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鳩山さんもビジネスパーソンもPTA会長も、ニュージーランドの小学校で勉強してください

[最終回]

2010年4月23日(金)

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 半年間のニュージーランド滞在を通じて、体験し、また、取材してきた、学校教育と保護者共同体のあり方について述べてきた。

 何度か注意を喚起してきたけれど、この世に楽園や天国などない。ニュージーランドの教育制度は、目を瞠(みは)るような点がたくさんあるといっても「理想」というわけでもない。社会制度における唯一無二の「理想」などというものが、ぼくにはあるとは思えないし、とりわけ「教育」といった、成果が見えにくいものについては、制度の善し悪しを単純化して語るのは非常に難しい。

 そういった前提で、ぼくも、ぼくの子どもたちも、ニュージーランドの教育の「良さ」を享受したし、また親であるぼくは、学校理事会やPTAを中心とした風通しのよい「学校共同体」(学校の保護者仲間)との交流を通じて、たくさんのことを勉強させてもらった。本当によい滞在だったと思う。

 さて、本連載を続ける中で、しばしば聞かれた問いは、「結局のところ、保護者に任せちゃって学力とか大丈夫なの?」ということだった。

 ぼくとしては、保護者中心の学校理事会がしっかりとガバナンスを行っており、学校が成り立っていること自体十分すごいことだと思っているから、ほとんど気にしていなかったのだが、あまりにそのことを聞かれるので、自分でも気になってきて、調べた。

「ゆるゆる学校」ニュージーランドの学力はいかに

 2006年に行われたOECD(経済開発協力機構)の「生徒の学習到達度調査 (PISA)」で、ニュージーランドの成績はいかほどか。ちなみに、2009年の調査結果はまだ発表されていないので、現時点では2006年が最新だ。

 これが悪くない。
 まず、科学的リテラシー関連の全体成績では、日本に次ぐ第7位。「科学的な疑問を認識すること」の領域では、フィンランドに次ぐ第2位(日本は第8位)、「現象を科学的に説明すること」の領域は日本よりも2つ低い第9位、「科学的証拠を用いること」の領域では第6位(日本は第2位)だった。

画像のクリックで拡大表示

 また、読解力の領域では第5位(日本は第15位)、数学的リテラシーでは、日本に次ぐ第11位だった。ニュージーランドに滞在中、ぼくはこの結果を知らないまま、初等教育では算数は日本の方がだんぜん上、と感じてきたけれど、必ずしもそうではないことが見てとれてびっくりさせられた。

■ 読解力及び数学的リテラシーの平均得点の国際比較

  読解力 得点 数学的リテラシー 得点
1 韓国 556 台湾 549
2 フィンランド 547 フィンランド 548
3 香港 536 香港 547
4 カナダ 527 韓国 547
5 ニュージーランド 521 オランダ 531
6 アイルランド 517 スイス 530
7 オーストラリア 513 カナダ 527
8 リヒテンシュタイン 510 マカオ 525
9 ポーランド 508 リヒテンシュタイン 525
10 スウェーデン 507 日本 523
11 オランダ 507 ニュージーランド 522
12 ベルギー 501 ベルギー 520
13 エストニア 501 オーストラリア 520
14 スイス 499 エストニア 515
15 日本 498 デンマーク 513

※文部科学省「OECD生徒の学習到達度調査~2006年調査国際結果の要約~」から抜粋して引用

コメント9件コメント/レビュー

ニュージーランドの発言力が小さいのは、人口が絶対的に少なすぎるからです。本州+四国ほどもある国土に、横浜市+川崎市 程の人口(約400万人)しか住んでいないことと、基本的にまだ一次産業と観光に多くを頼っている国だからではないでしょうか?あとは、日本で紹介されていないだけで、ニュージーランドは発言力があるという可能性もあります。(2010/04/23)

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「鳩山さんもビジネスパーソンもPTA会長も、ニュージーランドの小学校で勉強してください」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

ニュージーランドの発言力が小さいのは、人口が絶対的に少なすぎるからです。本州+四国ほどもある国土に、横浜市+川崎市 程の人口(約400万人)しか住んでいないことと、基本的にまだ一次産業と観光に多くを頼っている国だからではないでしょうか?あとは、日本で紹介されていないだけで、ニュージーランドは発言力があるという可能性もあります。(2010/04/23)

中学生と小学生の親として、この連載はとても楽しみに拝読していました。若い頃、1年弱ロンドンの郊外に学生として滞在していたことがあって、日本の教育との違いを感じないではいられなかった経験もあり、また、現在まさにPTAの一員として、そのあり方に疑問を持ち続けているからです。全校児童が100人に満たない小規模校で、PTAの役員は、全員が子供の数の年数努めることが決まりで、父子家庭(この父子、というところも?をやや感じます)等を除き、例外はありません。単なる義務と化しているので、委員長等を避けるため、子供の学年の低いうちにやりたがる人ばかりです。PTA活動はボランティアで、やれる人がやればよい、やりたい人しかしてはいけない、また、多様な関わり方を認めるべき、というところを読んで、ああ、ここにはちゃんと判る人がいる、とうれしくなってしまいました。ぜひ多くの日本の保護者にこの記事を読んでもらいたいと思います。(2010/04/23)

労働組合のように数が力という場合、意にあまり沿わない人でも全員参加が必要という場合もあるだろうが、基本はやりたくない自由を認めるべきだと思う。やりたくない人は、いるだけで足をひっぱる。あれもおかしい、これもおかしいと不満を述べる。それよりも、やりたい人が積極的に動ける体制が大切。もちろん、歯止めの意味でのチェック制度が必要だが、やりたい人を増やす取り組み、尊重する取り組みとして、NZの制度はとても興味深かった。連載ありがとうございました。(おやさん)(2010/04/23)

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