議会)に相当する全国連合組織、NZPTAのカンタベリー支部に連絡を取ろうと試みた。
 しかし、それが至難を極めた。人と人との距離感が近く、取材のアポ取りがさくさく進むこの国では異常事態。理由は後述するとして、まずは、組織の概要の予習。ウェブサイトから読み取れる情報。

 ニュージーランドには2500の公立校がある。それらの多くにPTAや保護者組織があるらしいのだが(割合は不明)、NZPTAに加盟しているのはせいぜい200ほどだ。セントマーチンズ小学校PTAも、クライスト・ザ・キング小学校のPTAも、それぞれ非加入。ウェブで規約を見つけたアイラム小学校PTAは加入している。

 加入割合が1割を切るような連合組織なので、日Pのように「圧力団体」としての側面は弱く、むしろ、各PTAの支援に力を注いでいる。NZPTAが掲げる標準的な規約のひな形では、アイラム小学校PTA同様、全員を会員と見なしており、「廃止条項」も含まれていた。アイラム小学校PTAは、規約作成時に、これを参照したのかもしれない。ちなみに、「廃止」については、ウェブサイトのFAQ(よくある質問とその回答)のたった5つしかない項目の1つとしてわざわざ掲示されている。「誰がNZPTAに加入できますか」「どのようにすれば学校などで保護者グループ(PTAを含む)を作れますか」「学校理事会や校長がPTAの資金の使い道を指示することはできますか」「PTAと学校理事会の違いは何ですか」といった質問の中に、いきなり「どのようにすれば、保護者グループ(PTAを含む)を廃止できますか」というものが含まれている。

 背景には何があるのだろう、と興味は尽きない。
 それもおいおい考察するとして、組織の形を見ると、日本に比べるといたってシンプルだ。
 和風PTAの場合、個々のPTAから市区町村→都道府県→日Pと3段階を経るのに対して、キウィ流のNZPTAはクライストチャーチ、ブレンハイムといった地域のPTAの緩やかな連合体(ほとんど会合も持つことはない)が、南島連合と北島連合の2つの連合組織のどちらかに配され、それらの役員は年に何度か、合同の会議を持つ。年次総会はあるが、和風のように開催地域の個々のPTAの役員にまで負担がかかるものではない。

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「ニュージーランドのPTAは、「非実在青少年に反対」なんてしない」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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