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デンマーク戦で分かった日本代表の“現在地”

勝利を引き寄せた本田の真価とは

  • 森本 美行

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2010年6月29日(火)

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 8年ぶりの快挙に、多くのサポーターが胸を躍らせたことだろう。

 サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。6月25日未明に行われた1次リーグの最終戦で、日本代表はデンマーク代表に3-1で勝利。2勝1敗の成績でオランダに次ぐ2位となり、決勝トーナメント進出を果たした。

 1次リーグを突破したのは、2002年の日韓大会以来、2大会ぶり。そして日本時間で今夜午後11時、ベスト8進出をかけてパラグアイ代表と対戦する。

 アジアのライバル、韓国代表は決勝トーナメントの1回戦でウルグアイ代表に敗れ、一足先に大会を後にした。残るアジアの代表は日本のみ。ぜひとも勝って、日本サッカー史上初のW杯ベスト8進出を決めてもらいたい。

 代表選手を選出した後の強化試合で3連敗し、最悪のムードで大会本番を迎えた岡田ジャパン。かねて得点力不足を指摘されてきたチームが一挙に3点を奪っての勝利である。テレビなどで観戦していたファンの多くが、溜飲を下げたはずだ。

 日本代表に対するメディアの評価もガラリと変わった。しかし、1次リーグの3試合の戦いぶりを、「日本らしいサッカーを展開した」「日本のサッカーの将来が見えた」などと手放しで称賛する論調には、違和感を覚えざるを得ない。

岡田ジャパンのサッカーに未来はあるか?

 これまでも指摘してきたことだが、岡田ジャパンは、直前の強化試合の結果も踏まえ、ボールの支配率で4割と劣勢に立たされる世界の強豪との戦い方を見直した。「ボールへのプレッシャーとシンプルなビルドアップ」というコンセプトを維持しながらも、対戦相手に応じて戦術に修正を加えてきたのである。

 その戦術が機能して、カメルーン代表を1-0で破り、オランダ代表には0-1で敗れたものの、引き分け以上でも決勝トーナメント進出という有利な条件で、デンマーク戦に臨むことができた。

 しかしながら、相手に6割以上の割合でボールを支配された状況で体力を消耗し、終盤にガス欠を起こしてしまう。その結果、マイボールの時にスピードを生かした攻撃を展開できない。そうしたサッカーは、本来あるべき姿ではない。

 将来的に目指すべきは、相手ボールの時には近くにいる選手が即座にプレスをかけ、同時に残りの選手が賢明かつ効率的なポジショニングを取る。こうしたマイボールの時の攻守の切り替えの速さやボールと人を素早く動かすスピードを追求するサッカーなのだろう。

 岡田ジャパンが今大会で披露してきたサッカーは、ボール支配率が4割前後という劣勢を強いられる中で、まず失点を防ぎ、少ないチャンスをものにして勝利をつかみ取るというものだ。

 それが実行できているのは、大会直前の不調からくる危機感をテコにしてまとまったチーム、スタッフの情報収集能力、そして岡田武史監督の分析力と采配が、大会に入ってからうまくシンクロしたからだろう。ただし、これは決して再現性の高いものではないはずだ。

 前回の2006年ドイツ大会の1次リーグで良いところなく敗退し、消えかけていた日本サッカーの希望の灯を絶やさずに残した。その点では、今回の1次リーグ突破の功績は大きい。しかし希望の灯を4年後につなげたことと、日本サッカーの未来に灯をともしたこととは異なる。

 結果に対して喜ぶ一方で、世界における日本サッカーの現在地を正確につかみ、次に進むべき方向を誤らないということが重要である。

 スコアの上では3-1で大勝に終わったように見えるデンマーク戦も、様々なデータを分析すると、やはり世界のトップレベルとのフットボール技術の差を改めて印象づけられた試合だった。

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