「著者に聞く」

自分の思考グセを矯正する方法

イスラエル発の発想法『アニマル・シンキング』共著者ベラ・ブライヘル氏インタビュー

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2010年4月26日(月)

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 時代の変革期、「これまでにない発想」が様々な場面で求められている。これまでも古くはKJ法からマインドマップ、ロジカルシンキングなど、様々な思考法・発想法が人気を呼んできた。

 そんな中、イスラエル発の「アニマル・シンキング」が日本に上陸した。シマウマのつもりで矛盾を受け入れる、コウモリのつもりでさかさまに考える…。

 来日した『アニマル・シンキング』(英冶出版、ベラ・ブライヘル/サリー・バルエル著、桑畑英紀監訳、小河祐子訳、1500円)の共著者であり、発案者の1人であるベラ・ブライヘルさんに、アニマル・シンキングによる発想法について聞いた。

―― 「シマウマのように考える」「コウモリのように考える」などと、「動物になる」ことで幅を広げていく発想法ですね。でもそれだけでなく、教材やノウハウも細かく作りこまれています。なぜこのような発想法を作ることになったのですか?

ブライヘル 私と、事業パートナーのサリー・バルエルは約20年一緒に、様々なベンチャー事業に携わってきました。2人ともMBA(経営学修士)を取得し、ビジネスとマーケティングを学んだ後、イスラエルでビジネスコーチを務めてきました。「特許における“特別”とはどんなことか?」「医療と看護ではどうか?」「株式市場にとっての創造性とは何か?」「絵画において創造性とは何か?」など、様々な角度から創造性について考えるようになりました。どんな分野にでも普遍的に使える発想法があるはず。そんな問題意識でした。

「アニマル・シンキング」について説明するベラ・ブライヘル氏(撮影:陶山 勉)

 だれでも、つい同じ思考パターンで考えてしまう「思考グセ」があります。我々はこれをパターン別に分類し、53種類の動物に例えています。シマウマは、白と黒が共存しているので、「矛盾を受け入れる」という意味になります。また、コウモリはいつもさかさまですから、逆さまから考えてみることになります。

 たとえ「クリエイティブになりたい」と思っても、簡単に1人で出来るものでもありません。アニマル・シンキングは、クリエイティブに考えるために脳を刺激するツールです。ごく普通の人が、この思考グセに気づきながら違った思考パターンをある程度自在に使えるようになり、価値あるイノベーション、すなわち「バリュノベーション」を起こせるようになることに、焦点を当てています。

――  イスラエルと日本では、「思考グセ」の傾向も違うようですね。

ブライヘル そうですね。日本では、現在の姿に別のものを組み合わせたり、何かを補完したりして発想する考え方が多いようです。一方でイスラエルではとりあえず壊してしまう、今の姿を否定してしまう、という思考が多いです。ベンチャー企業が多いのも、そうした土壌のせいかもしれません。ちなみに私も、自分で会社を立ち上げたベンチャー起業家の1人です。

まずフォーク自体を否定するイスラエル人

 例えば「新しいフォークを考えてみてください」という質問を投げかけるとしましょう。日本人の場合、別のモノと組み合わせたり、新しい機能をつけたりというケースが多いようです。一方イスラエルの場合、フォーク自体を否定してしまう。「よし、フォークとは別のものを作って食べてみよう」となるわけです。

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著者プロフィール

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日経ビジネス記者。1993年朝日新聞社入社、阪神大震災から温暖化防止京都会議(COP3)まで幅広い取材を経験した後、2001年1月から日経ビジネス記者に転身。国内外の小売・消費財・不動産・マクロ経済などを担当し、『日経ビジネスオンライン』、『日経ビジネスマネジメント』(休刊)の創刊に携わる。米プリンストン大学ウッドローウィルソンスクールに留学し2005年に修士号を取得(公共政策)。近年は経済学コラムの企画・編集、マネジメント手法に関する取材、執筆などを担当。

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