「どうする? 日本の医療」

患者は7割、医師は6割が「混合診療は原則解禁すべき」

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2010年6月22日(火)

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 「混合診療は原則解禁すべき?」とのテーマでまとめた前回の記事に対しても、多くの方からご意見をいただきました。本当にありがとうございました。

混合診療における現状の医療費負担

 混合診療とは、同一の疾患に関する不可分の治療の中で、医療保険の適用となる医療サービスと、保険適用にならない医療サービスを併用することを言います。日本における運用ルールとしては、混合診療は原則的には認められていません。仮に、保険適用の医療サービスと保険適用外の医療(自費診療)を併用すれば、通常なら3割負担で済む保険適用部分も全額自費診療扱いとなってしまい、患者は多額の経済的負担を強いられます。

混合診療の拡大論が再び浮上

 厚生労働省はこれまで、混合診療を原則禁止としている理由として、(1)有効性や安全性が担保できない怪しげな診療が横行する恐れがある、(2)自由診療が一般化することで経済力によって受けられる医療に格差が生じかねない――の2点を、その主たる理由として主張してきました。また、混合診療解禁に対する問題点としては、保険給付範囲の縮小の可能性も挙げられます。混合診療の解禁に合わせ、医療財政の立て直しを目的に、現在保険の対象になっている医療サービスを保険から除外する動きが活発化する恐れがあるからです。

 一方、解禁派は、医療機関が患者から自由に徴収できる費用の範囲を拡大すれば、患者ニーズの多様化に対応できると訴えます。一般に、保険給付が認められる医療サービスは、ある程度普及しており、現在の医療水準に照らして標準的と考えられるものになります。従って、新しく開発された診断・治療法に対して保険給付が認められるまでには、必ず一定のタイムラグが生じます。混合診療の原則禁止ルールが障害となって、国内未承認の新薬や新しい診療技術をなかなか利用できず、苦しんでいる患者が多くいるというのもまた事実です。

 現行、混合診療は原則禁止ですが、実は、保険外併用療養費制度という形で一部例外が認められています。この制度の下では、国が認めた「評価療養」(将来の保険適用を検討するために評価を行うもの)と「選定療養」(保険導入を前提としないもの)に限り、混合診療が可能です。

保険外併用療養費制度の対象

 その際の患者の窓口負担は、保険診療部分(原則3割)と保険外診療部分(全額)の合算となり、保険診療部分まで全額自己負担となる通常の混合診療に比べれば大幅に軽減されます。

保険外併用療養費制度における医療費負担

 内閣府・行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会は現在、保険外併用療養の範囲を拡大する方向で検討を進めています。混合診療の解禁問題は、これまでも度々、議論の焦点になった過去があります。今回、規制・制度改革に関する分科会が取り上げたことで、解禁の是非を巡る議論がまたもや再燃しそうな雰囲気です。

現行の保険制度への失望感の表れ?

 さて、前回の記事では、混合診療を原則解禁すべきかを皆さんと一緒に議論するとともに、原則解禁に対する「Yes」「No」を投票していただきました。日経メディカルオンライン(NMO)は59%、日経ビジネスオンライン(NBO)は74%が「原則解禁すべき」との意見で、過半数の方の意見は、「原則禁止派」の私とは異なるものでした。

 とはいえ、解禁に対して同じく「Yes」であっても、NMOに寄せられた医師の意見と、NBOに寄せられた患者の意見には、少々違いがあります。

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著者プロフィール

木村 憲洋(きむら・のりひろ)

木村 憲洋高崎健康福祉大学健康福祉学部医療福祉情報学科で講師、日本医科大学で非常勤講師を務める。1971年生まれ。武蔵工業大学工学部機械工学科卒。国立医療・病院管理研究所病院管理専攻科・研究科修了。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程、神尾記念病院などを経て現職。



このコラムについて

どうする? 日本の医療

医療崩壊が叫ばれる昨今。これまでの日本の医療政策は、主に、厚生労働省と日本医師会の間の駆け引きが軸になっており、医療を受ける国民は、蚊帳の外に置かれてきた。「日経メディカルオンライン」と「日経ビジネスオンライン」では、医療関係者と国民が日本の医療について議論して、知識を共有できる場を提供する。

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