いや、実に興味深いお話を伺うことが出来ました。i-MiEV開発者・吉田さんのインタビュー。
インタビュアーという立場をすっかり忘れ、野次馬根性丸出しで無礼千万な質問をいくつも投げかけてしまいましたが、吉田さんはイヤな顔一つもせずに、懇切丁寧に訥々と答えて下さいました。インタビューしたタイミングは、当面最大の“仮想敵”である日産リーフの発売を数日後に控えた何ともビミョーな時期だったのですが、吉田さんはそんな“些細なこと”など気になさる風もなく、好敵手の出現をむしろ歓迎しているようにすら感じられました。「どちらがたくさん売れたと売れないとかそういう事ではなく、今はEV市場全体を盛り上げるべき時期なのですよ。ウチでも日産さんでも良いじゃないですか」。吉田さんはそう思っておられるのではないでしょうか。そして実際にi-MiEVもリーフも販売計画を大きく上回って受注が増えている。うんうんいいぞその調子。きっとニコニコしながら頷いておられるのでしょう。
さて、今回のi-MiEV総括編。いつもなら街中でユーザーを見付けて強引に話し掛けるか、あるいは販売店への突撃取材を敢行するところなのですが、(販売好調とはいえ)いかんせんまだまだ絶対数が少な過ぎる。エンジン仕様のアイならまだしも、街中でi-MiEVに遭遇するチャンスは(今のところ)絶望的に少ないのです。近所の販売店で聞いても、「いやぁ、ウチの店ではまだ売れて無いスね。問い合わせも無いっス」とにべもない返答。さてどうしたものかと思案していたら、整理していた古新聞の片隅に「電気自動車のタクシー登場」なる記事が出ているではありませんか。これはナイス。早速記事に出ていた日の丸リムジンに連絡をしてみました。以下、同社が実験的に運行しているi-MiEVタクシーの搭乗記です。

* * *
先ずは同社の口上を見てみよう。ホームページを見に行くと、キチンとしたプレスリリースが出されていた。
東京で初!電気自動車タクシー
『ゼロタクシー(ZeRO EMISSION TAXI)』運行開始
〜人に、環境に、やさしい交通を目指して〜
東京のハイヤー・タクシー事業者株式会社日の丸リムジン(本社:東京都文京区代表取締役社長:富田浩安)は、平成21 年9〜10 月に丸の内・大手町・有楽町地区において実施した『環境交通社会実験』の成果を踏まえ、東京で初となる電気自動車(三菱自動車工業株式会社i-MiEV)を導入し、環境にやさしく、丸の内・大手町・有楽町地区を中心とするコミュニティタクシーの運行を開始いたします。
※引用元はこちら(pdf)
なるほど「東京で初!」なのか。ということは他県では既に始まっているのだろう。調べてみると四国愛媛は松山市の「富士タクシー」が昨年8月から同じi-MiEVで運行を開始していた。東京は愛媛から遅れること半年以上して、ようやく始まったのである。
所定の連絡先に電話を入れる。当然、覆面(いや乗るときは外しますが)取材だ。
EVタクシーに乗るには、タクシーで丸の内へ(アレ?)
「スミマセン。新聞で読んだ者なのですが、そちらでi-MiEVのタクシーを運行されているとか……?」
「はいはい。こちらで承っております」
「ちょっと興味があって乗ってみたいのですが、どうしたら良いのでしょう?」
「はい。基本的には“流し”の営業なのですが、空きが有ればご予約を頂くことも可能です」
「今日の3時はどうでしょう?」
「今日の3時ですね。え〜と、少々お待ち下さい。すぐに調べますから」
程なくして受話器に戻って来た担当者氏。
「本日3時。大丈夫です」
「それじゃ予約をお願いします。品川まで来ていただくことは可能ですか?」
「品川ですか……? え〜と、あのですね。基本的には丸の内界隈でお願いしているのですが……」
「丸の内界隈ですか? ちょっと遠いなぁ……やありアレですか。航続距離の問題ですか?」
「やはり航続距離が。はい」
迎車は丸の内界隈に限られているらしい。私は当日品川駅近くで打ち合わせをしていたのだが、それなら仕方がない。タクシーに乗りに丸の内までタクシーを飛ばそう。何だかぜんぜんエコじゃないなぁ……。
「分かりました。それでは有楽町の駅に行きましょう。乗ってもあまり遠くには行かない方が良いのでしょうね。例えば世田谷に行ってくれとか、それは難しい?」
「基本的には銀座、丸の内、東京駅界隈でお願いしているのですが……」
「皇居周遊とか、そんな感じで?」
「そうですね。そのようにご利用されるお客様が多いです」
なるほど。利用客は電気自動車の乗り心地を体感しに来る“お試し”が多いのか。
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