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“進退伺い”した岡田監督が目指したもの

韓国戦終盤の選手交代に垣間見えた片鱗

  • 森本 美行

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2010年5月28日(金)

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 ビジネスを取り巻く環境の変化は激しさを増し、不確実性は高まるばかり。でも、そんな時代だからこそ、データを基に現状を正確に把握することが欠かせない。

 多様なデータの活用が進んでいるスポーツの世界。集めたデータを分析すると、観戦した時の印象とは異なる試合や対戦相手の「実像」が浮かび上がってくる。そうしたデータの分析と活用の仕方は、ビジネスパーソンにも意外に参考となる点が多いはずだ。

 このコラムでは、スポーツのデータの分析と配信を手がける会社である「データスタジアム」の森本美行会長が、データの分析を通して、スポーツファンの注目を集めた一戦や選手の“真実”に迫る。そして、ビジネスにも通じるデータ活用の重要性を示すとともに、スポーツというものの奥深さを伝えていく。

 試合会場やテレビなどで観戦していたサポーターの胸中には、どのような思いが去来したのだろうか。

 4日前の5月24日、埼玉スタジアムで行われたサッカーの国際親善試合キリン・チャレンジカップ。ともにワールドカップ(W杯)南アフリカ大会(6月11日開幕)に出場する韓国代表と対戦した日本代表は、0-2で敗北した。

 韓国代表には今年2月にも、東京で開かれた東アジア選手権で1-3と敗れている。だが、あの時は両チームとも海外でプレーする選手が出場していなかった。今回は海外組も参加し、W杯を目前に控えてお互いに持てる力を試し合う“真剣勝負”だった。それだけに再びホームで敗戦を喫したのを見て、サポーターの多くが落胆したことだろう。

 試合後、日本のメディアは、岡田武史監督が犬飼基昭・日本サッカー協会会長に「続けていいですか」と“進退伺い”したことを大きく取り上げ、W杯開幕を目前にしたチームの混迷ぶりを報じた。

 では、岡田監督が“進退伺い”するほどの試合内容だったのか。それは、きちんとしたデータの分析に基づいて、次回で詳しく論じたい。

 今回は、この試合に先立って5月10日に発表された代表メンバーの選考結果などから、岡田監督がW杯本大会で披露しようとしているサッカーについて考えてみる。

Jリーグ得点王と予選の立役者を押さえての選出

 メンバーに選出された23人の多くは岡田ジャパンの常連で、その顔ぶれのほとんどは大方の予想通りだった。そうした中、昨年1月以来、代表から遠ざかっていたGKの川口能活選手(ジュビロ磐田)とともに、「サプライズ」と評されたのが、アルビレックス新潟のフォワード(FW)、矢野貴章選手の選出だ。

 矢野選手は今年に入ってからの代表出場が4月のセルビア戦だけだったのに加えて、FWの候補には今回選ばれた選手のほか、Jリーグで昨季の得点王に輝いた前田遼一選手(ジュビロ磐田)や、W杯予選で活躍した田中達也選手(浦和レッズ)などの名前が下馬評に上がっていた。これらの“実力者”を押さえての選出が驚きと受け止められた。

 だが、様々なデータから分析する限り、矢野選手の選出は決してサプライズではなく、岡田監督にとっては“必然”だったと私は見る。

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