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Vol.3 本当に「死にたい」、でもそれは病気が思わせているだけ!

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2010年6月25日(金)

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 またまた「下山論プロジェクト」へようこそ。よその部署に勝手な企画を継続中の編集Y(@日経ビジネスアソシエ)です(ツィッターはこちら)。

 さて今回、内容が大変キツいです。筆者の「うあがりOL」さんと「コレはどうなんだろうね、読んだら気分がメゲないかしら」と相談を重ねました。「でも、この話を明るく楽しく書くって、もう超絶な才能の作家さんでもないと無理」「そりゃそうだ…」。

 才能もなく作家さんでもない私たちは潔く諦めました。
 でも、本当の話ですし、ちゃんと「出口」も付けました。

 あえて本論の比喩でいけば、ここで語られている様々な方の体験は、「下山」の途中で出くわす、雪崩のようなものかもしれません。といいますか、本人の頭(論理、立場)がどうしても下山できないでいるときに、雪崩が起こって無理矢理下へ押し流されてしまう、それが、この辛い経験なのではないでしょうか。

「うつの湯」をあがれば、新しい道が見えてくる

 もうひとつ思ったのは、しつこくご紹介している当プロジェクト第一弾、計見先生の記事(「お父さんが『眠れない』のは、心の問題ではない」)で語られる患者さんの心理と、この「うあがりOL」さん、「う」友(本稿では、うつ病を「う」と記します)さんが語る内容とが恐ろしいくらい一致することでした。もしまだ計見先生の記事をお読みでなければ、先に読んでおいていただくと、より納得でき、しかも気持ちが楽になるかと思います。

 では、ちょっとだけ覚悟を決めて、どうぞ。(Y)

(前回「Vol.2 「ありがとう」に応えきれなかった、わたし」から読む)

 働き過ぎで「うつ」と診断された私は、発症した部署から古巣を経て、別の編集部に異動になりました。これまでとは違う分野の雑誌を作るのです。

 「うつ」病中は、環境の大きな変化を避けるのが定石とされています。結婚や離婚、転居や転職など。環境の変化は、大きなストレスとなるからです。そのため、部署を異動することに不安はありましたが、新しい職場の上司とは顔なじみでもあり、新しい仕事の日々が始まったのです。

 しばらくして、まだ雪深い新潟の酒造会社に取材に行った帰り、新幹線の中で「それ」はやってきました。激しい「悪寒」と「恐怖心」「不安感」。吐き気とも違う、えもいわれぬイヤ~な感じ。―――「うつ」の症状でした。

 その後、打ち合わせの途中で、悲しくもないのに泣きそうになったり、取材に出かけて人に会うのが怖くなるなど、不安定な状態が続きました。極めつけはパニック症状。ある夜、自宅で、強烈な不安感と恐怖感に襲われて、泣きながらパニックに陥ったのです。「助けて! 怖い! 助けて! 私、おかしいの!」。

(嗚呼、自分で思い出すだけでもしんどい話なのに、それをお仕事中に読ませてしまってごめんなさい~。でも、ツラいばかりでは終わりませんので、どうか、おつきあいくださいませ)

 その後も、出社しようとすると手が止まってしまい、支度に時間がかかり、思い悩む出社困難な状態が日常化します。

 そんな日々がしばらく続いた頃、上司が言いました。
「無理せず、ここは、しばらく休んだらどうだ?」

 こうして私は休職することになったのです。

「なんだか、とんでもないことになってしまった」
というのが偽らざる気持ちでした。
「これから、自分はどうなってしまうのだろう?」
 不安と恐れ、落胆、焦り、あきらめが、じっとりと自分を包む…。

 “う”の湯は、濃い灰色のドロ湯で、ドロは沈殿しておらず、しかも濃い。どっぷりと浸かっていると、ドロにハマったかのような、不思議な感覚を覚える。
 少し、のぼせてきたら、洗い場に出る。ふーっ。そしてまた、ドロ湯へ。この繰り返しだ。

 着ていたものがすべてドロに溶けて消えてしまうと、妙に心細くなった。自分をミメ良く見せるためのアレコレは、もはや自分のものではない。身につけていたヨロイはどこへ消えたのか。いつも持ち歩いていたお気に入りのアクセサリーもどこかに失ってしまった。はて、残った自分はナニモノなのか。

 ドロ湯に浸かりながら、私はなぜこの湯に入っているのだろうかと不思議に思う。どうしてココへ来ることになったのか。身につけていたものを失ってしまって、どうやってココから出ればいいのだろうか。

 仕事人間だった私から、仕事を取ったら何が残るのか?…見事に何も残っていませんでした。コテンパンに打ちのめされたかのような、壊滅的なまでの自信喪失が待っていたのです。

コメント18件コメント/レビュー

私も”う”に片足を突っ込んでいる状態です。朝起きたときに、得も言われぬ不安に苛まれ、人と話すのが怖い、外に出るのが怖い、部屋から、いや布団から出ることすら怖いという状態がたまに起きます。また、どうしょうもない絶望感にも苛まれ、何をやっても仕事に失敗しクビになり野垂れ死ぬ光景しか頭に浮かばないこともあります。それを母に相談して涙を流されましたが何の感情も沸かないのです。これを異常と言わずしてなんと言うでしょう。今回、この記事を拝見し、「死にたい、野垂れ死ぬかも」という感情が病気によるものだと分かり大変助かりました。この連載は是非本にすべき内容だと思います。(2010/07/11)

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私も”う”に片足を突っ込んでいる状態です。朝起きたときに、得も言われぬ不安に苛まれ、人と話すのが怖い、外に出るのが怖い、部屋から、いや布団から出ることすら怖いという状態がたまに起きます。また、どうしょうもない絶望感にも苛まれ、何をやっても仕事に失敗しクビになり野垂れ死ぬ光景しか頭に浮かばないこともあります。それを母に相談して涙を流されましたが何の感情も沸かないのです。これを異常と言わずしてなんと言うでしょう。今回、この記事を拝見し、「死にたい、野垂れ死ぬかも」という感情が病気によるものだと分かり大変助かりました。この連載は是非本にすべき内容だと思います。(2010/07/11)

"う"上がり経験者の44歳です。解り過ぎるだけに軽々な事が言えないなぁとも感じていますが、タイトルの「病気が思わせているだけ!」は真実です。そもそも生物のDNAには種の存続を達成する為の生命維持機能がプログラミングされている訳ですから"死にたい"と言う思考ロジックそのものが既にその本能に反している=正しく機能していない事の証左です。"う"の人はモノサシが自分に無く他人にある事が往々にしてある様です。正しくこのサイトの「おまんのモノサシ持ちや!」ですね。(笑)これに気付いてから私は治療効果が一気に進みました。現在は通院・服薬もしていません。現職と自分とのミスマッチにも気付け、この経験を生かせる職を探しながら生きています。筆者さん、頑張らなくて良いからあきらめるな!青空は思うより近くにある!(2010/06/29)

「う」の足湯くらいなら、浸かったことがある者です。あの重苦しい、ズーンという感覚は、なかなか忘れられません。幸い、自分で異常に気付くのが早かったのと、相談できる人や理解ある友人に恵まれたことで、通院や投薬もせず、仕事にも特に影響なく、元気になりました。この経験をきっかけに、自分でも勉強して産業カウンセラーの資格も取りました。「I'm OK, you're OK.」そろそろ自分のことを許してあげて欲しいなと思います。そう言いつつ、私も自分につい全知全能を求めてしまうのですがね。(2010/06/29)

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