• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

デンマーク戦で分かった日本代表の“現在地”

勝利を引き寄せた本田の真価とは

  • 森本 美行

バックナンバー

2010年6月29日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 8年ぶりの快挙に、多くのサポーターが胸を躍らせたことだろう。

 サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。6月25日未明に行われた1次リーグの最終戦で、日本代表はデンマーク代表に3-1で勝利。2勝1敗の成績でオランダに次ぐ2位となり、決勝トーナメント進出を果たした。

 1次リーグを突破したのは、2002年の日韓大会以来、2大会ぶり。そして日本時間で今夜午後11時、ベスト8進出をかけてパラグアイ代表と対戦する。

 アジアのライバル、韓国代表は決勝トーナメントの1回戦でウルグアイ代表に敗れ、一足先に大会を後にした。残るアジアの代表は日本のみ。ぜひとも勝って、日本サッカー史上初のW杯ベスト8進出を決めてもらいたい。

 代表選手を選出した後の強化試合で3連敗し、最悪のムードで大会本番を迎えた岡田ジャパン。かねて得点力不足を指摘されてきたチームが一挙に3点を奪っての勝利である。テレビなどで観戦していたファンの多くが、溜飲を下げたはずだ。

 日本代表に対するメディアの評価もガラリと変わった。しかし、1次リーグの3試合の戦いぶりを、「日本らしいサッカーを展開した」「日本のサッカーの将来が見えた」などと手放しで称賛する論調には、違和感を覚えざるを得ない。

岡田ジャパンのサッカーに未来はあるか?

 これまでも指摘してきたことだが、岡田ジャパンは、直前の強化試合の結果も踏まえ、ボールの支配率で4割と劣勢に立たされる世界の強豪との戦い方を見直した。「ボールへのプレッシャーとシンプルなビルドアップ」というコンセプトを維持しながらも、対戦相手に応じて戦術に修正を加えてきたのである。

 その戦術が機能して、カメルーン代表を1-0で破り、オランダ代表には0-1で敗れたものの、引き分け以上でも決勝トーナメント進出という有利な条件で、デンマーク戦に臨むことができた。

 しかしながら、相手に6割以上の割合でボールを支配された状況で体力を消耗し、終盤にガス欠を起こしてしまう。その結果、マイボールの時にスピードを生かした攻撃を展開できない。そうしたサッカーは、本来あるべき姿ではない。

 将来的に目指すべきは、相手ボールの時には近くにいる選手が即座にプレスをかけ、同時に残りの選手が賢明かつ効率的なポジショニングを取る。こうしたマイボールの時の攻守の切り替えの速さやボールと人を素早く動かすスピードを追求するサッカーなのだろう。

 岡田ジャパンが今大会で披露してきたサッカーは、ボール支配率が4割前後という劣勢を強いられる中で、まず失点を防ぎ、少ないチャンスをものにして勝利をつかみ取るというものだ。

 それが実行できているのは、大会直前の不調からくる危機感をテコにしてまとまったチーム、スタッフの情報収集能力、そして岡田武史監督の分析力と采配が、大会に入ってからうまくシンクロしたからだろう。ただし、これは決して再現性の高いものではないはずだ。

 前回の2006年ドイツ大会の1次リーグで良いところなく敗退し、消えかけていた日本サッカーの希望の灯を絶やさずに残した。その点では、今回の1次リーグ突破の功績は大きい。しかし希望の灯を4年後につなげたことと、日本サッカーの未来に灯をともしたこととは異なる。

 結果に対して喜ぶ一方で、世界における日本サッカーの現在地を正確につかみ、次に進むべき方向を誤らないということが重要である。

 スコアの上では3-1で大勝に終わったように見えるデンマーク戦も、様々なデータを分析すると、やはり世界のトップレベルとのフットボール技術の差を改めて印象づけられた試合だった。

コメント18件コメント/レビュー

「日本対デンマーク戦のアクチュアルタイムは短かった。前半を2-0で折り返して常にリードしている展開だったので、選手が性急にプレーを進めることがなかったからだろう」とありますが、それは日本側だけの事情ですよね。デンマーク側の事情はなぜ無視できるのでしょうか。彼らは前半を0-2で折り返して、性急にプレーを進めたかったはずだと思うのですが。(2010/07/06)

「森本美行のスポーツ解剖学 データでひもとく試合の“真実”」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「日本対デンマーク戦のアクチュアルタイムは短かった。前半を2-0で折り返して常にリードしている展開だったので、選手が性急にプレーを進めることがなかったからだろう」とありますが、それは日本側だけの事情ですよね。デンマーク側の事情はなぜ無視できるのでしょうか。彼らは前半を0-2で折り返して、性急にプレーを進めたかったはずだと思うのですが。(2010/07/06)

勝てば良いデータが得られ、負ければ悪いデータが得られる。どうのように戦い勝つかが求められるので、戦術があって語るべきだと思います。戦術に則したデータが得られているのか、否かが重要だと思いますが。(2010/07/05)

データの分析としては秀逸だったと思います。少なくとも、監督の采配に自己流の好き嫌いで論評する私を含むお茶の間評論家や、精神論でしか語れないなんちゃって評論家よりは説得力がありました。ここから先、日本と世界との差については、ぜひ(正当な対価と引き換えに)サッカー協会に提供いただき、日本サッカーの強化に貢献してほしいものです。(2010/07/01)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長