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「変化の時代」に「変わらない価値」が評される(後)

~ベストセラー『経営の教科書』著者・新将命氏に聞く

2010年5月17日(月)

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 ツイッターにもフリーミアムにも一行も触れていない経営書が売れている。派手なキーワードはない。すぐに売り上げが上がる、利益が上がる、といった耳触りのいい言葉もない。むしろ目次に並ぶのは、極めてベーシックな言葉である。だが、ひとたび読み始めると、じわりと効いてくる。昨年12月の発売以来、ベストセラーを続けている、新将命著『経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目』だ。

 “伝説の外資トップ”として知られる新氏が、50年のビジネス人生の集大成として書いたという。そこには、今の激しい「変化の時代」に、経営者が知っておくべき「変わらない価値」が記されていた。新氏に聞く『経営の教科書』とは? 今回は2回連載の後編。

新 将命(あたらし・まさみ)

国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年東京生まれ。早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フイリップスを含むグローバル・エクセレント・カンパニー6社で四十数年にわたり社長職を3社、副社長職を1社経験。2003年から住友商事を含む数社のアドバイザリー・ボードメンバーを務める。長年の経験と実績をベースに経営者、経営幹部を対象に経営とリーダーシップに関する講演・セミナーを通じて国内外で「リーダー人財開発」の使命に取り組んでいる。また“エグゼクティブ・メンター”として、経営者・経営者グループに対する経営指導・相談の役割を果たしている。実質的内容の希薄な虚論や空論とは異なり、実際に役に立つ“実論”の提唱を眼目とした、独特の経営論・リーダーシップ論には定評がある。『経営の教科書』(ダイヤモンド社)『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』(武田ランダムハウスジャパン刊)をはじめ、著書・CD教材多数。(写真:小久保松直、以下同)

優れた経営をしても、結果が出ない時がある

前編から読む)

 ―― 新さんはご自身もかつて外資系のトップを務めておられたわけですが、今の時代環境をどのようにとらえていますか?

 4つの大きな環境変化があると見ています。まず1つめはグローバル化。そして2つめが多様化。3つめがIT化。そして4つめが、今進んでいる変化は、実は変化そのものである、ということです。物事の動き、流れが激変、急変している。あれよあれよという間に経営環境が変わっていきます。

 経営者が今、何より意識しなければならないのは、変化への対応です。有名なダーウィンの言葉にこんなものがありますね。「進化においては、大きい者や賢い者が生き残ったわけではない。生き残ったのは、変化に対応できる者だ」。

 ビジネスの世界においても、大きいものが生き残れるなら、日本航空やGMの凋落が説明できません。昔は大きいことはいいことでした。大きいとつぶれないとされた。しかし、今はそんなことはありません。変化に迅速に敏速に対応できなければ、むしろ大きいことは怖いこと、というのが今の時代です。

 私はよく、こんな戯れ歌を講演などで披露しています。「大変の時代 大変しないと 大変だ」。

利益を出す要因の46%は実は外部要因

 ―― 一方で、「外部要因」が悪かったら、実は思った通りの結果は出せない、とも解説しておられます。どんなに優れた経営をしていても、結果を出せないことがある、と。

 本ではグラフにして見せることにしましたが、ハーバード・ビジネススクールのステファン・P・ブラドレー教授によれば、「利益の源泉は何か」を分析してみたところ、なんと利益を出す要因の46%は会社の「外部要因」、つまり経済を含む外部環境にあったというんです。

 客観的にクールに統計的に見ると、利益に占める背景は、内部要因が54%、外部要因が46%なのだ、と。マクロ経済環境、消費者動向、政府の規制、為替レート、原油コスト、素材コストなどの外部の要因が占める割合が、実はびっくりするくらい大きいんです。

 事業会社は、自社の強み、土俵選びが重要だと言われますが、どんなに品質の高いものを作ったとしても、市場規模の成長が期待できなければ、ビッグビジネスにはなりません。ゲタやレコード針で1000億円企業にはなれないというのは、そのわかりやすい例です。スケールがあって、しかも伸びている。参入して収益性が期待できる。そういう要素が実に46%も占めているということです。

 逆にいえば、円高や円安を嘆いたところで、経営者にはどうすることもできません。同じように不況を嘆いたところでどうにもならない。変えることができないことについて考えることを、英語で「worry」と言います。日本語に訳すと杞憂。それは無駄だから、やめましょうということです。

 考えれば自分で変えられるものを英語で「think」と言います。これには意味がある。大事なことは、経営者として何を「think」すればいいか、ということです。その点においては、周りの環境は関係がない。経営理念は何か。短期・長期の目標をどうするか。目標達成までの大枠のやり方は。戦略は何か。考え得る中で自分で「think」することが今は必要なんです。

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「「変化の時代」に「変わらない価値」が評される(後)」の著者

上阪 徹

上阪 徹(うえさか・とおる)

ライター

リクルート・グループなどを経て、95年よりフリーランスのライターに。経営、金融、就職などをテーマに雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。インタビュー集に『プロ論。』ほか。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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