「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」

女運転手は見た! EVタクシーに乗るとついやってしまうある行為とは?

第41回:三菱 i-MiEV【総括編】

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2010年5月13日(木)

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 いや、実に興味深いお話を伺うことが出来ました。i-MiEV開発者・吉田さんのインタビュー。

 インタビュアーという立場をすっかり忘れ、野次馬根性丸出しで無礼千万な質問をいくつも投げかけてしまいましたが、吉田さんはイヤな顔一つもせずに、懇切丁寧に訥々と答えて下さいました。インタビューしたタイミングは、当面最大の“仮想敵”である日産リーフの発売を数日後に控えた何ともビミョーな時期だったのですが、吉田さんはそんな“些細なこと”など気になさる風もなく、好敵手の出現をむしろ歓迎しているようにすら感じられました。「どちらがたくさん売れたと売れないとかそういう事ではなく、今はEV市場全体を盛り上げるべき時期なのですよ。ウチでも日産さんでも良いじゃないですか」。吉田さんはそう思っておられるのではないでしょうか。そして実際にi-MiEVもリーフも販売計画を大きく上回って受注が増えている。うんうんいいぞその調子。きっとニコニコしながら頷いておられるのでしょう。

 さて、今回のi-MiEV総括編。いつもなら街中でユーザーを見付けて強引に話し掛けるか、あるいは販売店への突撃取材を敢行するところなのですが、(販売好調とはいえ)いかんせんまだまだ絶対数が少な過ぎる。エンジン仕様のアイならまだしも、街中でi-MiEVに遭遇するチャンスは(今のところ)絶望的に少ないのです。近所の販売店で聞いても、「いやぁ、ウチの店ではまだ売れて無いスね。問い合わせも無いっス」とにべもない返答。さてどうしたものかと思案していたら、整理していた古新聞の片隅に「電気自動車のタクシー登場」なる記事が出ているではありませんか。これはナイス。早速記事に出ていた日の丸リムジンに連絡をしてみました。以下、同社が実験的に運行しているi-MiEVタクシーの搭乗記です。

*   *   *

 先ずは同社の口上を見てみよう。ホームページを見に行くと、キチンとしたプレスリリースが出されていた。

東京で初!電気自動車タクシー
『ゼロタクシー(ZeRO EMISSION TAXI)』運行開始
〜人に、環境に、やさしい交通を目指して〜

 東京のハイヤー・タクシー事業者株式会社日の丸リムジン(本社:東京都文京区代表取締役社長:富田浩安)は、平成21 年9〜10 月に丸の内・大手町・有楽町地区において実施した『環境交通社会実験』の成果を踏まえ、東京で初となる電気自動車(三菱自動車工業株式会社i-MiEV)を導入し、環境にやさしく、丸の内・大手町・有楽町地区を中心とするコミュニティタクシーの運行を開始いたします。

※引用元はこちら(pdf)

 なるほど「東京で初!」なのか。ということは他県では既に始まっているのだろう。調べてみると四国愛媛は松山市の「富士タクシー」が昨年8月から同じi-MiEVで運行を開始していた。東京は愛媛から遅れること半年以上して、ようやく始まったのである。

 所定の連絡先に電話を入れる。当然、覆面(いや乗るときは外しますが)取材だ。

EVタクシーに乗るには、タクシーで丸の内へ(アレ?)

「スミマセン。新聞で読んだ者なのですが、そちらでi-MiEVのタクシーを運行されているとか……?」
「はいはい。こちらで承っております」
「ちょっと興味があって乗ってみたいのですが、どうしたら良いのでしょう?」
「はい。基本的には“流し”の営業なのですが、空きが有ればご予約を頂くことも可能です」
「今日の3時はどうでしょう?」
「今日の3時ですね。え〜と、少々お待ち下さい。すぐに調べますから」

 程なくして受話器に戻って来た担当者氏。

「本日3時。大丈夫です」
「それじゃ予約をお願いします。品川まで来ていただくことは可能ですか?」
「品川ですか……? え〜と、あのですね。基本的には丸の内界隈でお願いしているのですが……」
「丸の内界隈ですか? ちょっと遠いなぁ……やありアレですか。航続距離の問題ですか?」
「やはり航続距離が。はい」

 迎車は丸の内界隈に限られているらしい。私は当日品川駅近くで打ち合わせをしていたのだが、それなら仕方がない。タクシーに乗りに丸の内までタクシーを飛ばそう。何だかぜんぜんエコじゃないなぁ……。

「分かりました。それでは有楽町の駅に行きましょう。乗ってもあまり遠くには行かない方が良いのでしょうね。例えば世田谷に行ってくれとか、それは難しい?」
「基本的には銀座、丸の内、東京駅界隈でお願いしているのですが……」
「皇居周遊とか、そんな感じで?」
「そうですね。そのようにご利用されるお客様が多いです」

 なるほど。利用客は電気自動車の乗り心地を体感しに来る“お試し”が多いのか。

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フェルディナント・ヤマグチ

フェルディナント・ヤマグチです。皆様と同じようにビジネスの最前線で仕事をする傍ら、アチコチの雑誌で連載を持っています。つまりクルマ業界に接してはいますが、本業ではない。首まで浸かっていない故、かえってギョーカイのシガラミや仕来りを超越して、好き勝手なことを書き倒すことが出来る微妙且つナイスなポジションに立っています。もちろん皆様と同じように昔からクルマが大好きで、学生時代はかなり無理をして懸命にクルマを購入したクチでして、一番最初に買ったのは、初代RX-7でした。最後は青山墓地の前で追突され大破してしまいましたが、あれは良いクルマでした。本業はかなり堅い会社で管理職を務めるリーマン稼業なものですから、顔出しNG&ペンネームで失礼いたします。や、そう警戒なさらないで下さい。決して怪しい者ではございませんので。



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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

 この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いします。
 なに、“考える”と言ってもそれほど大袈裟なことではありません。クルマはこれからどうなって行くのか。現在売り出されているクルマは何を考え、何を目指して開発されたのか。実際にクルマに乗り、開発者に会ってお話を伺い、販売現場からの声にも耳を傾ける……。ビジネスはビジネスとして事実をしっかりと捉まえた上で、もうちょっとこう明るく楽しくクルマを味わって行こう、というのがこの「走りながら考える」の企画意図です。

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