「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」

「作り手だってスバリスト!」スバルはかくして作られる

第46回:スバル レガシィ【開発者編・後編】

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2010年6月17日(木)

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 どこの自動車メーカーにも固定したファン層はいるもので、1つの車種がモデルチェンジする度に律儀に乗り換えられたり、ライフスタイルの変化に併せて同じ会社のクルマをコツコツとステップアップする、所謂「いつかはクラウン」を実践される方がいたりします。私の亡き父親などは、こうしたトヨタ自動車の戦略にドップリとハマっていたクチでして、それこそ“いつかはクラウン”を地で行っていた人でした。

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 トヨタにはトヨタのファンが、ホンダにはホンダのファンが、そして日産自動車にもマツダにもそれぞれに根強いファンが存在します。しかし“スバリスト”と呼ばれる熱狂的なスバルのファンは、そうした他社のファンとはいささか趣が違います。何と言いますか、熱狂のケタが違う。一種宗教じみた感じさえするのです。
 それでは富士重工業はスバリストのことをどのように捉まえているのでしょう。毎度ありがとうございのヘビーユーザーなのか。はたまたアレコレ文句を言う厄介な客なのか。

 今回の開発者インタビューは、そのあたりからお話を伺いましょう。
 スバルの看板娘、5代目「レガシィ」を開発された、プロジェクトゼネラルマネージャー熊谷泰典氏のインタビュー後編です。

*   *   *

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):スバリストのお話が出たので、その辺りをもう少し詳しく伺いたいと思います。富士重工としては、スバリストと呼ばれる熱狂的なファンの存在をどのように理解されているのでしょう。

スバリストの明確な定義は…ない!?

熊谷(以下、熊):実は会社として“スバリスト”を明確に定義づけている訳ではないんです。僕の勝手な解釈だと、スバリストは先ほどヤマグチさんがおっしゃった排他的でバリバリの人達よりも、もうちょっと範囲が広くて、走りだけじゃなくスバル車そのものを愛してくれている、家族でスバルを乗り継いでくれているような方々だと思っています。

F:親の代からスバルファン、という方も……?

熊:それはもう大勢いらっしゃいます。お爺様の代からのスバルファンで、私でもう3代目です、という方も少なくありません。お陰様でスバルはリピート率が非常に高いクルマです。

F:世の中にはこれだけたくさんのクルマがあって、しかも今は外車も安くなっていて、それでも代々スバルを買い続けてくれるというのは、メーカーにとっては非常にありがたい話ですよね。他社のクルマではあまり見られないケースではないでしょうか。

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フェルディナント・ヤマグチ

フェルディナント・ヤマグチです。皆様と同じようにビジネスの最前線で仕事をする傍ら、アチコチの雑誌で連載を持っています。つまりクルマ業界に接してはいますが、本業ではない。首まで浸かっていない故、かえってギョーカイのシガラミや仕来りを超越して、好き勝手なことを書き倒すことが出来る微妙且つナイスなポジションに立っています。もちろん皆様と同じように昔からクルマが大好きで、学生時代はかなり無理をして懸命にクルマを購入したクチでして、一番最初に買ったのは、初代RX-7でした。最後は青山墓地の前で追突され大破してしまいましたが、あれは良いクルマでした。本業はかなり堅い会社で管理職を務めるリーマン稼業なものですから、顔出しNG&ペンネームで失礼いたします。や、そう警戒なさらないで下さい。決して怪しい者ではございませんので。



このコラムについて

フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

 この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いします。
 なに、“考える”と言ってもそれほど大袈裟なことではありません。クルマはこれからどうなって行くのか。現在売り出されているクルマは何を考え、何を目指して開発されたのか。実際にクルマに乗り、開発者に会ってお話を伺い、販売現場からの声にも耳を傾ける……。ビジネスはビジネスとして事実をしっかりと捉まえた上で、もうちょっとこう明るく楽しくクルマを味わって行こう、というのがこの「走りながら考える」の企画意図です。

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