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無趣味だから尋ねて歩いた。『趣味は何ですか?』と
~趣味人と職人との意外な共通点

2010年6月16日(水)

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趣味は何ですか?』高橋秀実著、角川書店、1680円

「趣味は、ピアノと読書です」

 この答え方では就職に不利だと断言するのは、著者の高橋さんが取材した就職コンサルタントのプロ。逆に内定を取りまくった女性の模範解答は、「登山」だという。「採用する側はおじさんたちです。おじさんの共感を得なくてはなりません」。

 ピアノはひとりでやるものだから、協調性に乏しいと、とられがち。同じ楽器でも「チューバ」だと、元気にみんなで演奏しています、とプラスに働くのだそうだ。

 同様に映画鑑賞は、×。しかし「趣味は映画館」とヒネリが加われば、○。そんなレクチャーを受けるところから始まるのが、ノンフィクション作家・高橋秀実さんの『趣味は何ですか?』だ。

 婚活や合コンでも同様。「本当に大切なのは趣味が何かというより、趣味を通じて“働く自分”を描くこと。つまり趣味で、“自分を物語れるか”ということなんです」と、その道のプロの指導にブレはない。

日本中の「消印」を集めて30年!

 勢いに圧倒されながらも、高橋さんは立ち止まる。もともと「趣味がない」。あるとき「趣味は何ですか?」と質問を受けたのがきっかけで困惑し、ルポのテーマを探しているうちに苦し紛れに出したのが、ゆるい変化球のようなお題だったわけだ。

 就職コンサルタントをあとにした高橋さんは、蕎麦打ちやヨガ教室など、さまざまな集まりに顔をだしては、趣味の話を聞いたり、自ら実体験してみたりする。

 変わったところでは、カメと暮らす人(すくすく巨大化した愛亀の住処に間借りさせてもらっているかのような暮らしぶり)や、坂マニアから特化した、街中にふつうにある道の階段を愛でる人、ゲームセンターで無表情に「太鼓の達人」を叩き続ける小学生(「楽しい?」と問いかけても「時間潰し」と無愛想に切り返してくる)たちに声をかけてみる。

 市井の人との会話をつぶさに綴っていくのが高橋さんのノンフィクション手法で、みなさんがよく語るのは、聞き手の姿勢によるものだろう。けっして、上に立たない。「わからない」からわかろうとする粘りは、カナヅチを克服しようとしてスイミング教室に通った体験ルポ『はい、泳げません』と通じている。あいかわらず、高橋さんは「高橋秀実」をやっているわけだ。

「自分の時間が欲しいな、と思いますね」

とインタビューに答えているのは、「消印収集」歴50年の檜垣廣政さん(69歳)さんだ。『月刊けしいん』を発行する「消印同好会」(会員数は約180人)の幹事をしている。

 「消印」なんて集めてどうすんだ? と思わなくもないが、消印同好会では日本全国約2万4000の郵便局すべての消印を集めることを最終目標に定めてきた。

 「最初の10年は早かったんです」と檜垣さんはいう。担当地域を割り振り、仲間で交換しあってきた。それでも「穴(ブランク)」が埋まらず、「完集」までに費やすこと30年!

「なんで途中でやめなかったのか、自分でもよくわかりません」

 「完集」できた仲間は10人中5人。残りは「途中で亡くなりました」というから、たかが消印とあなどれない。雪中行軍の八甲田山の画が、びゅーびゅー浮かんでくる。しかも「完集」への道は、これで終わらなかった。

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